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もうマニア向けとは言わせない!HTCが贈る日本向けスマホ 

au初のAndroid 4.0機「HTC J ISW13HT」試作機使用レポ

5月下旬の発売が予定されているauのAndroidスマートフォン「HTC J ISW13HT」(以下、HTC J)は、台湾のスマートフォンメーカーHTCが日本向けに作った専用モデルだ。ワンセグ、おサイフケータイ、赤外線通信といった日本独自の機能を備えたこともあり、非常に注目度の高い「HTC J」だが、その試作機を今回入手することができた。気になる詳細を徹底的にレポートしよう。

ガラケー機能と、HTCらしい高性能&使いやすさが融合した日本専用モデル「HTC J ISW13HT」

グローバルモデルの性能とガラケー機能が融合した「HTC J」

最初に、HTCというメーカーと、「HTC J」の成り立ちについて簡単に説明しよう。

HTCは、携帯電話やスマートフォンを製造する台湾のメーカーだ。国内向けスマートフォントしては、過去に、NTTドコモより日本国内初となるAndroidスマートフォン「HT-03A」を発売した実績がある。また、今でも名機の呼び声が高いソフトバンクの「Desire HD」や、auの「EVO 3D」など、高性能かつマニアックなモデルを多く発売しているため、国内では通好みのメーカーという印象が強い。しかし、グローバルで見れば、技術面の評価も高い世界屈指のスマートフォンメーカーである。

HTC製のスマートフォンは、基本的に世界中で発売されている、いわゆるグローバルモデルだ。しかし、今年の2月に、地域に特化したスマートフォンを設計する方針を発表し、その第一弾として、この度au向け日本専用モデル「HTC J」を発売することとなったのである。

「HTC J」は、HTCの製品ラインアップの中核を占める「HTC One S」をベースに開発されている。「HTC One S」は、Andorid 4.0を搭載した最新モデルで、ディスプレイには540×960表示に対応する有機ELディスプレイが採用されている。「HTC J」もこれら基本的スペックは同じで、日本独自仕様としては、カラフルなデザインのボディを採用するほか、ワンセグ、おサイフケータイ、赤外線通信、そしてWiMAX通信モジュールを搭載している。

国内メーカー製スマートフォンのような明るいカラーと曲線を多用したボディデザインも特徴

次に「HTC J」のボディを見てみよう。ボディのサイズは約66(幅)×132(高さ)×10(厚さ)mm、最厚部が11.2mmだ。ボディが少しずつ大型化している最近のAndroidスマートフォンとしても少し大きめの部類に入るだろう。ただ、ボディ全体は丸みがあり、大きさをなるべく意識させないようにデザイン的に配慮されている。このボディ全般の丸みは、表面に曲面ガラスが採用さていることでさらに強調され、「HTC J」のデザイン上の個性となっている。

ボディを側面から見ると、弱冠くさび形になっており、カメラのある上側がやや厚く、スイッチのある手元側が少し薄い。また、HTCのスマートフォンといえば金属製のボディを思い浮かべるが、本機のボディは一般的な樹脂製である。

重量は約142gと比較的重量級だ。上記のくさび形ボディの影響もあり、手に取ると重心が少しだけボディの上側に寄っているように感じる。

表面のガラスには曲面ガラスが採用されており、フチの部分が丸められている

上側面には、電源スイッチとカバーで覆われたヘッドホン端子が配置される。なお本機のボディは防水仕様ではない

側面から見るとくさび形の形状がわかりやすい。microUSBポートもカバーで覆われている

右側面には、ボリューム調整のボタンが配置される。なお本機はワンセグ用アンテナを備えておらず、ワンセグの視聴の際には同梱されるアンテナ兼用のヘッドホンを装着する必要がある

「HTC J」には、1810mAhという大容量バッテリーが採用されており、バッテリーの持続時間は、カタログスペックによると連続通話時間が約560分、連続待受時間が約310時間となっている。しばらく3G回線とWiMAX回線を使い比べてみたところWiMAX使用時のほうがバッテリーの消費速度が早いのは、以前のWiMAXモデルと変わらないものの、まめにWiMAXを切らないとあっという間にバッテリーを使い果たしてしまうということはなかった。適度に3GとWiMAXで回線を切り替えて使えば、1回の充電で大体1日半程度のバッテリー持続は十分に見込めそうだ。

裏ブタの中に、SIMカードスロットとmicroSDメモリーカードスロットが配置される。microSDカードは、バッテリーの取り外しを行わなくても抜き差しが可能。バッテリーの容量は1810mAhとかなりの大容量だ

「HTC J」のディスプレイには、540×960のQHD表示に対応する4.3型の有機ELパネルが採用されている。近頃のスマートフォンでは720×1280のHD表示に対応する製品も増えており、少々スペック的に見劣りする部分があるかもしれない。しかし4.2型という表面積に対してQHDという解像度は無理がなく見やすいともいえる。フラットパネルディスプレイの一般的傾向として、同じ表面積なら解像度が上がるほど画面は暗くなる傾向がある。加えて「HTC J」で採用されている有機ELパネルはバックライトがないので、一般的な液晶パネルより輝度が低めだ。しかし、本機のディスプレイは、液晶と比べても十分な明るさを備えている。また有機ELは発色がシアンやマゼンタ、グレーに偏ってしまう傾向が多く見られるが、本機ではそうした有機ELの欠点はかなりうまく抑制されている。

このように、有機ELの欠点である、輝度と色かぶりの問題を高いレベルでクリアしているいっぽうで、有機ELのメリットである、コントラストの高さ、応答速度の速さによるキレのよい動画再生能力はもちろん健在だ。動画や静止画の再生端末としての潜在能力は高い。

また、良好なタッチパネルの操作感覚もHTC製スマートフォンのすぐれた特徴であるが、「HTC J」のタッチパネルのフィーリングも、後述する高速な処理速度の効果もあって、非常に自然なものだ。

画面輝度を最低に調節し、白を表示させてみたが、有機ELパネルで指摘されることの多い色かぶりはほとんど感じられない。明るさも十分で有機ELパネルの欠点が大きく改善されている

スイッチ類としては、上面には電源スイッチが、側面にはボリューム調整のスイッチが配置される。ディスプレイの下の操作ボタンはタッチセンサー式で、左から順に、ひとつ前の画面に戻る「バック」、ホーム画面に戻る「ホーム」、起動中のアプリを切り替えたり終了させることに使う「タスク」という並びになっている。従来のAndroid 2.Xまであった「メニュー」ボタンは、Android 4.0を採用する「HTC J」では、廃止されている。

Android 4.0の新機能としては、通信パケット量の監視、インカメラを使った顔認証ログイン「フェイスアンロック」、HTML 5に対応する最新ブラウザー「Chrome Beta」が利用できるといった点が上げられる。「HTC J」の魅力のひとつとしては、このAndroid 4.0への対応が欠かすことができない。

操作ボタンは、左からひとつ前の画面に戻る「バック」、ホーム画面に戻る「ホーム」、起動中のアプリを切り替えたり終了させることに使う「タスク」という並び(左画面)。従来のAndroidスマートフォンにあった「メニュー」はアプリの画面に移動している(右画面)

通信パケット容量の監視機能が装備されている。パケットの使いすぎなどの管理を視覚的に行える

「タスク」キーをタッチすると、起動中のアプリがサムネイル化されて一覧表示される。画面をタッチしてアプリを切り替えたり、フリックして終了させることができる

「ウィジェット」を選ぶ際も、このように画面がサムネイル化され、デザインやサイズを選びやすくなった

キーロックの解除は、画面の下にある円をフリックさせて行う(左画面)。画面上に並んだ4個のアイコンを円の中に重ねることで、アプリを直接起動することもできる(右画面)

文字入力は、テンキー配列、QWERTYキーボード配列、音声入力から選べる。特に「横画面+QWERTYキーボード」の場合は、キーのサイズに余裕があり入力はとても快適だ。なお、手書き文字入力機能は備えていない

デジカメ不要を目指した非常に強力なカメラ機能

本機のベースとなった「HTC One S」は、強力なカメラ機能が特徴となっており、「HTC J」にもその特徴が受け継がれている。「HTC J」のカメラ機能でまず目を見張るのは、その起動速度の速さだ。カタログスペックでは起動にかかる時間はわずか0.7秒で、オートフォーカスの合焦時間も0.2秒となっている。実際に使ってみたスピード感はデジカメ以上といっても過言ではないだろう。

また、画素センサーには約800万画素のCMOSセンサーが使われているが、組み合わされるレンズに、スマートフォンとしては異例のF2.0の大口径レンズが使われている。カメラに詳しい方ならご存知だと思うが、F値が小さいほど、レンズが取り込める光が多くなり、暗い場所や逆光など難しい撮影条件でもよりキレイな撮影が行える。

また、99枚までの連写機能や、動画と静止画の撮影を同時に行える機能も備えている。フラッシュの性能もスマートフォンのカメラ機能としては例外的に高く、光の量を5段階で調節でき、自然な仕上がりの写真を撮ることができる。

メインカメラは800万画素のCMOSセンサーと、F2.0という大口径レンズを組み合わせており、基本的な光学性能が高い。スマートフォンで一般的に使われるF2.4のレンズと比べると約40%も多くの光を取り込むことができる

大口径レンズは、逆光の撮影にも強い。照明を背中にした暗い室内という失敗しやすい状況でも、顔が黒くつぶれてしまうようなこともない

表面のインカメラは130万画素のCMOSセンサーが採用される。Andorid 4.0の新機能である顔認証ログイン「フェイスアンロック」のほか、手鏡の代わりなどにも使える

シャッターボタンを押し続けるだけの簡単操作で連写が行える。撮影したものからカメラが最適だと判定したものだけを簡単にピックアップすることも可能。とりあえず撮影して、最適なものを一枚選ぶといった撮影スタイルが行える

撮影した動画を再生しながら、右側のグレーのシャッターボタンを押せば、静止画の切り出しも行える

申し分ないレスポンス。現時点で国内最速の処理性能

ここでは、処理速度の面から「HTC J」の魅力に迫ろう。 Androidスマートフォンの処理スピードは、搭載されるCPUとメモリーの容量に大きく左右される。加えて、データ通信を多用するのでダウンロードやアップロードをスムーズに行える良質な回線性能も無視できない。

「HTC J」に搭載されるCPUは、クロック1.5GHzで動作する、米Qualcomm社のデュアルコアCPU「MSM 8660A」で、1GBのRAM(ワーキングメモリー)が組み合わされている。また、内蔵フラッシュメモリーを16GB備えており、そのうち2GBをアプリなどのインストール領域として、データ保存のストレージ領域として10GBを利用できる。残りはシステム領域として使用される。アプリのインストール領域が豊富なので、思う存分カスタマイズを楽しむことができるだろう。また、32GBまで対応のmicroSDメモリーカードスロットを備えているので、写真や動画などのデータの保存領域に困ることも少ない。なお、試作品には8GBのmicroSDHCメモリーカードが同梱されていた。

アプリの管理画面の一番下に、アプリのインストール領域の残量が表示されるので、容量管理も行いやすい

「HTC J」の実際の処理能力を計測するため、ベンチマークアプリ「AnTuTu ベンチマーク」を使ったテストを行った。停止できるアプリは可能な限り停止させ、WiMAX、テザリング、データ同期、Wi-Fi、Bluetoothなどとの通信を停止させた状態で5回立て続けに計測し、最高値と最低値を除外した3個の数値の平均値を掲載している。なお、比較対象として、Andoroid 4.0端末の「GALAXY NEXUS(NTTドコモ)」と、「AQUOS PHONE 104SH(ソフトバンク)」、auの最速端末「GALAXY S II WiMAX」のスコアも合わせて掲載している。なお、「HTC J」は試作機のため、スコアは参考値としていただきたい。

  総合スコア RAM CPU integer CPU Float
-point
2D Graphic 3D Graphic Database IO Sdcard Write Sdcard Read
HTC J ISW13HT
CPU:MSM8660A
(1.5GHz、デュアルコア)
RAM:1GB
画面解像度:540×960
Android 4.0
6887.3 1291.0 2271.3 1057.0 299.0 1264.7 440.0 77.3 187.0
GALAXY NEXUS
CPU:OMAP4460
(1.2GHz、デュアルコア)
RAM:1GB
画面解像度:720×1280
Android 4.0
6027 1022 1650 2101.7 287 1225 283 82 191
AQUOS PHONE 104SH
CPU:OMAP4460
(1.5GHz、デュアルコア)
RAM:1GB
画面解像度:720×1280
Android 4.0
6704.7 1329.3 1899.7 1336.0 247.7 1258.7 475.0 43.7 114.7
GALAXY S II WiMAX
CPU:OMAP4460
(1.5GHz、デュアルコア)
RAM:1GB
画面解像度:720×1280
Android 4.0
5990.3 961.7 1647.7 1335.0 313.0 1201.3 401.7 49.7 80.3

「HTC J」の総合スコアは6887.3となった。このスコアは、価格.comマガジンで過去に計測したスコアとしては最速だった「AQUOS PHONE 104SH」を抜き、現時点で最速のスコアとなっている。スコアの内訳を見ても、伸び悩んだ項目が存在せず、バランスの取れた高性能といえそうだ。体感速度もとてもスピーディで、描画で遅れを感じることもない。このスピードも本機の大きな魅力のひとつだ。


また、本機は3G回線に加えてWiMAX回線にも対応している。WiMAXは、ダウンロード時で40Mbps、アップロード時で15.4Mbpsと両方が高速なので、インターネットをストレスなく扱える。狭いといわれた通話エリアも、全国政令指定都市・特別区の実人口カバー率95%まで拡大している。また、通話料金も、パケット定額プラン「ISフラット」への加入に加えて、月額525円(税込み)の追加料金だけで済み、コストパフォーマンスの点でも魅力的だ。

このように、スマートフォンの快適性を大きく左右する、処理速度と通信速度の両方が非常に高速なのが「HTC J」の特徴である。こうした高い基本性能があれば長期間使い続けられるはずだ。

HTCらしい完成度に、日本での使いやすさが加わった魅力的な一台

以上、「HTC J」の魅力に迫ってみた。

おサイフケータイ、ワンセグ、赤外線通信といった、国内向け仕様を網羅した海外メーカー製スマートフォンとしては珍しい存在だ。そのいっぽうで、高い処理能力やディスプレイ性能、豊富なデータ保存領域など、スマートフォンを作り慣れているHTCならではのすぐれた設計も生きている。

このほか、@ezweb.ne.jpドメインのメールやデコレーションメール、Cメール(SMS)、緊急地震速報にも対応しているので、国内メーカー製スマートフォンと比べても、見劣りはしない。カラーバリエーションも、レッド、ホワイト、ブラックの3色を備えており、幅広いユーザーに選びやすくなっている。さらに、端末価格も新規契約の場合で24,000円台を予定しており、手を出しやすいのも大いに魅力だ。

従来のHTCファンの中には、本機をある種の方針転換と受け止める人もいるかもしれない。だが、実際に本機を触ってみると、専用インターフェイス「HTC Sense 4.0」やハードの性能を生かしきった高い処理能力など、HTC製品が持つエッセンスは確実に受け継がれていることを感じ取れるはずだ。従来からのHTCファンの方も、ぜひ一度手に触れて実際の魅力を感じてほしい。

記事・検証 価格.comマガジン編集部/党員四號

開通したばかりの新東名を使って帰省した。ゆったりとした車線とカーブや坂の少ない道はとても快適。サービスエリアはおしゃれ。小泉改革で槍玉にあがりいろいろもめた経緯も懐かしいが、出来上がった道路を走ると、いいものをつくろうとした企画者の意思は私でも感じられた。利用者が増えて経済的に成功することを願うばかりだ。

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