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レビュー

水中撮影やパノラマ撮影、背景ぼかしなど、撮ること自体が楽しくなる

こんなに薄くても防水! ソニー「サイバーショット DSC-TX10」

毎年夏場になると盛りあがる「防水デジカメ」市場。もちろん今年も例外ではない。海に、川に、プールに、ウォーターリゾートでフル活用できるこれらの製品が大人気だ(最新モデルのラインアップアップは、特集記事「水中撮影も楽しめちゃう! 防水コンデジ最新カタログ」を参照)。


今回レビューするソニー「サイバーショット DSC-TX10」は、そのなかでも、特にコンパクトなボディが光る逸品。大きく重くなりがちな防水デジカメだが、本機はそんなことをまるで感じさせない小型・軽量ボディがウリだ。はたして、その実力は?

カラーバリエーション

防水デジカメとは思えないコンパクトボディ

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まずは自慢のサイズからチェックしていこう。防水デジカメとは思えないコンパクトボディは幅95.6×高さ56.1×奥行き17.9mmとなっている。一般的な名刺(91×55mm)とほとんど同サイズだ。文字通り「カードサイズ」と言ってよいだろう。

実際の名刺と比較。ちょっと大きめの名刺入れならすっぽり入ってしまいそうだ

薄さについても一般的なデジカメと比べて薄め。パッと見で防水機と分かる人はいないのでは?

もちろん、この通り濡らしてもOK。水深5mで連続60分の利用が可能だ

形状については、他の「サイバーショットT」シリーズ同様、スライド式のレンズバリアを搭載している。閉じる事でレンズ部分を保護できる構造は、アウトドアでの利用が多い防水デジカメにピッタリ。スライドと電源が連動していることも使い勝手の向上に貢献している。

レンズバリアを下げるとレンズがお目見え。屈曲光学系という仕組みを採用することで、ズーム時にもレンズが飛び出さないようになっている

ただし、この機構は防水との相性はいまいち。バリアと本体の間に水が入り込んでしまい、水を拭き取りにくいということも

ちなみにズームレンズは光学4倍。最近の製品としては弱い部類に入るが、広角側が非常に広く撮れる(f=25mm相当)ため、集合写真などより広い範囲を撮影したい場合などには重宝するだろう。

最大広角時と望遠時の比較。正直なところ「もう少し寄れれば……」と思ってしまう

ほか、レンズバリアの下にはストロボとステレオマイクを配置。暗所でのピント合わせ用にAF補助光ランプ(セルフタイマーランプとしても機能)も搭載されている

なお、「サイバーショットT」シリーズは、スリム化の追求などといった理由から、早くよりタッチパネルを採用。本機もその例に漏れずほとんどの操作をタッチ操作で行なうようになっている(後述)。ただし、電源を入れる、撮影するなどといった「基本中の基本操作」に関しては、専用ボタンやレバーが配置されており、従来通りの操作感でも利用可能だs。

本体背面にはボタン類が全くないが、天面には電源ボタン、シャッターボタン、再生ボタン、動画撮影ボタンが配置されている

角部にはズームレバーを用意。一般的なカメラと比べて極度に小さいが、思ったほど操作感は悪くない。普通に使えた

本体側面にはUSBおよびHDMI端子を配置。防水デジカメらしく、パッキンでしっかりと保護されている

なお、端子カバー部分は両方とも不意に開いてしまわないようしっかりロックされている。爪を引っかけて開く必要があるので、爪の弱い人は注意

底面にはバッテリーおよびメモリーカードスロットを配置。メモリーカードはメモリースティックDuoのほか、SDメモリーカードにも対応している

出先での充電時などに重宝しそうなUSB給電に対応。PCなどから充電できる

防水のほか、裏面照射型CMOS、タッチパネルなど、個性派機能てんこ盛り

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ここまででも充分に魅力的と感じられる「DSC-TX10」だが、防水や小型ボディ以外にも多くの美点を備えている。

中でも要注目なのが、ソニー自慢の新型センサー「裏面照射型CMOS」による、優れた暗所画質だろう。詳細は省くが、従来モデルと比べて“ソニー曰く”約2倍の高感度を実現しているという。そしてこれが単なるセールストークではない。

その証拠が以下の比較サンプル。かなり暗い状態で、ノンストロボで撮影してみた。

左は数年前に発売された同クラスのコンパクトデジカメで撮影したもの、右が本機で撮影したものだ。その違いは一目瞭然。まるで明るいところで撮ったかのように写っている。ノイズも少ない。飲み会など、ちょっと薄暗いところで撮影するときなどに威力を発揮してくれるだろう。

もちろん、日中での通常撮影も高いレベルでこなしてくれる。

発色がよく、精細感も高い。手前、中州、対岸と立体感もきちんと表現されている。太陽光下で発生しやすい白トビが全く発生していない点も◎だ

なお、裏面照射型CMOSは、従来CCDと比べて低消費電力、低発熱、高速書き出し対応という特長を備えており、それによって、デジカメではまだまだ珍しいフルHD(1920×1080ドット)画質の動画の撮影も可能になった。ビデオカメラ顔負けの高画質動画の撮影が可能だ。PCに取り込んで再生できるほか(それなりの高性能PCが必要)、本体側面HDMI端子からテレビに出力することもできる。

そしてもう1つの大きな特長が「タッチパネル」を採用していること。本体背面パネルに表示されたボタンなどをスマートフォンのようにタッチして操作する。

最も多用するのが「タッチフォーカス」機能だろう。ピントを合わせたい部分を直接指定できる

ほか、各種操作はタッチパネル上の機能アイコンをクリックして行う

画面左側に配置されているアイコンは、自分の使い方に合わせて変更可能。より使いやすいようにカスタマイズできる

画面左下の「MODE」ボタンを押すと、撮影モードの切替えが行える

なお、本機は撮影モードとして、スタンダードな「プログラムオート撮影」のほか、シーンを自動判別して撮影する「おまかせオート撮影」&上位「プレミアムおまかせオート」など、多彩な撮影モードを用意している。

筆者のお気に入りが「パノラマ撮影シーン」モード。カメラを回しながら撮影することで、横方向に長いパノラマ写真が撮影できる

「背景ぼかし」モードでは、簡単操作で一眼レフのような「ぼけ味」を調整可能。簡単操作で、写真の立体感を強調できる

また、マクロ撮影時に、被写体に最大1cmまで近寄れる「拡大鏡」モードも用意。細かな被写体の細部を捉えることも可能だ。

大きさ5mm程度の小さな花も「拡大鏡」モードなら細部までハッキリ撮れる

ほか、疑似3D撮影モードや、タッチパネルを使った撮影画像へのお絵かきなど、付加機能は実に盛りだくさん。単なる防水デジカメでは終わらない魅力を秘めていた。

まとめ

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防水対応というだけで充分キャラが立っているのに、それ以外の点でも実に優秀だった「DSC-TX10」。画質や画角などといった基本機能に加え、パノラマ撮影モードや背景ぼかしモードなど、撮ること自体が楽しくなる工夫も多数盛りこまれている。

これからのシーズン、防水デジカメが活躍するのは間違いない。仮に海やプールに行かないという人でも、うっかり濡らして壊してしまうというリスクが軽減できるという意味で「防水」には価値がある。「防水」以外にも、最大1.5mからの「耐落下衝撃」、マイナス10度までの「耐寒」、ホコリの侵入を防ぐ「防塵」など、その耐候性は魅力的。水辺だけでなく、登山やウィンタースポーツなどでも活躍してくれるだろう。

正直言って、欠点がほとんど思い浮かばない。しいて言えば、やや弱いズーム機能と、好みの分かれるタッチパネルインターフェイスだろうか。しかし、そこにこだわらないのであれば、非常によい選択肢となってくれるだろう。この夏デジカメの大本命として、自信を持って推薦できる逸品だ。

ライター/山下達也(ジアスワークス)

※価格.com最安価格は2011年7月28日現在のものです

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