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満を持して登場したソニーの新型ウォークマンを斬る 

使ってわかったAndroidウォークマン「NW-Z1000」の強みと弱み

「NW-Z1000」シリーズには、内蔵メモリー容量が64GBの「NW-Z1070」、32GBの「NW-Z1060」、16GBの「NW-Z1050」という3モデルがラインアップされる。カラーバリエーションはブラックとレッドの2色

2011年12月10日、ソニー「ウォークマン」の新しいフラッグシップモデル「NW-Z1000」シリーズ(Zシリーズ)が発売開始となった。新たに、Androidプラットホーム(Android 2.3)を採用したことで、ウォークマン初の「多機能プレーヤー」に進化を遂げているのが特徴。ちょうど、アップルの「iPod touch」がライバルに位置付けられることもあって、何かと話題を集める製品となっている。今回、この注目の「Androidウォークマン」をレビュー。実機をじっくりと使用してみたところ、予想以上に、ストロングポイントとウィークポイントが明確に分かれる結果となった。それぞれをくわしくレポートしたい。


「NW-Z1000」シリーズの基本的な機能や音質については、価格.comマガジンの発表日レポート『Androidウォークマン「NW-Z1000」の操作性・機能・音質に迫る!』をチェックしてほしい。

「NW-Z1000」シリーズの特徴をあらためてチェック

実機レビューの前に、「NW-Z1000」シリーズの特徴をおさらいしておこう。

「NW-Z1000」シリーズは、OSにスマートフォンでおなじみとなった「Android OS」(Android 2.3)を採用する、ウォークマン初の多機能プレーヤー。本体で音楽・動画・写真を再生できるのはもちろんのこと、IEEE802.11b/g/n対応の無線LAN機能を備えており、Androidスマートフォンのように、WebブラウジングやWebメールといったネットワークを活用する機能を利用できるのが、今までのウォークマンにはなかった大きなポイントだ。さらに、BluetoothやGPS、電子コンパス、加速度センサーなどを搭載するうえ、Google公式の「Androidマーケット」にも対応しており、ゲームや各種ツールなどの豊富なアプリをダウンロードして、Android端末として幅広く活用できるのも特徴となっている。

また、スペック面では、プロセッサーに、NVIDIAのデュアルコアCPU「Tegra 2」(1GHz)を採用し、最新のAndroidスマートフォンと比べてもまったく遜色のない、ハイスペックな端末に仕上がっているのも見逃せない。加えて、液晶モニターには、4.3型(解像度480×800)という大画面タッチパネル液晶を採用。動画や写真を大画面に表示して楽しめるようになっている。

そして、忘れてはいけないのが、「NW-Z1000」シリーズは、ウォークマンのフラッグシップらしく“高音質再生”にこだわっていること。独自の「S-Master」をモバイル機器向けに最適化した新しいフルデジタルアンプ「S-Master MX」を搭載し、音質のさらなるブラッシュアップが図られている。具体的には、「ジッター除去プロセスを増幅段の直前に統合」「最終出力のパルスの高さを直接制御するPulse Height Volumeの搭載」「最終増幅段の回路、電源の強化」といった項目で強化が施されており、音声信号をフルデジタル処理する際のプロセスを最適化することで、従来よりも歪みやノイズを低減。小音量から大音量までディテールを維持した高音質再生が可能となっている。

スペック・機能の特徴を見ると、「NW-Z1000」シリーズは、「高品位な音楽・動画再生が可能なAndroid端末」と言い換えることができるだろう。ライバルとなる「iPod touch」と比較すると、より大画面な液晶を採用していることと(※ただし、画面解像度はiPod touchのほうが上回る)、GPSと電子コンパスを利用できるのがメリット。そのスペックの高さからは、音楽・動画再生だけでなく、Android端末としてもフル活用してみたくなる製品となっている。

「NW-Z1000」シリーズのボディサイズは、約70.9(幅)×134.4(高さ)×11.1(厚さ)mm(最薄部9.6mm)で、重量は約156g。4.3型の大画面液晶を採用しており、見た目は、最新の高性能なAndroidスマートフォンそのものといったところ。また、インターフェイスとして、本体底面に、ウォークマン用の周辺機器と接続できる「WM-PORT」のジャックを装備。本体右側面には、ボリュームボタンのほか、ミニプレーヤーを呼び出せる「W.ボタン」やHDMI出力端子を搭載する

デザイン面では、持ちやすさを追求した「Inflection Surface Form」を採用したのが特徴。ソニー・エリクソン製のスマートフォン「Xperia arc」のようにボディ背面が弧を描いた凹んだ形状となっており、本体を横に構えても両手でホールドしやすい筐体になっている。なお、背面にはモノラルスピーカーが備わっている

「NW-Z1000」シリーズと、第4世代の「iPod touch」を並べてみた。「NW-Z1000」シリーズのほうが、液晶モニターとボディのサイズがふた回りほど大きいのがわかる。なお、第4世代の「iPod touch」は3.5型液晶(解像度640×960)を採用している

最新のAndroidスマートフォンと変わらない操作レスポンス

「NW-Z1000」シリーズの実機を使用してみてもっとも感心したのが、操作レスポンスのよさだ。2011年9月13日の新製品発表会で試作機に触れた際にも「十分に快適な操作レスポンスを実現している」と感じたが、実機ではさらに操作感がブラッシュアップされている。タッチパネル液晶でより快適なマルチタッチ操作が可能なうえ、処理スピードも速く、各種アプリやWebブラウザー、音楽・動画再生機能など、あらゆるインターフェイスで、もたつくことなくスムーズに操作することができるのである。最新のAndroidスマートフォンと比べてもそん色のない、スピーディーな操作レスポンスに仕上がっている。

「NW-Z1000」シリーズの操作レスポンスのよさについては、NVIDIAのデュアルコアCPU「Tegra 2」のパワーによるところが大きい。ウォークマンとしては初めてのAndroid端末であるにも関わらず、ここまで快適な操作感を実現したのは、「さすがソニー」といったところだ。

「NW-Z1000」シリーズの基本的な操作は、Androidスマートフォンとほぼ同じ。液晶でのマルチタッチ操作のほか、液晶下部のタッチ式ボタン「バック」「ホーム」「メニュー」を利用して操作するようになっている

ホーム画面はカスタマイズされており、画面最下部に、アプリ一覧を表示する「Apps」、専用の動画再生アプリ「ビデオプレーヤー」、専用の音楽再生アプリ「W.ミュージック」、専用アプリ一覧を表示する「Original apps」、最近視聴した音楽・動画写真を確認できる「Favorites」のアイコンが並ぶ。画面上部には、ミニプレーヤーとして利用できる「W.ミュージック」のウィジェットが、中央には、アーティストの最新情報やアルバムアプリが手に入る「Sony Music Apps」のウィジェットが表示される

Webブラウザーで価格.comのトップページ(PC版)を開いてみた。ピンチアウト・ピンチアインのジェスチャー操作を使っての画面拡大・縮小もスムーズに行うことができる


「NW-Z1000」シリーズを操作してみた動画

※サムネイル画像をクリックすると、WMV形式の動画(640×480、音声なし)が再生されます。ご使用のパソコンによっては再生できない場合がありますのでご了承ください。

左は、ホーム画面からWebブラウザーを開き、価格.comのトップページでフリック、ピンチアウト・ピンチインなどの操作をしてみた動画。右は、音楽再生機能を操作してみた動画。いずれも、なかなかスムーズに動作しているのがわかるはずだ


「NW-Z1000」シリーズのベンチマークテスト結果

「NW-Z1000」シリーズの処理速度を計測するため、Androidの定番ベンチアプリ「Quadrant Advance」を使って、ベンチマークテストを実施。バックグラウンドで動作するアプリをできる限り終了して、5回連続で計測を行い、最高点と最低点を除外した3回の平均値を算出してみた。 結果は、総合スコアが「2363.7」となり、デュアルコアCPUを搭載するAndroid端末として他のAndroidスマートフォンと変わらない値となった。CPUのスコアが「6753.7」と高い値になったのが見逃せない点だ

Quadrant Advanceベンチマークスコア

モデル 総合スコア CPU メモリー I/O 2D 3D
「NW-Z1000」の16GBモデル
CPU:Tegra 2
(1GHz、デュアルコア)
メインメモリー:512MB
画面解像度:480×800
Android 2.3
2363.7 6753.7 2627.0 1327.7 287.0 823.7

「Androidマーケット」から動きの速いゲームをダウンロードしてプレイしてみたが、問題なく楽しむことができた

専用の音楽再生機能が充実。ミニプレーヤーが便利

「NW-Z1000」シリーズは、「ウォークマン」シリーズらしく、充実した音楽再生機能を搭載している。「NW-Z1000」シリーズには、音楽再生機能として、ソニーが「NW-Z1000」シリーズ用に開発した専用アプリ「W.ミュージック」が搭載されているのだが、このアプリの完成度もなかなかに高く、便利で楽しいアプリに仕上がっている。実際に試してみた限りでは、“楽しさ”の部分が特に印象に残った。

なかでも、もっとも“楽しい”と感じたのが、楽曲の再生画面だ。再生画面では、楽曲にあわせて登録したアルバムジャケットの画像が表示されるのだが、4.3型の大画面にアルバムジャケットが大きく表示されるのは、パッと見でもインパクトが高く、他の音楽再生重視のマルチメディアプレーヤーにはない、「NW-Z1000」シリーズの魅力だと感じた。さらに、再生画面では、左にフリック操作することで、楽曲に合わせて歌詞を表示する「歌詞ピタ」(※有料サービス)や、楽曲データの詳細情報を表示することも可能だ。

また、「W.ミュージック」のアルバムジャケットに関する機能では、アルバムを机の上に広げたようなユニークな画面を使って、ジャケット画像に触りながら、アルバム単位で楽曲を選曲できる「カバーアートビュー」も面白い機能となっている。ちょうど「机の上にCDジャケットを広げて、ジャケットを見ながら聴きたいCDを選ぶ」という、アナログ的な感覚を再現した機能となっている。

「W.ミュージック」は、ホーム画面下の専用アイコンをタップして呼び出せる。楽曲データの再生は、MP3、WMA、ATRAC、WAV(リニアPCM)、AACなどの形式に対応している

「W.ミュージック」の楽曲再生画面。大きなアルバムジャケットが表示される

再生画面を左にフリック操作すると、楽曲データの「歌詞ピタ」や詳細情報が表示される。「NW-Z1000」シリーズの「歌詞ピタ」画面では、大画面を生かし、歌詞が9行で表示されるのが特徴。楽曲の再生が進むにつれて歌詞の位置が自動的に追従するうえ、歌詞をタップすることでその位置から再生することもできる

「W.ミュージック」では、「ライブラリ」「おまかせチャンネル」「カバーアートビュー」の3種類の選曲モードが用意されており、ワンタッチで切り替えて使用できる

「ライブラリ」の画面。アーティスト単位やアルバム単位での選曲が可能

「おまかせチャンネル」は、本体に保存されている楽曲データを12音解析によって、「アップビート」「リラックス」「エクストリーム」「メロウ」「ダンスフロア」など14種類のムード別に分類して表示してくれる機能

「カバーアートビュー」は、アルバムジャケットを机の上に広げたような画面が特徴。ジャケット画像をタップすることで、アルバム単位の再生が可能な機能となっている。「iPod」の「CoverFlow」に近い機能だが、ジャケット画像の位置を自由に変更できるのがポイント


「W.ミュージック」を操作してみた動画

※サムネイル画像をクリックすると、WMV形式の動画(640×480、音声なし)が再生されます。ご使用のパソコンによっては再生できない場合がありますのでご了承ください。

左は、「W.ミュージック」の、「ライブラリ」「おまかせチャンネル」「カバーアートビュー」を操作してみた動画。右は、再生画面で「歌詞ピタ」などの画面を操作してみた動画

さらに、「W.ミュージック」は、音質を向上させる機能も充実しており、周囲の騒音を約98.0%カットする「デジタルノイズキャンセリング機能」や、MP3/ATRACなどの圧縮音源用の高音域補完技術「DSEE」、左右の音の混在を抑制し、本来のステレオサウンドを再生する「クリアステレオ」、クリアで力強い重低音を実現する「クリアベース」いった、ソニーがこれまでウォークマンで培ってきた独自機能をしっかりと搭載。今回、「NW-Z1000」シリーズを実際に使ってみて、あらためて、このあたりの高音質化機能のレベルの高さを強く感じた次第だ。特に、付属イヤホン接続時に有効となる「デジタルノイズキャンセリング機能」は、ややホワイトノイズが乗るものの、音質に大きく影響を与えずに周囲のノイズを低減するのがポイントで、電車での通勤・通学時における再生に威力を発揮する機能となっている。

「DSEE」「クリアステレオ」などの音質向上機能を搭載

「デジタルノイズキャンセリング機能」は、Android上のアプリとして動作。常駐タスクから機能を呼び出せる

「デジタルノイズキャンセリング機能」では、オン・オフの設定が可能なほか、「電車・バス」「航空機」「室内」の3モードを選択することができる。ノイズキャンセルのレベルを調整する項目や、イヤホン・ヘッドホンを選択する項目も用意されている

従来のウォークマンと同様、13.5mm径ユニットを搭載するカナル型イヤホンが付属。デジタルノイズキャンセリング機能」は、この付属イヤホンや、オプションの専用イヤホン「MDR-NWNC33」、専用ヘッドホン「MDR-NWNC200」を接続した際に利用することができる

また、「NW-Z1000」シリーズで音楽を楽しむ際に便利なのが、マルチタスク動作対応のAndroid 2.3を採用したことで、他のアプリを起動中にも音楽を再生できること。音楽を再生しながら、Webブラウジングやゲームを楽しめるようになっている。さらに、本体右側面の専用ボタン「W.ボタン」をプッシュすることで、マルチタスク動作中でも、画面上に音楽再生用のミニプレーヤー機能(W.コントロール)を呼び出せるのも見逃せない特徴。ミニプレーヤーは、アプリが起動している状態だけでなく、電源オフの状態でも画面に表示できるのが便利だ。このあたりの音楽再生時の便利機能は、この製品が、これまで音楽再生にこだわってきたウォークマンであることを強く主張する機能となっている。ただし、ミニプレーヤーでできることは、「W.ミュージック」で選曲していた楽曲の再生・停止、早送り・早戻し、アルバム内での曲送り・戻しに限定されており、アーティストやアルバムの変更には対応していない。簡易的な機能であるため、音楽再生時にフル活用するというよりも、本体をサッと取り出して音楽再生を停止したい場合に便利なのではないだろうか。

本体右側面の「W.ボタン」を押すと、画面上にミニプレーヤーが表示される。再生・停止のほか、曲送り・戻しなどの操作も可能

ミニプレーヤーは拡大表示することも可能。拡大表示時には、フリック操作での曲送り・戻しが可能となる

ホーム画面に表示される「W.ミュージック」のウィジェットにもミニプレーヤー機能が備わっている


ミニプレーヤー機能を操作してみた動画

※サムネイル画像をクリックすると、WMV形式の動画(640×480、音声なし)が再生されます。ご使用のパソコンによっては再生できない場合がありますのでご了承ください。

 

ミニプレーヤー機能を呼び出して操作してみた動画



「NW-Z1000」シリーズラインアップ

モデル 価格.com最安価格(2011年12月15日現在)
NW-Z1070 (B) [64GB ブラック] 36,086
NW-Z1070 (R) [64GB レッド] 36,085
NW-Z1060 (B) [32GB ブラック] 28,490
NW-Z1060 (R) [32GB レッド] 28,490
NW-Z1050 (B) [16GB ブラック] 22,980
NW-Z1050 (R) [16GB レッド] 23,485

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