連載 - ライター・編集部員による定期連載 -

最新PCパーツラボ 第18回 

インテル次世代CPU“Sandy Bridge”の性能をひと足早くチェック

Sandy Bridge

インテルは、「Sandy Bridge」のコードネーム名で呼ばれていた第2世代インテルCoreプロセッサー・ファミリーを近く発表する。今回登場する新CPUは、Nehalemマイクロアーキテクチャの後継となる次世代CPUアーキテクチャを採用し、昨年1月に発売された「Clarkdale」では別々のダイに搭載されていたCPUコアとGPUコアを1つのダイに統合。新たに「リング」構造を採用し、内蔵GPUがキャッシュやメモリーなどのリソースをCPUコアと共有することで、電力効率を維持しながらグラフィック性能の向上を実現しているのが特徴だ。また、グラフィック性能以外にも、「ターボ・ブースト・テクノロジー」の強化や、ハードウェアエンコードをサポートする「クイック・シンク・ビデオ」(Quick Sync Video)の実装、浮動小数点演算を多用するアプリケーションを高速化する新命令セット「インテル アドバンスド・ベクター・エクステンション」(Intel AVX)のサポートなど、かなりの改良が加えられている。今回、新CPUラインアップのうち、「Core i7 2600K」と「Core i5 2500K」を試用する機会を得られたので、さっそく各種ベンチマーク結果を紹介していこう。

 

 

 

<<インテル次世代CPU“Sandy Bridge”の解説記事はこちら>>

まずはCPUとマザーボードの詳細をチェック!

まずは、今回レビューで使用したCPUとマザーボードについて詳しく紹介しよう。

今回使用した「Core i7 2600K」と「Core i5 2500K」は、ともに32nmプロセスルールで製造された4つのCPUコアを内蔵するクアッドコアCPUだ。上位モデルの「Core i7 2600K」は、「ハイパースレッディング・テクノロジー」に対応しており、最大8スレッドの同時処理に対応。「Core i5 2500K」は、ハイパースレッディング・テクノロジー非対応のモデルとなる。動作クロックは、「Core i7 2600K」が、定格で3.4GHz、ターボ・ブースト・テクノロジー有効時で最大3.8GHz、「Core i5 2500K」が、定格3.3GHz、ターボ・ブースト・テクノロジー有効時で最大3.7GHzとなっている。なお、両製品とも、型番の最後に“K”がつくアンロック仕様となっており、ターボ・ブースト・テクノロジーの倍率を任意に変更することが可能だ。

内蔵GPUはいずれも32nmプロセスルールで製造された「インテルHDグラフィックス3000」で、最大動作クロックは、「Core i7 2600K」が1350MHz、「Core i5 2500K」が1100MHzとなる。GPUコアが小型化したことで、1世代前の「Clarkdale」で採用されていた「インテルHDグラフィックス」に比べ、最大動作クロックはかなり引き上げられている。

内蔵のL3キャッシュは、「Core i7 2600K」が8MB、「Core i5 2500K」が6MB。発熱量を示すTDPはともに95Wとなっており、「Clarkdale」でもっとも高かった「Core i5 661」の87Wよりも若干高くなっている。

CPUのソケット形状は、従来の「LGA1156」よりも接点が1つ少ない「LGA1155」へと変更されている。CPUの大きさは従来のLGA1156パッケージのCPUと変わらないが、LGA1156とは互換性はなく、CPUの装着ミスを防止するスリットの位置も異なるため、LGA1155パッケージのCPUをLGA1156ソケットのマザーボードに実装することはできない。なお、CPUクーラーに関しては、LGA1156とネジ穴の位置が同じため、LGA1156用のCPUクーラーを流用することができる。ちなみに、「Core i7 2600K」と「Core i5 2500K」には、おなじみのトップフロー型のCPUクーラーが付属している。

Core i7 2600K Core i5 2500K

今回使用した「Core i7 2600K」と「Core i5 2500K」

LGA1155の接点 LGA1155 CPUとLGA1156 CPUの比較

CPUパッケージは、従来のLGA1156よりも接点が1つ少ないLGA1155へと変更されており、LGA1156との互換性はない。CPUの装着ミスを防止するスリットの位置も若干異なる

Core i7 2600K

おなじみのトップフロー型CPUクーラーが付属する。ソケット形状は変わったものの、CPUクーラーを取り付けるネジ穴の位置はLGA1156から変更はなく、LGA1156用のCPUクーラーを流用することが可能だ

CPU-Z(Core i7 2600K) CPU-Z(Core i5 2500K)

「Core i7 2600K」と「Core i5 2500K」の詳細をフリーウェア「CPU-Z」で表示したところ。新命令セット「インテル アドバンスド・ベクター・エクステンション」(Intel AVX)の対応などがわかる

■「Core i7 2600K」と「Core i5 2500K」の主なスペック

プロセッサー・ナンバー Core i7 2600K Core i5 2500K
アーキテクチャ
Sandy Bridge
CPUパッケージ(対応ソケット)
LGA1155
対応チップセット
インテル6シリーズチップセット
CPUコア製造プロセス
32nm
CPUコア数
4
定格動作クロック
3.4GHz
3.3GHz
ターボ・ブースト・テクノロジー
最大3.8GHz
最大3.7GHz
ハイパースレッディング・テクノロジー
×
最大スレッド数
8
4
GPUコア製造プロセス
32nm
GPUコアクロック
最大1350MHz
最大1100MHz
L3キャッシュ(ラスト・レベル・キャッシュ)
8MB
6MB
対応メモリーモジュール
DDR3-1333MHz
メモリーチャンネル数
2ch
TDP
95W

マザーボードは、「Sandy Bridge」対応の「Intel 6シリーズチップセット」を搭載するインテル純正の「DP67BG」と「DH67BL」を使用した。「Intel 6シリーズチップセット」では、一部の製品で「SATA 3.0」(SATA 6Gbps)をサポートするほか、CPUとチップセットとの接続インターフェイス「DMI(Direct Media Interface)」の帯域の倍速化(5GT/s×4)などの改良が加えられている。もちろん、今回使用した「DP67BG」と「DH67BL」も同様の新機能を備えている。

両製品の大きな違いは、搭載されているチップセットで、ATXフォームファクターの「DP67BG」は、「P67 Express」チップセットを、Micro-ATXフォームファクターの「DH67BL」は、「H67 Express」チップセットとなっている。

「P67 Express」チップセットでは、CPU内蔵GPUから映像を出力するためのディスプレイインターフェイス(FDI)がないものの、PCI Express x16を2レーン(PCI Express x8 + PCI Express x8)に分割して使用することができる。今回使用した「DP67BG」も、PCI Express x16スロットを2スロット分装備しており、ディスクリートGPUを2枚使用したマルチGPU環境を構築することが可能となっている。

「P67 Express」チップセットのブロックダイアグラム 「P67 Express」チップセット搭載ATXマザーボード「DP67BG」

「P67 Express」チップセットのブロックダイアグラム。CPU内蔵GPUから映像を出力するためのFDIはないが、その代わりにPCI Express x16をオプションでPCI Express x8 ×2に分割して使用することができる

今回レビューで使用したインテル純正の「P67 Express」チップセット搭載ATXマザーボード「DP67BG」

「DP67BG」の拡張スロット 「DP67BG」のリアパネル

PCI Express x16スロットを2スロット分装備。ディスクリートGPUを2枚使用したマルチGPU環境も構築可能だ

「DP67BG」のリアパネル。映像出力用のディスプレイインターフェイスはない

いっぽうの「H67 Express」チップセットは、PCI Express x16を分割することができないものの、CPU内蔵GPUから映像を出力するためのディスプレイインターフェイス(FDI)を装備。今回使用した「DH67BL」でも、DVI-IとHDMIの出力ポートを各1系統ずつ装備している。

「H67 Express」チップセットのブロックダイアグラム 「H67 Express」チップセット搭載Micro-ATXマザーボード「DH67BL」

「H67 Express」チップセットのブロックダイアグラム。「P67 Express」チップセットにはないFDIが追加されているのがわかる

インテル純正の「H67 Express」チップセット搭載Micro-ATXマザーボード「DH67BL」

「DH67BL」のリアパネル

「DH67BL」のリアパネルには、CPU内蔵GPUを使用するための映像出力インターフェイスとして、DVI-IとHDMIが各1系統ずつ備わっている



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