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2011年のインクジェットプリンター・複合機の注目機種と特徴を解説 

エプソン・キヤノン、最新プリンターの進化ポイント

エプソンとキヤノンは、8月31日に相次いで2011年モデルのインクジェットプリンター・複合機の新製品を発表した。今年の新機種は、Wi-Fi やスマートフォン対応、わかりやすい操作といった昨年からのトレンドを踏まえながら、主力モデルでカラーバリエーションの拡充が図られるなど、よりデザイン性がアップしている。また、インターネット上のクラウドサービスとの連携機能が装備されているのもポイントだ。


今回は、新たに発表された新モデルの中から、主力モデルであるエプソン「カラリオ EP-804A」とキヤノン「PIXUS MG6230」を中心に、注目の機能について解説しながら、今年のインクジェットプリンターのトレンドに迫ってみた。

エプソン
至れり尽くせりの機能や操作性。主力の「EP-804A」にはレッドのカラーモデルを設定

エプソンからは、主力モデル「カラリオ EP-804A」を筆頭に、インクジェットプリンター・複合機が7機種と、ハイアマチュア・プロフェッショナル向けの製品としてA3ノビ対応の「PX-7V」、コンパクトプリンター「カラリオ ミー E-820」など2機種の、合計10機種が発表された。


インクジェット複合機の「カラリオ EP-804A」は、6色染料インクを使った売れ線モデルで、L版からA4までの出力に対応する。従来モデルと同じく、Wi-Fiに標準対応しており、ワイヤレスで離れた場所にあるプリンターから出力可能だ。注目の機能としては、従来モデルでも搭載されていた、操作手順に合わせてそのとき使うボタンだけが光る「カンタンLEDナビ」に加え、使う人の操作によって必要なメニューだけを表示する「先読みガイド」が加わっており、操作性の向上が計られている。


また、ボディデザインに目を向けると、「カラリオ EP-804A」では、従来のブラックとホワイトに加え、新たにレッドのカラーバリエーションが加わっている。このレッドモデルは、実際に見てみると少しくすんだ朱漆に近く、どことなく和モダンな印象だ。なお、ブラックモデルも色味が若干変わっており、濃紺の混じった複雑なニュアンスを含んだカラーになっている。

ブラック、ホワイトに加えてレッドの3色展開となった、主力モデルの「カラリオ EP-804A」

必要なボタンや項目だけを表示するユーザーインターフェイス「先読みガイド」や「カンタンLEDナビ」で、操作ミスを未然に防止する


メールの添付ファイルを直接印刷できる「メールプリント」

上記の「EP-804A」を筆頭に、幅広いラインアップでモバイル・スマートフォン向けの印刷機能が大幅に強化されたのも今年のエプソン「カラリオ」の特徴だ。なかでも、画像やドキュメントファイルを添付したメールを専用のアドレスに送信するだけで、手持ちのカラリオから印刷できる「メールプリント」は注目度が高かった。印刷可能なファイルはJPEGやGIF、TIFFなどの一般的な画像フォーマット5機種に加えて、WordやExcel、PowerPointのドキュメント、PDFやテキスト、HTMLまで幅広く、実用性が高い。容量制限はあるものの、一度に複数のファイルを印刷できるなど使い勝手も良好で、スマートフォンはもちろん、PCからも印刷が行える。ドライバーのインストール不要で即印刷できるのも手軽で、今後幅広く使われそうな技術だと感じた。

このほかにも、iOSやAndroid用のプリントアプリ「Epson iPrint」も用意され、Wi-Fi環境があれば、スマートフォンから直接データを印刷することもできる。さらに、Googleがこの秋に公開する予定の「Google Cloud Print」や、iOSのプリント機能「AirPrint」にも対応する予定だ。今年のエプソンのプリンターは「至れり尽くせり」がコンセプトとなっているが、昨今普及著しいスマートフォンタブレット端末からの印刷が簡単になったのに加えて、クラウドサービスを利用したさまざまな印刷方法が選択できるようになったことは、このコンセプトを具現化した好例といえるだろう。

「メールプリント」では、事前にWeb上の設定画面で用紙サイズなどを設定しておく

専用のメールアドレス宛にファイルを添付してメールを送ると、自宅のカラリオからファイルの内容が印刷される


ポジフィルムのような鮮やかさを実現するプロ・ハイアマ向け「PX-7V」も登場

エプソンの「カラリオ」複合機の主力モデル以外では、顔料8色インクのプロフェッショナル・ハイアマチュア向け「PX-7V」に注目したい。8色用意されるインクのうち「マットブラック」を「ブルーインク」に切り替えることで、重視 したい色域が切り替えられるようになっており、「ブルーインク」に差し替えた場合、ブルー領域の表現が明らかに向上し、ポジフィルムのような鮮やかなカラーを再現する。逆に、「マットブラック」は、モノトーンの階調表現にすぐれているので、モノクロ写真印刷などではこちらを使うといいだろう。このように、「PX-7V」は、色の再現性にとことんこだわるカメラファンにとって注目の一台となっているのだ。なお、従来機種の「PX-G5300」ではインクの消費速度も指摘されていたが、「PX-7V」は、容量を拡大した新しいインクを採用しており、インクの交換サイクルも長くなっている。

「PX-7V」の本体および出力見本。3枚の出力見本は、左が「マットブラックインク装着時」、中央が「ブルーインク装着時」、右端が「ブルーインク装着時(ポジフィルム調)」。ポジフィルム調では遠目から見ても明らかにブルーの鮮やかさと色の深みが違う

左から3個目のインクがブルーインクで、マットブラックと切り替えて使用できる。印刷物に応じてインクを切り替えて最適な印刷が行えるという、新たな方式だ

キヤノン
新搭載のサイレントモードや、新色「ブロンズ」など、
使い勝手とデザインに注力した主力モデル「PIXUS MG6230」

キヤノンのインクジェットプリンター・複合機「PIXUS」シリーズでは、主力モデルの「PIXUS MG6230」など7機種が新たにラインアップされた。「PIXUS MG6230」は、顔料と染料の2色の黒インクを組み合わせた6色インクシステムを採用。3.0型の液晶ディスプレイを搭載するほか、Wi-Fiにも対応している。新たな機能として注目されるのは、稼動音を約23%低下させる「サイレントモード」を備えた点と、カラーバリエーションで従来のブラックとホワイトに加えてブロンズが登場し、計3色となった点があげられる。サイレントモードの稼動音は約37.7dBで、これは、静かな住宅地や深夜の街での騒音レベル。夜中に家庭で印刷を行う場合などに重宝するだろう。また、新色のブロンズモデルは、最近増えているブラウン系のカラーを持つPCと色を合わせやすい。


なお、操作体系については、従来モデルと同様に、光で次に操作するボタンを案内する「インテリジェントタッチシステム」が採用されており、光と音でわかりやすく操作を案内してくれる。

ボディカラーはブラック、ホワイト、ブロンズの3種類を用意。自動両面プリントや、顔料ブラックインクによるにじみのないドキュメント印刷などの印刷面での特徴は従来機種より継承されている

ブロンズモデルの天板は光沢仕上げだが、側面はマットな質感で落ち着いた雰囲気を醸し出している

必要なキーだけを表示する「インテリジェントタッチシステム」も従来モデルより引き続き搭載。なお、操作ダイヤルは機械式からタッチセンサー式に変更された

PIXUSシリーズも上述のカラリオシリーズと同じく、スマートフォンやタブレット端末などのモバイル機器からの印刷機能が強化されている。iOSやAndroid用のプリントアプリ 「Easy-PhotoPrint」は、この8月より2.0にバージョンアップされているが、これに加えてキヤノンの「CANON iMAGE GATEWAY」やGoogleの「Picasa」に保存してある画像データをプリンターから直接印刷できる「オンラインアルバムフォトプリント」機能を搭載するなど、クラウドサービスとの連携がやはり強化された。これに加え、この秋に登場が予定されるGoogleの新サービス「Google Cloud Print」にも対応する予定となっており、エプソンのカラリオ同様、クラウド対応がPIXUSでも大きなポイントとなっている。


「EOS」のデザインモチーフを取り込んだ最上位モデル「MG8230」

主力モデル「PIXUS MG6230」以外の注目モデルとして、最上位モデル「MG8230」を紹介しよう。3.5型の大きめな液晶ディスプレイを搭載し、フィルムスキャナー機能を備えているのが特徴の製品だ。ボディデザインとして、キヤノンのデジタル一眼レフカメラ「EOS」シリーズのモチーフが取り込まれているのも、大きな特徴となっている。光沢が抑えられており、とてもスッキリとしたシンプルな印象の本機だが、よく見てみると、マット処理されたボディ表面はとても緻密な質感を持っており、最上位モデルならではの高級感を醸し出している。EOSシリーズをはじめとしたデジタル一眼レフカメラとの相性はもちろんだが、高級AV機器と並べても違和感がなさそうなデザインである。

3.5型液晶やフィルム対応のCCDスキャナを搭載する最上位機種「PIXUS MG8230」。キヤノンのデジタル一眼レフカメラ「EOS」シリーズのデザインモチーフを採用し、高級感を演出している

表面の質感は最近のプリンターとしては珍しいほど高い。高級カメラのような緻密なシボ加工が施され、指紋汚れも目立ちにくい

今年のプリンターは、スマートフォンやタブレット端末との連携機能に注目

インクジェットプリンターの世界は、二大メーカーといえるエプソン・キヤノンともに、画質のキモとなる印字ヘッドやドライバー、インクシステムなどの面では数年前から一定の完成を見ており、今年の主力モデルもそうしたコアのメカについては、昨年モデルから大きな変更はない。むしろ、今年のプリンター新モデルでは、ネットワーク機能がより強化されており、スマートフォンやタブレット端末からの印刷がより行いやすくなったり、インターネット上のクラウドサービスとの連携などが主な進化点といえるだろう。もちろん、印刷ミスを未然に防ぐために操作系がよりわかりやすくなったり、よりインテリア性を高めるカラーバリエーションやデザイン面での向上も、従来モデルから引き続き行われている。

スマートフォンやタブレット端末との連携機能は、エプソン・キヤノンともに今年の新モデルで強化している部分だが、なかでも、エプソンの「メールプリント」は、プリンターの使い方を今後大きく変える可能性がある便利な機能といえる。外出先で撮った写真をメールでに送信しておけば、家に着いた頃には写真ができあがっている、というのは、これまでのプリンターでは考えられなかった使い方だ。

プリンターにとってもっとも重要なのは、画質や印刷スピードであるのは今でも変わらないが、今年のモデルでは、それらにプラスして、デバイスを問わない印刷方法が強化されており、家庭でのプリンター利用の幅が広がる内容となっている。特に、スマートフォンやタブレット端末をお持ちの方にとっては、プリンターを使う機会が大幅に増えそうな進化といえるだろう。

記事:価格.comマガジン編集部 党員四號

PIXUS MG8230

PIXUS MG8230

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