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レビュー

“限界を超えた!?”ウルトラスリムボディのデジカメ

最薄部12.2mm!「サイバーショット DSC-TX55」を使ってみた

年々、小型軽量化してきたデジタルカメラだが、ここ数年は目に見えるほどの大きな進歩はなかった。すでに「これ以上、そぎ落とすことができない」というところまで来てしまっていることがその理由だろう。筆者自身、デジカメの小型化はすでに限界に達していると考えていた。


だから、ソニーから「サイバーショット DSC-TX55」が発売されたときは驚いた。これまで限界だと思われていたサイズをゆうに下回る超コンパクトボディだったからだ。しかし、そうなると心配になるのが「これでちゃんと写るのか」ということ。論より証拠、実際に試してみた。

カラーバリエーション

限界を超えたウルトラスリムボディ

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カメラとしての性能を確認する前に、前提となるスリムボディについてチェックしよう。本機の薄さは、最薄部で12.2mm、最厚部でも13.2mmとなる(突起部除く)。これまで薄さの点でトップだったデジカメ(ここでは光学ズームレンズ搭載機)はソニー「サイバーショット DSC-T110」の薄さ16.8mmだったから、なんと3mm以上薄くなったことになる。

本当に中身が入っているのかと思ってしまいそうな薄さ。重量も約109gとトップレベルの軽さだ

ちなみに薄さ以外の点でも優秀。名刺とほとんど変わらない大きさを実現している

その上でカメラとしての基本性能も上々だ。撮像素子は近年のソニー製品でおなじみとなった「裏面照射型CMOS Exmor R」。有効画素数1620万画素の最新版を採用しており、画質的にも最新秋冬デジカメトップクラスの高品質をマークしていた。

明暗差の激しいシーンだが、白トビ、黒ツブレなく、しっかりと描写されている。精細感が高いところがソニーらしい。近年のデジカメとしては発色がおとなしめなのだが、不自然に誇張されるよりはずっと好ましい

なお、ズームレンズは薄型ボディながらf=25mm相当からの光学5倍ズームを搭載。従来のカード型「サイバーショットT」シリーズは光学4倍ズーム搭載だったので、なんとスペックアップしているということになる。小型化で一番最初に切り捨てられそうなところをむしろパワーアップしているというのがすごい。

従来同様、ズームレンズは屈曲光学系を採用。利用時もレンズが飛び出さない

こちらも従来同様、レンズバリア付き。使わない時はバリアを引き上げ(電源と連動)、レンズを保護できる

先代モデルではあともう少しという印象があったズーム性能が向上。さらに被写体に寄れるようになった

そして、新モデルでは新技術として「全画素超解像ズーム」に対応。画質劣化の少ないデジタルズーム機能「超解像ズーム」は近年の流行だが、ソニーはこれを独自技術でさらに高画質化。より一層、先鋭感を保ったズーミングが行なえるようにしている。

「全画素超解像ズーム」による10倍ズームの画質がこれ。全く画質劣化がないというと嘘になるが、従来デジタルズームと比べればかなりの高画質だ

モニターは3.0型の有機ELで解像度は約122.5万ドット“相当”。相当というのは、これが実際のドット数ではないから。各ドット表面に貼られたカラーフィルターを特殊な配置とすることで、実解像度約61万ドットのモニターを、倍の解像度に錯覚させているのだ(一部のスマートフォンでも採用されている技術)。何となくうさんくさい感じがするが、実際に目にした印象で言うと、何の問題もない。お世辞抜きに高画質で、高精細だ。

発色も良く、解像感も高い。有機ELなので視野角が広いことも売りだ

なお、モニターは従来「サイバーショットT」シリーズ同様、タッチ操作対応

……と、ここまではほとんどベタ褒めだが、小型化の副作用ももちろんある。その最たるものが、ズームレバーの超小型化だろう。従来「サイバーショットT」シリーズもかなり小さかったが、本機ではさらに輪をかけて小さい。

小さなクギの頭くらいのサイズしかないズームレバー。極端に操作しにくいということはなかったのだが、快適とは言いがたい

三脚穴も小型タイプに変更。一般的な三脚を装着するには、同梱のアダプタ(写真)を介する必要がある

記録メディアも、従来とは異なる超小型メモリーカードを採用。メモリースティックマイクロ(写真)と、携帯電話でおなじみのmicro SDメモリーカードに対応する。一般的なSDメモリーカードなどと比べてやや割高だ

どれも「致命的」というほどのものではないが、マイナス用途であることには間違いない。本機の購入を検討している人には、この点を確認したうえで購入するようにしてほしい。

「サイバーショット」ならではの付加機能も充実

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基本性能について一通り語ったところで、次は付加機能について紹介しよう。といっても、“本機だけの”付加機能と言ったものは搭載していない。原則的に、他の「サイバーショット」と同じものが搭載されている。

中でも多くの人に恩恵がありそうなものが、フルHD動画撮影対応だ。「サイバーショット」はほとんどの製品が高画質なフルHD動画撮影に対応しているが、本機も例外ではない。なお、フルHD動画撮影時のビットレート(データの圧縮率を示す数値。大きいほど高画質)は最大24Mbps。他社製品が20〜17Mbps程度であることを考えると、かなりリッチなスペックだ。地デジ(17Mbps)よりも美しい映像で動画を撮影できる。

ビットレートは24Mbps(FXモード)のほか、17Mbps(FHモード)、9Mbps(HQモード)から選択可能。フルHD(1920×1080ドット)以下の解像度で撮影することもできる

なお、データの保存方式は「AVCHD」形式(非フルHD時は「MPEG-4」形式)。PCなどで再生できるほか、一般的なBDレコーダーの多くに直接取り込むことができる。もちろんそこからBDにダビングすることも可能だ。

音声はステレオで収録可能。本体上部にステレオマイクが配置されている

また、秋モデルからの新機能として「ピクチャーエフェクト」にも対応。撮った画像にさまざまな特殊効果をお手軽に適用できる。

「ピクチャーエフェクト」の1つ、「絵画調HDR」。色彩やディテールを強調した上で、文字通り絵画のような仕上がりにしてくれる

現実の風景を、ミニチュアジオラマのように加工してくれるエフェクト。高いところから撮ると、効果が得られやすい

ほか、従来から好調な「スイングパノラマ」や、タッチパネルのカスタマイズ、USB充電などにも対応。小型化したからといって、この辺りの機能をカットしていない点には好感が持てた。

カメラを横方向もしくは縦方向に振りながら撮影する機能。横長(縦長)のパノラマ写真が、簡単に撮影できる

タッチパネル上の機能ボタンを、自分の使い方に合わせて変更することができる

まとめ

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とにかく小さい、それが「DSC-TX55」の第一印象だ。これまでも多くの超コンパクトデジカメが人気を博してきたが、本機はその中でも特に群を抜いて薄く、小さい。しかも、機能的にはほとんどなにも失われていない。さすがはソニーの技術力と言ったところだろう。

これなら「ちょっとした写真なら携帯電話で十分。わざわざ荷物を1つ増やしたくない」と感じている人にも受け入れてもらえるはずだ。荷物が1つ増えることには変わりないが、ほとんど負担にならない薄さだし、携帯電話では撮れないような高画質写真撮影が楽しめる。その多機能ぶりも大きなアドバンテージと言えるだろう。

毎日持ち歩き、日々の出来事をスナップするという目的には最適の1台だ。

ライター/山下達也(ジアスワークス)

※価格.com最安価格は2011年10月3日現在のものです

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