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iriverの超高級ハイレゾプレーヤー「AK240」のレビュー第2弾 

圧倒的なSN感! 「Astell&Kern AK240」のバランス出力を試す

iriverの最新ポータブルハイレゾプレーヤー「Astell&Kern AK240」(以下、AK240)。価格.com最安価格で259,000円(2014年3月10日現在)と、ポータブルオーディオプレーヤーとしてはかなり高価な製品だが、発売開始から2週間以上たった今でも品薄が続いているなど、オーディオファンから引き続き大きな注目を集めている。価格.comマガジンでも、「ポタ研2014冬」での発表会に先駆けて速攻レビューを掲載したが、今回は、速攻レビューでくわしくお届けすることができなかった「AK240」の目玉機能“バランス出力”にフォーカスを当てたレビューをお届けする。オーディオ・ビジュアル・ライターの野村ケンジ氏の音質インプレッションも掲載しているので、「AK240」のバランス出力の実力が気になる人は、ぜひ参考にしてもらいたい。

バランス駆動に必要な環境とそのメリットとは?

既報の通り、iriverの最新ポータブルハイレゾプレーヤー「AK240」には、ヘッドホンのバランス出力が用意されており、対応ヘッドホンでバランス駆動を楽しむことができる。近年、ハイエンドヘッドホンやヘッドホンアンプでは、バランス出力がトレンドになりつつあるが、ポータブルオーディオプレーヤー単体でバランス出力に対応したモデルは非常に少なく、「AK240」はかなり貴重なモデルといえる。

バランス駆動は、一般的なヘッドホンで用いられるアンバランス駆動(L+/R+/LR−)に比べ、より細かなチャンネル(R+/R−/L+/L−)でアンプに接続することで、歪みやノイズ、クロストークの低減といった大きなメリットを得られるのが特徴だ。バランス駆動を行うには、バランス出力対応のヘッドホンアンプと、バランス駆動対応のヘッドホンケーブルが必要となるが、「AK240」はあらかじめヘッドホンアンプ部がバランス出力に対応しているため、対応のヘッドホンケーブルを用意するだけでバランス駆動を楽しむことができる。

発売日前に初回入荷分が完売するほど大人気の「AK240」。手のひらサイズのポータブルオーディオプレーヤーながら、ヘッドホンのバランス出力を標準で搭載。対応のヘッドホンを接続し、本体の設定画面からバランス出力をONにするだけで、外出先でもヘッドホンのバランス駆動を楽しめる

ちなみに、ヘッドホンのバランス駆動接続には統一規格がなく、XLR端子や4ピンバランス端子、2極タイプの2.5mmマイクロ端子×2など、メーカーによって接続方法はさまざまだ。今回取り上げる「AK240」も、バランス出力には独自の2.5mmマイクロ端子×1を使用。「AK240」でバランス駆動を楽しむには、4極タイプの2.5mmマイクロプラグを採用したヘッドホンケーブルを用意する必要がある。

しかも、「AK240」に対応するヘッドホンケーブルのピンアサインは、先端からR-/R+/L+/L-とかなり特殊だ。2014年3月10日時点で、このピンアサインを採用するオーディオ製品は「AK240」のみで、対応ケーブルもケーブルメーカーのWAGNUS.が発売している「"Proton" for AK240 BTL-Balanced」など数種類しかない。もちろん、店頭流通などはされておらず、店頭にも並んでいない。4極タイプの2.5mmマイクロプラグやケーブル素材は意外と簡単に手に入るので、オーディオ上級者であれば、自分でヘッドホンケーブルを自作するといったこともできるが、ケーブルを自作したことがない人にとっては、バランス駆動は少しだけ敷居が高いかもしれない。

写真左が「AK240」のバランス駆動に対応するヘッドホンケーブル、写真右が、一般的なヘッドホンに採用されているアンバランス駆動のヘッドホンケーブルだ。最大の違いはヘッドホンプラグの形状。バランス駆動対応のヘッドホンケーブルは、ピンアサインにR−/R+/L+/L−を割り当てた4極タイプの2.5mmマイクロプラグを、アンバランス駆動のヘッドホンケーブルは、L+/R+/LR−を割り当てた3極タイプの3.5mmミニプラグを採用している。アンバランス駆動のケーブルの場合、LとRのマイナス極が共用となっているのに対し、バランス駆動に対応するヘッドホンケーブルは、LとRでマイナス極がしっかりと分かれており、これが音質アップに貢献しているというわけだ

なお、今回はWAGNUS.「"Proton" for AK240 BTL-Balanced」(FitEar用)と、「ポタ研2014冬」のiriverブースに参考展示されていたFitEarの試作ケーブルをメーカーから特別にお借りすることができた。野村ケンジ氏には、これら2本のケーブルを実際に使用していただき、音質インプレッションを行ってもらった。

今回は、非常に貴重な「AK240」のバランス出力に対応したケーブル2本をお借りして、音質インプレッションを行った。なお、今回お借りした2本は、いずれも、FitEar用に設計されたケーブルで、イヤホンの接続プラグはFitEar独自の2ピンタイプとなっている

AVライター 野村ケンジの音質インプレッション

正直言って、「AK240」は通常のヘッドホン出力でも十分満足どころか、とてつもなく気に入っている。ポータブルプレーヤーとしては桁違いに高解像だし、音数も多く、抑揚もダイレクトでありながらもきめ細やか。そしてなによりも、ダイレクト感の高い、リアルサウンド志向がたまらない。どんな場所へも手軽に持ち運べる極小のポータブル環境でありながら、かなり突き詰めたオーディオルームに匹敵するハイクオリティサウンドを堪能させてくれるのだ。

そんな、極上の標準ステレオ出力があれば十分、バランス出力はホームオーディオに接続する際に利用しよう、と個人的には思っていたのだが、一聴してすぐにその考えを改めた。圧倒的なSN感、セパレーションの向上はもちろんのこと、いい意味でヘッドホンらしくない、透明感のあるサウンドを聴かせてくれるのだ。

これはあくまでも一般論の話だが、ヘッドホン(を活用したシステムの場合)は“ウォーミー”と表される音色傾向を持つことが多い。これは、低域から中域にかけて大なり小なり付帯音が生じているときに感じるサウンドキャラクターだが、音に厚みを感じさせてくれるいっぽうで、多すぎるとフォーカス感があいまいになってしまうというデメリットもある。「AK240」のバランス出力では、こういった付帯音がまったく感じられす、ありのままの音をそのままストレートに再生してくれるため、とても伸びやかに、清々しく聴こえるのだ。

もうひとつ、標準ヘッドホン出力との違いが高域の歪み感だ。2〜4kHzは人にとって耳に付きやすい帯域で、その倍音(6〜8kHz)、2倍音(12〜16kHz)も含めて表現の繊細さ、特性のよさが問われるところなのだが、「AK240」のバランス出力ではこのあたりの歪み感が皆無に等しく、おかげで自然な響きを持ちながらもボーカルやメイン楽器が印象的な、何とも聴き心地のよいサウンドにしてくれるのだ。

この音を一度聴いてしまったら、もう元には戻れないかもしれない。まさに筆者も今、カスタムIEM用のバランス出力リケーブルを物色中だ。

音質インプレッション:オーディオ・ビジュアル・ライター 野村ケンジ
取材・記事:価格.comマガジン編集部 金さん(^・x・^)

iriver Astell&Kern AK240

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