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(2013年5月21日掲載)
2012年7月4日掲載
NTTドコモのAndroidスマートフォン夏モデルは合計16機種。そんな豊富なラインアップの中でも、「AQUOS PHONE ZETA SH-09D」(シャープ製、以下AQUOS PHONE ZETA)は、ハイスペックかつ高機能な、この夏モデルを代表する“全部入り”のスマートフォンとして注目を集めている。そんな「AQUOS PHONE ZETA」をレビューしよう。
「AQUOS PHONE ZETA」は、性能にフォーカスした「docomo NEXT series」のスマートフォンだ。そのラインアップの中でも、特に多機能な点が特徴となっており、この夏を代表する“全部入り”スマートフォンと言われることが多い。ハードウェア周りを見ても、動作クロック1.5GHzのデュアルコアCPU「MSM8960」や、新開発の液晶「S-CG Silicon液晶システム」、ワンセグ、FeliCaポート、赤外線通信、IPX5/7等級の防水仕様および、IP5X等級の防塵仕様のボディ、ワイヤレス充電「おくだけ充電」への対応など、押さえるべき点はしっかり押さえている。もちろんAndroid 4.0搭載で、通信回線も広帯域かつレスポンスの速いLTE回線「Xi(クロッシィ)」に対応している。搭載されない機能は、「NOTTV」くらいのものだ。
ボディデザインを見てみよう。ボディサイズは、約67(幅)×130(高さ)×10.8(厚さ)mmで、最厚部は約11.3mm、重量は約142gとなっている。ぎりぎりまで狭額縁化されたベゼルが特徴で、約4.7型というかなり大きなディスプレイを搭載するが、横幅は約67mmに抑えられている。また、ディスプレイの一部をタッチボタンとして使うので、表面のボタンもなく、スッキリしている。なお、液晶下部にある銀色の「アーチカーブライン」には、LEDが仕込まれており、7色のイルミネーションが輝く。
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microUSBポートは下側面に搭載。防水仕様のボディなので当然カバー付きだ。MHL対応なので、MHL対応モニターにケーブル1本で直接映像を出力したり、変換アダプターを介してHDMI出力端子としても利用可能 |
背面には、おくだけ充電対応であることを示す「Qi」(チー)と、おサイフケータイで使うFeliCaのマークが見える。メインカメラには、有効画素数約1210万画素の裏面照射型CMOSイメージセンサーが採用されているが、このカメラは、輝度の違う複数の画像を撮影して合成する「HDR」合成や、0.4秒の高速起動などの機能を備えている。
ハードウェア面では、新しい液晶パネル「S-CG Silicon液晶システム」を搭載している点が大きな特徴だ。この液晶は、au版の兄弟機種「AQUOS PHONE SERIE」に搭載されていた「高透過CGSilicon液晶」パネルに、専用の描画用メモリーを追加したシステム液晶となっている。「高透過CGSilicon液晶」は、液晶パネル単体として従来比で約20%も向上した透過率により、バックライトが発する光を効率的に使うことができるが、「S-CG Silicon液晶システム」では、描画用のメモリーに画像データを貯めることで、常時毎秒60フレームの映像書き換え処理を行っていたCPUがその負荷から解放され、その分、システム全体の消費電力が低くなる。
スマートフォンでいちばん電力を消費するのはディスプレイだ。加えて、最近さらに進む高解像度化によって、CPUの電力の消費も増加傾向にある。だが、「S-CG Silicon液晶システム」を使うことで、画質を向上させつつ、消費電力は抑えることができるようになっているのである。
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「S-CG Silicon液晶システム」は、透過率が高く効率のよい液晶パネルと、専用の描画用メモリーによる2段階の省エネ効果をもたらす。特に、描画用メモリーは、メールや電子書籍、ドキュメント閲覧のようにグラフィックの書き換えがあまり発生しない場合に効果的だ |
「AQUOS PHONE ZETA」の画質の傾向は、「AQUOS PHONE SERIE」と基本的に同じで、全般に透明感があり、特に白やハイライト部分はとても美しい。また、解像度は720×1280のHD表示ということもあり緻密である。輝度を最大にした場合、黒が少し浮いてしまうことがあるものの、屋外で撮影した写真のような明るめの映像はキレイに表示される。クリアな画質のおかげでコントラストが高いため、Webページなどの閲覧もすこぶる快適である。
また、映像エンジン「SVエンジン3」を搭載しており、「標準」、「ダイナミック」、「ナチュラルカラー」、「スーパービビッド」という4種類の画質モードを選ぶことができる。なかでも注目したいのが、実物の色に近づけたという「ナチュラルカラー」という設定。最近は、スマートフォンでオンラインショッピングを利用する人も増えているが、その際にネックとなるのが、色の再現性だ。今までのスマートフォンは、パソコンほど色の再現性がよくなかったので、写真と現物の色の違いによるトラブルも起こりやすかった。しかし、この「ナチュラルカラー」表示を使えば、より忠実な色で製品を選ぶことができる。オンラインショッピングを行う機会が多いなら、この機能はぜひ活用したいところだ。
この夏モデルから、「AQUOS PHONE」シリーズは、一新されたユーザーインターフェイス「Feel UX」を採用している。この「Feel UX」は、従来のAndroidの操作を、シンプルかつスタイリッシュに再構成したもので、ほかのAndroidスマートフォンにはない、独自の魅力がある。「Feel UX」は、キーロック画面の「ウェルカムシート」と、ホームアプリ「3ラインホーム」というふたつの要素から構成されている。なお、「Feel UX」のデザインは、初期のMacintoshや、スティーブ・ジョブズの作ったワークステーション「NeXTcube」のデザインを行ったことで知られる、ドイツのデザインスタジオ「フロッグデザイン」によるものだ。
キーロック画面の「ウェルカムシート」は、大きく上段と下段に画面が分かれており、上段には5種類の写真および、アニメーションする壁紙「ライブ壁紙」を貼り付けることができる。下段には時計とカレンダーが表示されるが、左右にフリックすることで、天気情報とも切り替えられる。キーロック解除はシルバーのカギマークを下に引くことで行うが、このカギマークを上に引き上げることで、カメラ、電話、メールのアイコンが現れ、それらの機能に直接アクセスすることも可能だ。
ホームアプリの「3ラインホーム」は、アプリアイコン専用の「アプリケーションシート」、ウィジェット専用の「ウィジェットシート」、ダウンロードしたアプリやURL、電話番号などの連絡先、Googleマップのルートといった、よく使う項目をまとめておく「ショートカットシート」が横に並んでおり、左右のフリック操作で切り替えて使う。
従来のホームアプリは、これらの要素が混在していたが、思い切ってこの3つの要素に整理したおかげで、非常にわかりやすくなった。Androidの使い勝手を大きく進化させたホームアプリとして、筆者は大きな魅力と可能性を感じた。
次に、処理能力とバッテリーの持続性から、本機を見てみよう。まず、バッテリーだが、搭載されるバッテリーは容量1900mAhというもので、最近のAndroidスマートフォンのトレンドにあわせた大型バッテリーだ。また、節電アプリとしてシャープ独自の「エコ技」が搭載される。節電アプリは珍しくないが、「エコ技」は、「標準」「技あり」「お助け」という3個のモードを、タイマーや電池の残量で緻密にコントロールできるという特徴がある。気になる節電効果についても、「標準」から「技あり」にすることで約20%もの節電効果が望めるという。実際試してみたところ、その効果はさすがに20%とはいかないものの、待機時のバッテリーの減り方はゆるやかになるようで、待ち受け時間を伸ばしたい場合などに有効である。
こうした節電機能により、大画面かつXi対応のスマートフォンとしては長めな、連続待ち受け時間約270時間(LTE接続時)と、連続通話時間約390分(3G接続時)のバッテリー駆動時間を実現している。
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バッテリー容量は1900mAhを確保。バッテリー単体でも「おくだけ充電」が行える |
シャープ独自の節電アプリ「エコ技」も引き続き搭載される。時間あるいはバッテリー残量によって、きめ細かな節電設定が行える |
次に、処理能力を見てみよう。「AQUOS PHONE ZETA」に搭載されるCPUは、「S4」と呼ばれる最新のデュアルコアCPU「MSM8960」だ。このCPUは、動作クロックも1.5GHzと高速で、この夏登場するスマートフォンの中では高速な部類といえる。CPUとともに処理性能に大きな影響を与えるRAMの容量も1GBが確保されている。Android 4.0で求められる容量は十分クリアしており、十分な容量といえよう。アプリのインストールなどに使う内蔵ストレージは16GBで、さらに64GBまで対応するmicroSDXCメモリーカードスロットを搭載するなど、記憶容量も十分だ。
実際の処理速度を計測するため、ベンチマークアプリ「AnTuTuベンチマーク」を使ったベンチマークテストを行った。計測に際しては、いったんリセットした初期状態の端末を使い、ベンチマークアプリのインストールだけを行う。また、Wi-Fi、Bluetooth、データ同期、GPSなどの動作は停止させ、起動しているアプリもベンチマークの計測直前に一度すべてを終了させている。計測は5回立て続けに行い、そのうち最高値と最低値を除外した3個のスコアの平均値を掲載している。なお今回は、比較対象として、同時期に発売されたNTTドコモの「GALAXY S III」と、バランスの取れた高性能で定評のあるau版の「HTC J」のスコアも合わせて掲載している。
| 総合スコア | RAM | CPU integer | CPU Float -point |
2D Graphic | 3D Graphic | Database IO | Sdcard Write | Sdcard Read | |
| AQUOS PHONE ZETA CPU:MSM8960 (1.5GHz、デュアルコア) RAM:1GB 画面解像度:720×1280 Android 4.0 |
6885.0 | 1259.0 | 2285.0 | 1098.3 | 298.0 | 1256.7 | 515.0 | 60.7 | 114.0 |
| GALAXY S III CPU:MSM8960 (1.5GHz、デュアルコア) RAM:2GB 画面解像度:720×1280 Android 4.0 |
6891.7 | 1166.7 | 2216.3 | 1088.3 | 299.7 | 1267.0 | 515.0 | 133.7 | 205.0 |
| HTC J CPU:MSM8660A (1.5GHz、デュアルコア) RAM:1GB 画面解像度:540×960 Android 4.0 |
6887.3 | 1291.0 | 2271.3 | 1057.0 | 299.0 | 1264.7 | 440.0 | 77.3 | 187.0 |
「AQUOS PHONE ZETA」の総合スコアは6885.0となり、現在最速レベルである「GALAXY S III」の6891.7や、「HTC J」の6887.3と比較しても、ほぼ誤差の範囲内という非常に高いスコアを示した。
なお、一部クチコミなどで、本機の実際の処理速度はそれほどでもない、という意見もあるが、本機は比較的熱を持ちやすいためか、使用時のCPUの動作クロックを低下させることがよくあった。そのため、CPUのパワーがフルに発揮されていない状態が多い可能性がある。ピーク時の処理能力については現時点で最高レベルと言えるが、高い負荷が続いた場合、処理能力が一時的に低下する可能性はないとはいえない。
このように、高い処理能力、プラス“全部入り”の高機能が特徴の「AQUOS PHONE ZETA」だが、その魅力の多くは、独自の性能にある。まず、透明感のある高画質と省電力を両立させた新しい液晶パネル「S-CG Silicon液晶システム」が大きな魅力だ。この液晶の魅力は、ぜひ実機で確認してほしいが、他機種とは明らかに違う透明感を持った高画質である。 もうひとつの魅力は、新しいUIの「Feel UX」にある。これは、Androidの画面要素を、シンプルでスタイリッシュに再構築したもので、非常に使いやすい。もちろん「AQUOS PHONE」ならではの機能である。
なお、NTTドコモからほぼ同時期に発売された「GALAXY S III」は、スペック的にも近い存在で、本機のよきライバルとなるだろう。グローバル市場で鍛えられた性能や使い勝手が魅力の「GALAXY S III」に対して、「AQOUS PHONE ZETA」は、ガラケー機能の完備や、出来のよい文字入力アプリなど一日の長があり、国内メーカー設計の強みが感じられる。どちらを選ぶかは、ほぼ好みの問題と言ってよいだろう。この夏にスマートフォンを買い換えるならぜひ候補の一台に加えておきたい製品だ。
記事・検証 価格.comマガジン編集部/党員四號
自転車のサドルがネコのトイレになっている件(3回目)。人間も不快な匂いをばら撒くことで猫は寄り付かなくなった。「やった! 我はノラ猫に勝利せり!」と喜んだのもつかの間、庭にホカホカのネコババが…。