連載 - ライター・編集部員による定期連載 -

【連載】注目製品○×レビュー 第9回 

アップル「iPad Air 2」 ― Office for iPadも登場し、×なところがない!? ―

「○(いいところ)も×(気になるところ)もしっかりとレビューする」をテーマにした連載「注目製品○×レビュー」。今回は、アップルの「iPad Air 2」を取り上げたい。従来機種の「iPad Air」から見た目の変化は少ないが、より薄く、より軽くなり、処理性能もアップした本モデルは、過去最高のiPadであることに違いない。死角はないのか、じっくりとチェックしていきたい。


記事:価格.comマガジン編集部 三浦善弘

より薄く、より軽く進化した「iPad Air 2」。価格.comの「タブレットPC(端末)・PDA」カテゴリーの売れ筋ランキングでは、Wi-Fiモデルの64GBが3位に入っている(2014年11月12日時点)。発売直後に順位が急上昇する、以前のような勢いはないものの、着実に順位を上げてきている。人気は底堅い

○(いいところ)
Touch IDでロック解除が簡単に! 金属ボディで質感が高く、しかも薄くて軽い

・質感の高いボディのまま、さらなる薄型化と軽量化を実現
・Touch ID搭載で安全性がアップ。ロック解除もワンタッチで可能に
・iSightカメラが500万画素から800万画素に強化

iPad Air 2は、昨年、フルモデルチェンジを果たしたiPad Airの後継機種だ。基本的なデザインを踏襲しながら、Wi-Fiモデルは、厚さが7.5mmから6.1mmに、重量は469gから437gへ薄く、軽くなっている。その差は、ハッキリと体感できるほどのものではないが、完成度の高かったiPad Airから、さらに薄く、軽くするためには、相当な苦労があったはずだ。iPad Air 2よりも薄くて、軽いタブレットはほかにもあるが、その多くは外装に樹脂を使っている。それに対して、アルミニウム素材を使ったiPad Air 2は、金属の塊のような高級感があり、細部の作り込みは他の追随を許さない。もちろん、好みはあると思うが、デザインを含めたボディの完成度は、間違いなくトップクラスだ。

タブレットの顔であるディスプレイには、新たに「フルラミネーションディスプレイ」を採用した。ガラス、タッチセンサー、液晶(LCD)の隙間をなくした、いわゆるダイレクトボンディングだ。これまで、横から見たときに、黒浮きしていたものが、よりくっきりした表示に変わっている。反射防止コーティングも施されており、映り込みを56%抑えているのも強化点だ。隙間がなくなったことで、タッチ操作時の視差も減っている。これにより、タッチ操作に対するレスポンスが向上し、ドローイングアプリなどで、線を引くときに、思った通りに描写できるようなった。ダイレクトボンディングは、すでに他社でも採用しているもので、iPadもやっと追い付いたことになる。この点は、気になるところが解消されたと言える。

9.7インチのRetinaディスプレイを搭載するiPad Air 2。ディスプレイの解像度は2048×1536

カラーはシルバー、スペースグレー、ゴールドの3色が用意される。新色のゴールドは、iPhoneでも人気の色だ

iPad Air 2はiPhone 6やiPhone 6 Plusよりも薄い。左がiPad Air 2(厚さ6.1mm)、右がiPhone 6 Plus(7.1mm)

第3世代iPad(厚さ9.4mm)との比較。iPad Air以前のモデルと比べると、非常に薄くなっているのがわかる

フルラミネーションディスプレイを採用したことで、斜めから見たときの黒浮きが抑えられ、くっきりとした表示となっている。左がiPad Air 2、右が第3世代iPad

iPad Air以前のモデルを利用している人にとって、iPad Air 2の薄さと軽さ、そして、コンパクトさはハッキリと体感できるはずだ

新機能ではホームボタンに搭載された「Touch ID」が目玉だ。iPhone 5sやiPhone 6ではおなじみの機能で、指紋でロックを解除したり、iTunes Storeからコンテンツを購入する際の承認に利用したりできる。パスコードよりも、素早く、安全にロックを解除できるのがメリットだ。何より、パスコードを入力する面倒から解放されると後戻りはできない。最新の「iOS 8」では、Touch IDを使ってアプリごとにロックをかけることも可能となった。「Evernote」や「Moneytree」など、対応アプリも着実に増えている。iPadを家族で共用する場合に、仕事で使うアプリに、Touch IDでロックをかけておけば、大事なデータを誤って消されたり、見られたりする心配はない。

カメラも強化されている。背面のiSightカメラは、画素数が500万画素から800万画素にアップ。バーストモードやスローモーション撮影など、iPhone 6に採用された機能の一部も盛り込まれている。前面のFaceTime HDカメラは、F2.2の明るいレンズを採用し、より高画質なビデオ通話などが可能となった。

iPad Air 2自体の機能ではないが、2014年11月10日にマイクロソフトから「Office for iPad」が登場したことも大きなトピックスだ。提供されるのはWord、Excel、PowerPointの3つ。しかも、基本機能は無料で使えるという太っ腹だ。さすがに、有料のデスクトップ用とまったく同じ機能は使えないものの、パソコンで作業をはじめたドキュメントに、出先で修正を加えるといった使い方には十分なものとなっている。ドキュメントのやりとりには、OneDriveに加え、Dropboxが利用可能。作業中のドキュメントをオンラインストレージに置いておけば、iPadで開いて作業できる。プレゼンの資料や企画書作りにOfficeを利用しているiPadユーザーにとって、Office for iPadは待ちに待ったアプリと言える。

ロック解除や各種ストアでの購入を承認するのに利用できるTouch ID。横向きで使っても、縦向きで使っても、問題なく識別してくれる

ロック解除にTouch IDを導入しているアプリも増えている。画像は銀行口座やクレジットカードなどの情報を一括管理できるMoneytree

iSightカメラは、画素数が800万画素にアップ。iPhone 6と違い、レンズ部分は盛り上がっていない

動画編集アプリ「RePlay」。「A8X」のパワーを活かして、動画や画像を解析し、見栄えのいい動画を数ステップで作成してくれる

Word for iPad。デスクトップ用と比べると、スタイルの追加およびカスタマイズ、文章校正など一部機能が利用できない

Excel for iPad。マクロの実行、条件付き書式の追加と更新などが利用できない。人によっては物足りないかもしれない

PowerPoint for iPad。ビデオの再生、追加、変更ができないほか、スライドアニメーションの追加もできない

パソコンとのドキュメントのやりとりは、オンラインストレージを使う。OneDriveとDropboxが利用できる

×(気になるところ)
気になるところは以前と変わらず。微妙なサイズ変更に頭を悩ませる人も

・メモリーカードを使って容量を増やせない
・Wi-FiモデルにGPSがない
・iPad Airのケースを流用しにくい

気になるところは、以前から変わらない部分だ。まず、メモリーカードを使ってストレージの容量を増やせないのは、ユーザーにとってやさしくない。ストレージ容量の少ないモデルを購入して、必要に応じてメモリーカードを使って、ストレージの容量を増やせるほうが親切だ。オンラインストレージを使う手もあるが、オフラインで使えないのが難点。オフラインでも使えるワイヤレスストレージを使うという手もあるが、シンプルさではメモリーカードのほうが勝っている。

また、Wi-FiモデルにはGPSがないのも、これまで通りだ。iPad Air 2は、より軽く、薄くなり、持ち運びがしやすくなっただけに、ナビとして使いたい人もいるはずだ。GPSを使ってナビ代わりに使いたい人は、Wi-Fi+Cellularモデルを選ぶようにしたい。

本体サイズが微妙に変わっているため、iPad Air用のケースやケース兼キーボードをそのまま流用できないのも気になる点としてあげておきたい。iPad Airから買い替えた人だけに限られる問題だが、価格.comに寄せられたクチコミによると、iPad Air用の純正ケースには収まるものの、微妙にサイズが合わず、買い替えるか頭を悩ませている人が多いようだ。

まとめ

iPad Air 2には、大きな弱点は見当たらない。もともとの強みだったアプリ面では、最後のキラーアプリとも言える、Office for iPadが登場したことが大きい。“Officeが使えない”という理由でiPadの購入をあきらめていた人も少なからずいたはずだ。この冬、タブレットの購入を考えている人にとって、iPad Air 2は間違いなく有力な選択肢になるだろう。

価格面も気になる点にあげようと思ったが、iPad Airの16GBモデルと32GBモデルが値下げされて販売中であることを考慮すると、競合モデルよりも決して割高ではないので、気になる点にはあげなかった。価格を重視してiPad Airを選んでも、機能差が少ない分、後悔することはないだろう。また、もう少しコンパクトなものが欲しい人にはiPad mini 3が用意されており、コンパクトで安いモデルを探している人にはiPad mini 2もある。今シーズンのiPadシリーズは、例年にないほどバリエーションが豊富で、自分に合ったモデルが見つかるはずだ。

Touch IDを搭載したiPad mini 3(右)。基本性能は従来機種の「iPad mini Retinaディスプレイモデル」(現「iPad mini 2」)と変わらない。iPad Air 2と同じく、新色のゴールドが追加されている

関連記事

製品 価格.com最安価格
iPad Air 2 Wi-Fiモデル 16GB 41,700
iPad Air 2 Wi-Fiモデル 64GB 52,084
iPad Air 2 Wi-Fiモデル 128GB 64,231

ページの先頭へ