バックナンバーを見ておわかりかと思うが、筆者は昨年末にWiMAXのル…
(2012年5月16日掲載)
2010年11月22日掲載
ソフトバンクが11月12日に発売したAndroid機「HTC Desire HD SoftBank 001HT」は、NTTドコモの「GALAXY S」より約2週間遅れての登場となった。両機は、OSにAndroid 2.2を搭載する海外メーカー製のスマートフォンというところが共通しており、おサイフケータイや赤外線ポートなどを搭載していないグローバルな仕様である点でも似ている製品だ。ソフトバンクのスマートフォンといえば、やはり「iPhone 4」の人気が高く、Androidの影が薄いのは否めない。しかし!「Desire HD」は、iPhoneの影に埋もれさせておくにはあまりに惜しい、非常に強力な端末に仕上がっているのだ。
「Desire HD」は、スマートフォンとしては大き目の4.3型液晶を備えている。製品名に「HD」と付くものの、解像度は800×480ドットであり、最近のスマートフォンとしては平均的なものである。採用される液晶パネルは輝度が高く、透明感のある映像を映し出す。
ボディサイズは68(幅)×123(高さ)×11.8(奥行き)mmで、重量については約164gもあり、手に持ったときにズシリと重量感を感じる。ボディも大きいので小さな手の人は、やや持ちにくいかもしれない。筐体は、1枚のアルミ合金を加工したユニボディ構造で、金属部分に継ぎ目がないのが特徴だ。剛性感が高く、樹脂系ボディの携帯電話やスマートフォンと比べると、握ったときに感じるボディのたわみが少ない。金属のヒヤリとした肌触りもあって、Android端末の中でもボディの質感はずば抜けて高いといえる。
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液晶パネルの下には、タッチパネル式のボタンが4個備わる。左から「ホーム」「メニュー」「戻る」「検索」のAndroidの標準インターフェイスに沿ったボタンだ |
液晶パネルの上部にはスピーカーが備わる。また、スピーカーの両脇にはLEDのインジケーターが配置される |
海外メーカー製ということもあり、ハードウェアはかなりシンプル。日本独自の、FeliCaポートやワンセグ、赤外線通信ポートなどは搭載していない。ただ、FMラジオのチューナーは搭載しており、内蔵のアプリで受信することができる。
また、プリインストールするアプリも比較的シンプルだ。小型アプリのウィジェットの中にはローカライズの甘いものも見受けられるなど、日本国内向けという意味では今ひとつだ。もっとも、豊富なアプリやウィジェットをカンタンにダウンロードできるAndroidでは、プリインストールアプリが少ないことは大きな欠点ではない。むしろ、使わないアプリが内蔵のフラッシュメモリーを占有していないので、ユーザーによっては歓迎されることもあるだろう。
進化の速度が非常に速いAndroid OSだが、「Desire HD」は、最新版のAndroid 2.2を採用している。Android 2.2は、JITコンパイラの採用によってアプリの実行速度が3〜5倍高速化されたことで、全般的な速度が向上している。また、フルバージョンのAdobe Flash Player 10.1を内蔵しているので、「ニコニコ動画」のようなFlashビデオを使った世界中の動画サイトを閲覧できるほか、Flashを使ったゲームやWebページもPCとほぼ同じように表示させることができる。このように、処理を高速化しつつ、さらにシーンを拡大させたAndroid 2.2を採用している点は、本機の大きな魅力となっている。
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背面のカメラは、海外メーカー製のスマートフォンとしてはかなりのハイスペックで、800万画素のCMOSセンサーを搭載し、720pのハイビジョン動画の撮影が行える。LEDフラッシュはデュアル仕様で、光量は十分だ |
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下面には、ステレオミニジャック端子と、microUSBポートが配置される。このステレオミニジャック端子は、「Dolby Mobile」対応で、ヘッドホンによるサラウンド再生をサポートする。microUSBポートはカバーなしのむき出しだ |
Desire HDのハードウェア構成はオーソドックスだ。しかし、実際に使ってみると、とにかく動作がおそろしいほど軽快であることに気付く。体感速度では、XperiaのようなAndroid 1.6や2.1世代の端末は比較にならず、高速な動作で定評のあるGALAXY Sよりも上だ。iPhone 4と比べても体感速度は劣ってはいない。
この高速性能の理由としては、チップセットに、第2世代のSnapdragonである「Snapdragon MSM8255」を搭載している点が大きい。Xperiaや初代Desireなどにも搭載されている「Snapdragon QSD8250」とは、動作クロックこそ1GHzで同じものの、45nmのプロセスルールで製造されることで集積化が進んでおり消費電力を抑えつつ高速化を実現している。またGPUも「Adreno 200」から「Adreno 205」へ刷新されており、描画もより高速になった。
以下に、Androidハードウェア向けのベンチマーク計測アプリ「Quadrant Standard」を使って、Desire HD、GALAXY S、Xperiaの3機種で、パフォーマンスの計測を行ってみた。なお、「Quadrant Standard」は、CPU、メモリー、I/O、2Dグラフィック、3Dグラフィックの合計5項目の総合値としてスコアが計上される。
また、ワーキングメモリーの容量も768MBも備えており、Xperiaの384MBや、GALAXY Sの512MBと比較してもかなりの余裕だ。これも処理速度にはプラスに作用しているはずだし、将来性の面でも、余裕のあるワーキングメモリーは有利だ。
扱いはやや地味であるが、この「Desire HD」は、この冬から来年春にかけて登場する豊富なスマートフォンのラインアップ中でも、ピカイチの高性能モデルである。今人気の「GALAXY S」や「IS03」などと比べても、ハードウェアの処理能力では完全に凌駕しているし、Android 2.2を採用する最新のソフトウェア環境という点も評価できる。また、ボディの質感も非常に高く、高級感が漂うところも魅力である。
処理能力の高さは、進化のスピードが速いAndroid OSでは、非常に有利だ。近々登場するモデルの中でも、処理能力の低さが原因で、使える機能に制限のある製品が現れている。また、すでに発売中のモデルの中でも、ハードウェアのスペックの点から、OSのアップグレードを見送った製品が現れており、処理能力の優劣はAndroidの製品寿命を決める要素として重要になりつつある。
おサイフケータイや赤外線通信の未搭載で、日本固有のサービスには対応していないが、それを差し引いてもあり余る魅力を備えた一台だ。直販サイトの販売価格が83,520円(税込)と、比較的高価だが、長く使えるスマートフォンを選びたいなら、候補の筆頭に上げるべき製品であろう。