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シャープの技術力が結集した、IGZO液晶搭載のXiタブレット 

高性能&高機能ながら軽くて小さい!「AQUOS PAD SH-08E」

今月中にも、新しい「Nexus 7」が国内で発売されるなど、7インチタブレット市場がさらなる盛況を迎えている。そんな中で2013年8月2日に発売されたNTTドコモの「AQUOS PAD SH-08E」(シャープ製。以下、AQUOS PAD)も、IGZO液晶やフルセグチューナー、最新世代に属するクアッドコアCPUを搭載する、Xi対応の7インチタブレットだ。評価が高かったau版の初代モデルをさらに改良した2代目「AQUOS PAD」の魅力に迫ろう。

1200×1920のWUXGA表示に対応する約7型IGZO液晶を搭載。低消費電力が期待される

人気7インチタブレットの2代目製品

NTTドコモの最新7インチタブレット「AQUOS PAD」は、1200×1920のWUXGA表示に対応する約7型IGZO液晶に、最新世代のクアッドコアCPU「Snapdragon 600 APQ8064T(1.7GHz)」を備えたハイスペックなAndroidタブレットだ。「AQUOS PAD」といえば、昨年2012年12月にauから初代「AQUOS PAD SHL21」が発売されており、本機はそれに続く第2弾モデルということになる。なお初代「AQUOS PAD」は、価格.comのタブレットPCカテゴリでも、4.65という高い満足度を得た人気製品だ(2013年8月5日現在)。

本機のような7インチタブレットは、Googleの「Nexus 7」や、秋葉原のショップなどで見かけるいわゆる“中華パッド”に見られるように、1〜2万円代で購入できる価格の低さが特徴だが、本機は、NTTドコモのLTE回線サービス「Xi(クロッシィ)」に対応する通信機能付き製品であるため、毎月の維持費と指定通信費が大体7,000円前後かかるものの、機種変更および新規契約時の実質負担金は24,360円(月々サポート適用時のNTTドコモのオンラインショップの税込価格)に抑えられており、初期費用は比較的安い。なお、本機は、このサイズにもかかわらず通話機能も備えており、電話としても使うことも可能だが、サイズを考えれば、Bluetoothヘッドセットや、マイク付きのイヤホンなどを組み合わせたほうが使いやすいだろう。

機能面については、フルセグ、ワンセグ、NOTTVといった豊富なテレビ機能を中心に、赤外線通信ポート、NFCポート、ワイヤレスの映像出力規格「Miracast」などに対応している。ただし、大型のタブレットということもあり、おサイフケータイのFeliCaポートは備えておらず、電子マネー機能は利用できない。

画面は、一般的なタブレットの画面縦横比である16:9ではなく16:10の比率なので、画面の短辺が少し長く、ややずんぐりとした感じがする

裏面にはクレードル用の端子が見える。ボディは基本的に樹脂製だが、表面の塗装の質感は悪くない

NFCポートは備わるがFeliCaポートは省略されている

操作ボタンは、画面の一部を使ったタッチセンサー式。ボタンの配列は左から、バック、ホーム、メニュー、タスク、画面に手書きメモを加えるオリジナルボタン「書」メモの5種類

メインカメラは有効画素数約810万の裏面照射型CMOSイメージセンサーを採用。メーカー計測値で0.4秒の高速起動を実現している

大きなボディということで、スマホほどカメラ機能を多用する機会はないだろうが、シーン認識機能など、機能面では「AQUOS PHONE」シリーズに準じている

サブカメラは、約210万画素のCMOSイメージセンサーを使用

SIMカードスロット、SDXC対応メモリーカードスロット、microUSBポートなどの端子群は本体の下面に集中している。キャップが備わり、IPX5/7等級の防水仕様と、IP5X等級の防塵仕様をクリアしている

サイズは、約109(幅)×190(高さ)×9.9(厚さ)mmで、重量は約288g。新型「NEXUS 7」と比べると、厚みはあるが重量はほぼ同じ

通話機能を備えているのも本機の特徴

ホーム画面は、NTTドコモ製「docomo Palette UI」と、シャープ製の「3ラインホーム」を備える。3ラインホームには、「シンプルモード」(画面)が備わり、簡単な操作で扱うことができる

消費電力の少なさが光るIGZO液晶だが、画質についてはまだ少しクセが残る

本機を検討しているユーザーの多くは、IGZO液晶の性能に期待をしているだろう、その実力を検証してみた。

IGZO液晶は、動作時の消費電力の低さと電気的ノイズの少なさ、開口率の高さがもたらす透明感のある画質など、多くの美点がある。いっぽうで、視野角の狭さやコントラストの低さ、色のかぶりなどの点では、従来の液晶レベルに至ってないという面もある。本機に採用されるIGZO液晶は、視野角についてはかなり改善されておりよくなっているが、白を表示させると、少々マゼンタの色かぶりが感じられる。また、色味が全般に淡めで、写真などを表示させた場合のコントラストもさほど高くない。なお、タッチ感度が敏感すぎる部分も見受けられ、指を近づけるだけで操作を感知する場合があった(本機は、ディスプレイに指を近づけるだけで操作する機能「ホバー」には対応していない)。このほか、フリック、スワイプ、スクロール、ドラッグといった操作を、みなタップとして認識する個体の問題も、価格.comのクチコミやTwitter上で指摘されている。

このように、IGZO液晶の画質面については、まだクセがあるものの、付属のスタイラスを使ったペン入力については、段階を付けて筆圧を感知でき、実際のペンのような繊細な表現が行える。初代の「AQUOS PAD」でも、このペン入力機能は多くのユーザーに支持された本シリーズの主力機能であるが、この点は本機でも継承されているようだ。

気になる消費電力であるが、特に電子書籍のような画面の書き換えが少ない静止したコンテンツを表示させるような場合は優秀で、1時間ほど読書を続けてもバッテリーは10%程度しか消費されなかった。メーカーの調べた実使用時間は約81.3時間となっているが、この値は「AQUOS PHONE ZETA」の約62.5時間と比べても長い。4,200mAhという大容量バッテリーを搭載している事もあり、短期間の検証での感触ではあるが、最近登場しているロングバッテリーのスマートフォンと比べても、バッテリーの持続性能は十分そん色ないもののように感じた。

スタイラスを使って、画面のスクリーンショットに手書きメモを加えることも可能

スタイラスは金属製。細いがしっかりした握り心地で、使用感はよい

フルHD対応の約5インチのスマホ(写真上)と「AQUOS PAD」(写真下)と比べて見た。「AQUOS PAD」のほうが、画面が大きいので、細部の表現がよりわかりやすいいっぽうで、発色は少々淡い

白い背景の電子書籍を表示させたところ。ややマゼンタに色が被っている

上面には、フルセグ、ワンセグ、NOTTV用の各種アンテナや、タッチ操作用のスタイラスが内蔵される

従来のIGZO液晶で指摘されていた視野角の狭さは改善されている

本機のもうひとつの特徴であるフルセグ地上デジタル放送の機能を見てみよう。この夏に発売されるスマホ・タブレットでは、いくつかの製品にフルセグチューナーが搭載されているが、本機のフルセグチューナーは、フルセグのまま録画可能な点が大きな特徴となっている。

気になるフルセグ放送の受信能力を、東京の渋谷区近辺、山手線の恵比寿〜秋葉原間、そして首都圏20km圏の千葉県などで利用してみたが、静止時&アンテナをきちんと伸ばしていれば、ブロックノイズの少ない高画質な映像を受信できた。なお、電波状態の悪いところでは自動的にワンセグに切り替えられるので、トンネル内など物理的に電波の届かない場所でない限り、放送が途切れるといことは少ない。

また、フルセグとワンセグでは、画面の解像度の違いもさることながら、スポーツ中継や映画などでは音質の違いも大きい。音質については、本体内蔵のスピーカーについては正直さほど特筆するものではないが、Wolfson社の音声処理LSIを搭載しており、別売りのヘッドホンを使えば5.1chのサラウンド再生を楽しむことができる点が特徴だ。

本機のテレビ機能は、携帯テレビ専用機と比べても、フルHD対応の画面解像度や録画機能などの点でアドバンテージがあり、完成度の高いものといえよう。

12セグの地上デジタル放送(フルセグ)、ワンセグ、NOTTVの各放送が受信できる。フルセグについては、フルセグ画質のまま録画が行える

フルセグ放送は、ワンセグとは次元の違う画面の情報量。フレームレートが高いので、動きのなめらかさも魅力

処理性能も問題なし。フルHD対応タブレットとしては最速のレベル

「AQUOS PAD」の実際の処理性能を測るため、恒例のベンチマークテストを行った。ベンチマークアプリには「Antutu ベンチマーク」のバージョン3.32を使用する。計測は、Bluetoothや テザリング、Wi-Fi、節電機能などの設定を切るなどしてなるべく条件をそろえ、しばらくスリープで放置してCPUやバッテリーなどが十分に冷えた状態から5回立て続けに計測を行い、各サブスコアの最高値と最低値を除外した3個のスコア の平均値を掲載している。また、総合スコアは、それらのサブスコアの総和となる。なお、比較対象として、今期最速のスマートフォン「GALAXY S4」(NTTドコモ)と、同じくシャープ製のスマートフォン「AQUOS PHON ZETA」(NTTドコモ)のスコアをあわせて掲載している。

総合スコア RAM CPU integer CPU Float-point 2D Graphic 3D Graphic Database IO Sdcard Write Sdcard Read
AQUOS PAD
CPU:APQ8064T(1.7GHz、クアッドコア) RAM:2GB 画面解像度:1200×1920 Android 4.2
21486.0 3948.3 4385.3 4616.7 1495.0 6138.3 560.0 150.0 192.3
GALAXY S4
CPU:APQ8064T(1.9GHz、クアッドコア) RAM:2GB 画面解像度:1080×1920 Android 4.2
24615.0 3970.0 5040.0 6375.0 1582.0 6738.0 565.0 150.0 195.0
AQUOS PHONE ZETA
CPU:APQ8064T(1.7GHz、クアッドコア) RAM:2GB 画面解像度:1080×1920 Android 4.2
21094.7 3564.0 4064.3 4540.0 1493.3 6537.0 556.7 150.0 189.3

「AQOUS PAD」の総合スコアは、21486.0となった。同じくシャープ製で同世代のスマートフォンである「AQUOS PHONE ZETA」と比較すると、画面解像度が1080×1920から1200×1920へ向上し、描画にかかる負担が増加しているにもかかわらず、CPUの処理が高速化しており、総合スコアでは弱冠ではあるが伸びが見られる。

なお、総合スコアには現れていないが、本機は、内部が密閉された防水・防塵仕様のボディということもあり、排熱処理には少々不利な面があるようで、ベンチマークテストを立て続けに行うと、スコアが低下する傾向が目立った。こうした傾向は最近の「AQUOS PHONE ZETA」や「AQUOS PHONE SERIE」など、高性能なクアッドコアCPUに大容量バッテリーという大きな熱源を備えた最近のAQUOS PHONEシリーズに共通する傾向だ。

ただ、インターネットコンテンツの利用など軽度の処理であれば、体感速度の低下を感じることはまずないし、本機の目玉機能である地上デジタルフルセグ放送を長時間視聴してももたつきを感じる事はない。処理速度の不足を感じる機会は限られるだろう。

フルセグ放送対応や最新CPUの搭載など見どころは多い、この夏最強のタブレット

NTTドコモの発売するLTE対応高性能タブレットということで、持ち歩きの多いユーザーにとってかなり魅力の高い「AQUOS PAD」。消費電力の少ないIGZO液晶や4,200mAhの大容量バッテリー、防水・防塵仕様のボディなど、高い機動性とロングバッテリー性能が魅力だ。

本機のように、最新世代のハードウェアを備え、LTE回線にも対応した7型タブレットはほかに見当たらず、機能面で正面から競合する製品は国内に存在しない。強いてライバルをあげるとするなら、画面解像度が同じ1200×1920の新型「Nexus 7」あたりになるだろう。

「Nexus 7」と比較した本機の優位性は、搭載されるCPUの世代がひとつ新しいため、処理性能に余裕があることだ。機能面では、通話機能や豊富なテレビ機能など、デジタルコンテンツの利用を本機1台で幅広くまかなう事もできる点も魅力だ。価格についても、NTTドコモのWeb直販価格で24,360円(月々サポート適用時の税込価格)という価格は、「Nexus 7」(32GB、Wi-Fiモデル)の北米価格269ドルと比べてもそん色ない。

毎月の通信費さえ気にしなければ、総じて、性能面では「AQUOS PAD」の圧勝と言ってよい。シャープの底力を感じさせる、この夏最強の性能を備えたタブレットに仕上がっている。

記事:価格.comマガジン編集部/党員四號

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