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「ThinkPad」史上最薄ボディを実現したUltrabookが誕生 

新しいThinkPadの幕開け!「ThinkPad X1 Carbon」詳細レポート

レノボ・ジャパンは2012年8月29日、日本国内向けのノートPC「ThinkPad」製品としては初となるUltrabook「ThinkPad X1 Carbon」を発表。14型の液晶ディスプレイ(1600×900)を採用しながらも、「ThinkPad」史上でもっともスリムな筐体を実現した注目製品だ。新製品発表会で得た情報を交えながら、この魅力的なノートPCの特徴を紹介しよう。

最高級のカーボン素材を採用し、薄型・軽量化を実現

「ThinkPad X1 Carbon」の最大の特徴は、その製品名からも読み取れるとおり、筐体にカーボン素材を採用していること。具体的には、天板の液晶モニター部に最高級のカーボン素材(炭素繊維強化プラスチック:CFRP)を取り入れることで、「ThinkPad」シリーズの伝統である高い堅牢性を維持しながらも、331(幅)×226(奥行)×8.0〜18.8(高さ)mmで重量約1.36kgという、「ThinkPad」史上でもっとも薄く、14型液晶ノートPCとして世界でもっとも軽い筐体を実現しているのだ(2012年8月29日時点、レノボ・ジャパン調べ)。ひと回り小さい13.3型液晶を採用する「ThinkPad X1」(2011年発売)よりも薄く・軽い筐体になっているのだから驚かされる。

「ThinkPad」シリーズとしてもっともスリムなボディを実現した「ThinkPad X1 Carbon」。店頭販売モデルでは、「Core i7-3667U」(2.0GHz)、4GB DDR3メモリー、256GB SSDを採用するCore i7モデルと、「Core i5-3317U」(1.7GHz)、4GB DDR3メモリー、128GB SSDを採用するCore i5モデルが用意される。バッテリーは、4セルのリチウムポリマーバッテリーで、駆動時間はCore i7モデルが約7.8時間、Core i5モデルが約7.7時間。35分間で約80%まで充電できる「ラピッド・チャージ」にも対応している

1600×900の解像度を誇る14型の液晶ディスプレイを採用したのも「ThinkPad X1 Carbon」のポイント。ベゼルが非常に狭いデザインとなっている

本体左側面に、専用の電源コネクター、USB 2.0ポート、無線LANスイッチを装備。右側面には、4in1メディアカードリーダー(SD/SDHC/SDXCカード、MMCカード対応)、ヘッドホン端子(マイク兼用)、Mini-DisplayPort、USB 3.0ポートを備えている

「ThinkPad」シリーズでは、長年にわたって筐体にカーボン素材を採用してきている。今回、製品名にあらためて「Carbon」という名称を入れた理由は、「ThinkPad」シリーズの歴史の中で、「最強のカーボン素材」を実現できたためとしている。

工業製品に用いられるカーボン繊維は、多くのものが、アクリル繊維を高温(200〜3000度)で焼いて炭素化することで生成している。炭素の純度によってグレードが分かれており、今回の「ThinkPad X1 Carbon」に採用したカーボン繊維は、自動車や航空機のものよりもハイグレードで、人工衛星や鮎の釣竿に用いられるものと同じ最高級のものということだ。さらに、「ThinkPad X1 Carbon」では、カーボン繊維を同じ方向に並べる「プリプレグ」というシート状の板を横方向と縦方向に2枚重ね、その間に発泡樹脂層を入れることで、板としての強度を維持しつつ比重を軽くすることに成功。「比重はマグネシウムの半分」「強度はアルミニウムよりも強い」「耐衝撃性はマグネシウムやアルミニウムの2倍」という、これまでにはなかったカーボン素材に仕上がった(ただし、素材のコストは、「ThinkPad T430」に使用されているカーボン素材の約2倍で、マグネシウム合金よりも高くなったとのこと)。

グレードの高いカーボン繊維を採用するなどして、「ThinkPad」シリーズでもっとも軽くて強度の高い「最強のカーボン素材」を実現

カーボン素材を採用した「ThinkPad X1 Carbon」の天板(塗装処理を行っていないもの)

マグネシウム合金製のベースカバーと、ロールケージ(フレーム)が一体化したキーボードベゼルで、マザーボードをサンドイッチする構造を採用し、スリムボディながらも「ThinkPad」シリーズ伝統の堅牢性を確保

“拷問テスト”と呼ばれる、「ThinkPad」の厳しい評価試験もクリア

ファンユニットや無線LANカード、SSDもコンパクトに

筐体の薄型・軽量化のために、「ThinkPad X1 Carbon」では、内部の構造やモジュールにもメスが入れられている。

空冷用のファンユニット(フクロウファン)は、「ThinkPad X1」のものと比較して1.7mm薄く、21g軽いものを採用。ユニットを薄くするとその分、冷却性能が落ち、ファンの回転数を上げる必要が出てくる。その結果、ユニット内での乱流が多くなり、ノイズ音が増えるのだが、「ThinkPad X1 Carbon」のファンユニットは、新規開発の整流板を採用することで、乱流とノイズ音の軽減に成功している。また、静電気を放電することでホコリの付着を防ぐ、新開発のホコリ除去システムも採用。埃の堆積による性能低下が発生しないように工夫されている。

さらに、「ThinkPad X1 Carbon」は、無線LANカードやSSDについても新規設計の小型タイプのものを採用している。独自のインターフェイスの採用などにより、「ThinkPad X1」と比較して、無線LANカードは約25%小さく、SSDは約90%小さく・約60g軽くなっている。

従来よりもコンパクトなファンユニットを採用

無線LANカードやSSDのモジュールも大幅に小型化されている

「ThinkPad」らしい高品位なキータッチを実現

「ThinkPad」シリーズのこだわりといえば、「シンプルさを追求したデザイン」や「ノートPC最高レベルの高い堅牢性」などがあげられるが、「キーボードの使い勝手のよさ」も絶対に外せないポイントだ。

「ThinkPad X1 Carbon」のキーボードは、「ThinkPad」シリーズの他の最新モデルと同様、アイソレーションタイプの6列配列を採用。キーストロークは、筐体の薄型化にともない、「ThinkPad X1」の「2mm」から0.2mm短い「1.8mm」となっている。他社製のUltrabookと比べれば十分な深さではあるが、「ThinkPad」として見ると、この0.2mmの差をスペックダウンと捉える向きもあるだろう。しかし、「ThinkPad X1 Carbon」のキーボードでは、「ThinkPadらしい打ちやすさ」は顕在。従来の使い勝手はそのままに、ストロークを短くしたと考えてもらっていい。

新しい「ThinkPad」の象徴となる、アイソレーションタイプの6列配列キーボード。「ThinkPad X1 Carbon」では、6列目のファンクションキーに仕切りが設けられている。バックライトも装備

今回、キーストロークを短くするために、キーボードのパンタグラフのデザインを最適化しているのだが、細かいところの強度や寸法を徹底的に詰めることで、「ThinkPad X1」と比べて回転方向のガタつきが50%も少なくなっている。また、キーボードの下のメンブレンシートに穴を空けることで、ボトミングを起こさないような機構を採用。ソフトな打感を実現しているのもポイントだ。

また、「ThinkPad X1 Carbon」では、キーボードのバスタブ部分にゴム製のパッキン構造を追加することで、水がオーバーフローするデザインとなっている。「ThinkPad」独自のドレイン構造ではないが、防滴性には十分な配慮がなされている。

「ThinkPad X1 Carbon」のキーボードは、パンタブラフを最適化することで、回転方向のガタつきが従来よりも50%軽減。ガタつきが少ないため、キーとフレームの隙間が狭くなっている

なめらかな指触りを実現した、ガラス製のクリックパッドを採用

評価試験では、キーボードの上からペットボトルの水をかけて防滴性をチェックしている

おまけ 過去の「ThinkPad」シリーズ製品を一挙展示

今回の新製品発表会は、「ThinkPad X1 Carbon」のお披露目となっただけでなく、日本IBM時代に「ThinkPad」の開発を手がけた、レノボ・ジャパン代表取締役社長の渡辺朱美氏や、同取締役副社長の内藤在正氏による、「ThinkPad」誕生20周年を振り返る基調講演なども行われた。あわせて会場には、1992年10月発売の第1弾モデル「ThinkPad 700C」など、これまでに登場した「ThinkPad」製品が一挙に展示されていた。

左から、レノボ・ジャパン代表取締役社長の渡辺朱美氏、同執行役員常務の横田聡一氏、同取締役副社長の内藤在正氏

新製品発表会の会場には、これまでの「ThinkPad」製品が数多く展示されたいた

“最初のThinkPad”「ThinkPad 700C」(1992年発売)

「ThinkPad 220」(1993年発売)

「ThinkPad 230Cs」(1994年発売)

「ThinkPad 555BJ」(1994年発売)

「Palm Top PC110」(1995年発売)

「ThinkPad 701CS」(1995年発売)

「ThinkPad 560X」(1997年発売 ※当時、筆者が仕事で使用していたモデル)

「ThinkPad 240X」(2000年発売)

「ThinkPad 570E」(2000年発売)

「ThinkPad 600X」(2000年発売)

「ThinkPad X20」(2000年発売)

「ThinkPad T23」(2000年発売)

「ThinkPad s30」(2001年発売)

「ThinkPad TranceNote」(2001年発売)

「ThinkPad T30」(2002年発売)

「ThinkPad T41」(2003年発売)

「ThinkPad X40」(2005年発売)

「ThinkPad X60s」(2006年発売)

「ThinkPad Z61t」(2006年発売)

「ThinkPad X300」(2008年発売)

「ThinkPad W700ds」(2009年発売)

「ThinkPad X100e」(2010年発売)

「ThinkPad Edge 11”」(2010年発売)

「ThinkPad X201」(2010年発売)

「ThinkPad Edge 13”」(2010年発売)

「ThinkPad Edge 15”」(2010年発売)

「ThinkPad Tablet」(2010年発売)

「ThinkPad X1」(2011年発売)

「ThinkPad E130」(2012年発売)

「ThinkPad X230 Tablet」(2012年発売)

「ThinkPad X230」(2012年発売)

「ThinkPad T430s」(2012年発売)

「ThinkPad L430」(2012年発売)

「ThinkPad W530」(2012年発売)

「ThinkPad Edge E530」(2012年発売)

取材・記事:価格.comマガジン編集部 mkr

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