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待望の「Retinaディスプレイ」を搭載! 中身も大幅進化で死角なし 

突然の販売開始! 「iPad mini Retinaディスプレイ」の実力は?

2013年11月12日、アップルの「iPad mini Retinaディスプレイモデル」の販売がスタートした。10月の発表時は、11月中の発売とアナウンスされていたものの、何の前触れもなく、急きょ発売されたことから、価格.comのクチコミでも「突然発売開始になりましたね」という驚きの書き込みが見られた。LTEに対応した「Wi-Fi+Cellularモデル」は、昨日11月14日よりソフトバンクモバイルとKDDI(au)の2社から発売されたが、価格.comマガジンでは、このうちソフトバンクモバイルの「Wi-Fi+Cellularモデル」を入手できたので、新しくなった「iPad mini」を詳しくチェックしていきたい。

今回、利用した「iPad mini Retinaディスプレイモデル」は、ソフトバンクモバイルの「Wi-Fi Cellularモデル」(128GB)。カラーはシルバー。端末価格は85,680円(一括)、割賦の場合は月々3,570円(24回払い)。月月割は2,470円で実質負担額は26,400円(一括)/月々1,100円(割賦)。ちなみに、「Wi-Fiモデル」の価格は、16GBモデルが41,900円、32GBモデルが51,800円、64GBモデルが61,800円、128GBモデルが71,800円(いずれもアップルストアでの価格)

待望の「Retinaディスプレイ」を搭載

「iPad mini」は、その名の通り、「iPad」の小型版だ。2012年秋に初代モデルが発売されたが、コンパクトで軽量なことから、携行しやすい「iPad」として、オリジナルの「iPad」を超える人気モデルとなった。「iPad」より販売価格が安かったことも人気を押し上げた大きな要因だ。

第2世代となる今回の「iPad mini Retinaディスプレイモデル」は、待望の「Retinaディスプレイ」を採用したのが一番の見どころだ。画面サイズは7.9型のままで、解像度が1024×768ドットから2048×1536ドットへ大幅にアップした。画面の細かさを表す画素密度も163ppiから326ppiまで上がっている。画面サイズが小さい分、9.7型の「Retinaディスプレイ」を搭載する「iPad Air」よりも画素密度は高く、画面の精細感は「iPad」シリーズの中ではナンバー1と言える。

初代の「iPad mini」と見比べると、「Retinaディスプレイ」の精細感は抜群だ。ドット感がなく、Webページの文字もシャープな表示となっている。写真を見比べても、初代モデルで気になっていた斜めの線のジャギーも出ていない。また、細かな線や文字の多い「マップ」アプリの見やすさも格段にアップしている。

ただ、「iPhone」も「iPad」もすでに「Retinaディスプレイ」となって、かなり時間が経っているため、正直なところ感動や驚きは少ない。さらに、ライバルとなる7型Androidタブレットでも高解像度ディスプレイが当たり前になっているので、「Retinaディスプレイ」が大きな差異化点になるかと言えばそうでもない。

初代「iPad mini」(左)と「iPad mini Retinaディスプレイモデル」(右)。パッと見は違わないように見えるが、近くで見ると精細感がまったく違う

非「Retinaディスプレイ」の初代「iPad mini」(左)と「Retinaディスプレイ」の本モデル(右)とでは、文字の鮮明度が大きく違う

左が初代モデル、右が「iPad mini Retinaディスプレイモデル」。ホーム画面のアイコンを比較しても、精細感に大きな違いがある。圧倒的に「Retinaディスプレイ」(右)の方がシャープできれいだ

電子書籍端末として魅力がアップ

「Retinaディスプレイ」搭載の恩恵は、電子書籍を読むときに一番感じられる。小説などの文字ものは、画数の多い漢字の視認性がアップし、ルビもきれいに表示されるようになった。新聞の電子版など、文字の量が多いコンテンツも見やすくなっている。そもそも、「iPad mini」は、画面の大きさや縦横比(4:3)がコミックや文庫本のサイズに近く、電子書籍との相性がよかったが、「Retinaディスプレイ」の採用により、さらに電子書籍端末としての魅力がアップしている。

通勤や通学の電車の中で電子書籍を読む場合、「iPhone」でも読めるが、画面が小さいため、マンガなどは拡大しながらでないと読み進めるのが難しい。雑誌は画面の大きな「iPad Air」のほうが見やすいが、小説やマンガを読むなら「iPad mini Retinaディスプレイモデル」がベストなiOS端末ではないだろうか。コンテンツも「iBooks Store」には200万冊の本がそろっているほか、「Newsstand」にも豊富な雑誌が用意されている。

「iPad mini Retinaディスプレイモデル」の本体サイズは、200(高さ)×134.7(幅)×7.5(厚さ)mm、重量は「Wi-Fiモデル」が331g、「Wi-Fi+Cellularモデル」が341g。初代モデルよりも厚さが0.3mm、重量がそれぞれ23g、29gほど増してはいるが、携行しやすくて片手でも楽に持てる。電子書籍端末として、長時間、手に持っても疲れにくい

アップル純正の電子書籍ストア「iBooks Store」には200万冊の本がそろっているほか、「Newsstand」にも豊富な雑誌が用意されている。他社製の電子書籍ストアも充実しており、「iPad mini Retinaディスプレイモデル」は魅力的な電子書籍端末と言える

「iPad Air」の機能を小さな「iPad mini」に凝縮

ディスプレイと同じように、パフォーマンスも劇的に進化している。プロセッサーには「iPad Air」と同じ、64bitアーキテクチャーを採用した「A7チップ」を採用。アップルによると、「デュアルコアA5チップ」を搭載していた初代モデルに比べてCPUの速度は最大4倍、グラフィック性能は最大8倍アップしているという。初代モデルは、当時の最新プロセッサー(クアッドコアグラフィックス搭載デュアルコアA6Xチップ)の搭載を見送り、性能よりも価格とのバランスを取っていたが、それでも動作は滑らかで、タッチ操作のレスポンスも軽快だった。しかし、そこはデジタル機器の宿命。「A7チップ」を搭載した「iPad mini Retinaディスプレイモデル」は、より速く、より軽快に動作する。

また、センサーの情報を処理する「M7センサーコプロセッサ」も搭載しており、チップの構成は「iPad Air」と変わらない。無線LANは2本のアンテナを使ったMIMOテクノロジーを搭載しており、下り最大300Mbpsのデータ転送速度を実現。カメラは500万画素の「iSightカメラ」、新型の裏面照射型センサーを搭載した120万画素の「FaceTime HDカメラ」の組み合わせとなっており、「iPad Air」の機能をそのままコンパクトな「iPad mini」に詰め込んだ形だ。

総合ベンチマークアプリ「Geekbench 3」の結果。左が、「デュアルコアA5チップ」を搭載する初代モデル、右が「A7チップ」を搭載する「iPad mini Retinaディスプレイモデル」。プロセッサーのクロック数に加え、メモリーも約2倍の976MBにアップしており、スコアには大差がついた。実利用では、スコアほどの差は体感できなかったが、「GarageBand」など比較的重いアプリのローディングや処理は、「iPad mini Retinaディスプレイモデル」のほうが短時間でこなせた。ちなみに、「iPad Air」の「Geekbench 3」のスコアは、「シングルコアスコア」が1479、「マルチコアスコア」が2687なので、これに比べると少しだけ劣るが、ほぼ同等のパフォーマンスなのがわかる

純正カバーの「iPad mini Smart Cover」(アップルストアでの価格は4,080円)。初代モデルとの互換性が確保されている。初代モデルと同時発売された「iPad mini Smart Cover」を取り付けることもできる

純正カバーの「iPad mini Smart Case」(アップルストアでの価格は8,100円)。スピーカーホールなど細かな部分まで作り込まれており、質感も高い。ただ、少し汚れが目立つのが気になる。「iPad mini Smart Cover」と同様、初代モデルにも取り付け可能だ

「Wi-Fi+Cellularモデル」はスマホと合わせて使うのがお得

今回は、ソフトバンクモバイル版の「Wi-Fi+Cellularモデル」を試したが、ソフトバンクモバイルでは、「(iPad)専用ベーシックデータ定額プラン for 4G LTE」の基本使用料を最大2年間、月額1,050円(3年目以降は月額2,992円)で利用できるキャンペーン「タブレットセット割」を実施している。「iPhone 5/5s/5c」などの4G/4G LTE対応スマートフォンと併用するのが条件で、月間データ容量は2GB(2014年6月までは7GBまで利用可能)までとなるが、通常は月額5,985円なのでかなりお得だ。

KDDI(au)も、同社の対象スマートフォンと併用することで「Wi-Fi+Cellularモデル」の基本使用料が最大2年間、月額1,050円(3年目以降は月額2,992円)となる「先取り!データシェアキャンペーン」を実施中だ。月間データ容量9GBをタブレットとスマートフォンでシェアできるのが特徴で、ソフトバンクモバイルの「タブレットセット割」よりも柔軟性がある。本サービスは来年2014年6月から開始される予定だが、2014年5月末まではスマートフォンとタブレットで、それぞれ月間7GBまでのデータ通信が行える。

どちらも自社のスマートフォンと併用するのが条件なので、「iPad mini Retinaディスプレイモデル」の「Wi-Fi+Cellularモデル」の購入を検討している人は、利用中のスマートフォンと同じキャリアでそろえるのが賢い買い方だ。なお、「iPhone」の取り扱いを開始したNTTドコモは、「iPad mini Retinaディスプレイモデル」および「iPad Air」の「Wi-Fi+Cellularモデル」は現時点で取り扱っていない。

ソフトバンクモバイルの「タブレットセット割」

KDDI(au)の「先取り!データシェアキャンペーン」

まとめ

「iPad mini Retina ディスプレイモデル」は、初代モデルの不満点だったディスプレイとパフォーマンスを改善した、正常進化版と言える。先行する形で、11月1日に発売された「iPad Air」のようにデザインやサイズに大きな変更が加えられなかったのは残念だが、逆を言えば、それほど初代モデルの完成度が高かったとも言える。「iPad Air」が「iPad mini」のデザインテイストを取り込んでいることからも、それはわかる。

今冬、「iPad」の購入を検討している人にとって、「iPad Air」と「iPad mini Retinaディスプレイモデル」のどちらを選ぶかは非常に難しい。できることは基本的に同じで、違うのは画面を含めたサイズと重量のみ。コンパクトで軽い「iPad mini Retinaディスプレイ」は毎日持ち歩きたい人に向いているが、「iPad Air」も469g(Wi-Fiモデル)/478g(Wi-Fi+Cellularモデル)まで軽くなったため、大きめのカバンを持ち歩く人なら、「iPad Air」でも十分毎日持ち歩けそうだ。どちらもストレージは16GB/32GB/64GB/128GBの4つのモデルがあり、直販価格は「iPad mini Retinaディスプレイモデル」のほうがそれぞれ10,000円ほど安い。

持ち歩くか、持ち歩かないかは重要だが、所有している携帯端末との組み合わせで選ぶのも大切だ。「MacBook Air」など携帯性と生産性にすぐれたモバイルノートを持っている人は、コンテンツをどこでも閲覧しやすい「iPad mini Retinaディスプレイ」と組み合わせると明確に役割分担ができそうだ。ファブレットなど画面の大きなAndroidスマートフォンを所有しているなら、「iPad mini Retinaディスプレイ」と用途が被るので、「iPad Air」と組み合わせて使うとよいだろう。

「iPad Air」のスペースグレイモデルと「iPad mini Retinaディスプレイモデル」のシルバーモデル。「iPad Air」は、より薄く軽くなったことで携帯性が大幅にアップ。対する「iPad mini Retinaディスプレイモデル」は、「Retinaディスプレイ」と「A7チップ」などを搭載してパフォーマンスが高まっている。両者とも「重いから」、「画面がきれいじゃないし、遅いから」という弱点を一気に解消し、選ぶ側としてはかなり難しい選択となった

なお、「iPad mini Retinaディスプレイモデル」は、液晶パネルの量産が遅れ、品不足気味であるとの見方が業界内では広がっている。アップルストアでの「Wi-Fiモデル」の納期は、12日夕方時点で1〜3営業日だったが、15日正午時点では5〜10営業日となっていた。大手量販店のオンラインストアでも入荷次第の発送となっている。発売直後で品薄なのは想像できるが、年末商戦に向けて、これが解消されるのか、それとも状況によっては納期がさらに延びるのかは不透明だ。購入を検討している人は、早めに決断したほうがいいかもしれない。

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