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AK100長期レビュー最終回 

クチコミでも話題! 究極のAK100に挑む(※注:公式サポート外)

小さくても本格的な音を楽しめるiriverのポータブルHi-Fiオーディオプレーヤー「Astell&Kern AK100」。デュアルDACを搭載する上位モデルの「Astell&Kern AK120」が発売され、一時期に比べるとだいぶ落ち着いた感はあるが、6月27日に「AK120」と同じ新GUIに対応した新ファームウェアが公開されるなど、まだまだ現役の機種といえる。そんな「AK100」を今年3月に手に入れてから、長期レビューをやってきたが、最終回となる今回は、同じ「AK100」のユーザーの間で盛り上がりを見せている「AK100」改造モデルを取り上げたいと思う。

2013年7月15日に行われた「ポータブルオーディオ研究会(ポタ研)2013夏」でも、改造モデル「AK100 B-Spec」が試験販売されるなど、にわかに注目を集めている「AK100」の改造モデル。価格.comの掲示板上でもいろいろな情報が飛び交っているのだが、その多くが「音が全然違う」という書き込みで、筆者もかなり気になっていた。さっそく、手持ちの「AK100」を改造してみたので、その音質インプレッションをお届けする。

※ 「Astell&Kern AK100」を分解・改造した場合、メーカー保証の適用範囲外となります。改造はあくまでも自己責任で行ってください。万が一不具合が生じた場合も、価格.comマガジンは一切その責を負いませんので、あらかじめご了承ください。

今回は3か所の改造を実施!

気になる音質インプレッションに入る前に、まずは今回「AK100」に施した改造について簡単に解説しておこう。今回の改造は、「AK100 B-Spec」も手がけている武蔵音研に依頼して行っている。ちなみに、「AK100」の改造は現在も受け付けているが、現在の改造メニューと、今回改造したメニューでは一部異なるので注意してほしい。また、こちらも当然の内容だが、「AK100」の改造を行うことで、iriverのメーカー保証の対象外となる点にも留意してほしい。

内部クロックの交換など、武蔵音研には「AK100」の改造メニューがいろいろと用意されているが、今回筆者が依頼したのは、基本メニューとなる3か所の改造だ。まず、ひとつめの改造は、ダンピング抵抗の直結。価格.comの掲示板上でも、「AK100」のヘッドホン直挿し運用だと若干パワー不足感があるということがたびたび話題に上がっていたが、今回はその問題を根本から解決するために、ヘッドホン出力手前に入っている22Ω抵抗をバイパスさせ、出力インピーダンスを限りなく0Ωに近い形に改造。低インピーダンス化により、ヘッドホンのドライブ力そのものを高め、低域の量感不足を解消するというわけだ。

しかも、今回の抵抗バイパス改造のメリットは、これだけではない。ヘッドホンのドライブ力が向上したことで、ノーマルの「AK100」よりも、ボリュームを低く設定しても使えるようになり、バッテリー消費が少なくなっているのだ。実際に、手持ちのノーマル版「AK100」と改造版「AK100」を使い比べてみたが、同じ設定であれば、ノーマル版「AK100」よりも改造版「AK100」のほうがより長くバッテリー駆動することができた。

改造を施した「AK100」。改造前のノーマル版「AK100」を使っているときに比べ、バッテリー持ちはそこそこよくなった

ふたつめの改造は、カップリングコンデンサーの改造だ。ダンピング抵抗の直結を行ったことで、ヘッドホン出力のパワーそのものは向上したが、当然のことながら、そもそも「AK100」では出ない音が出てきたことで、音の粗さが目立つなど弊害も現れてしまう。そこで、信号伝送における要ともいえるコンデンサーを交換することで、ダンピング抵抗の直結による影響を改善するとともに、解像度や音の伸びといった部分もさらによくしていこうというわけだ。

そして最後の改造点が、75Ω同軸デジタル出力への対応だ。「AK100」には、元々デジタル出力として光デジタル出力が用意されているが、光デジタルケーブルによるジッターの発生リスクや、ケーブルそのものの耐久性を考えると、ヘッドホンアンプといっしょにポータブルで運用するにはかなり使い勝手が悪い。そこで、ケーブルの取り回しなどを考慮し、75Ω同軸デジタル出力を、「AK100」の上部にある光デジタル入力端子に実装した。

光デジタル入力を兼ねた3.5mmジャック部分を改造し、75Ω同軸デジタル出力を実装してもらった

ちなみに、この同軸デジタル出力は、もともとの3.5mmジャックを使っているわけだが、光デジタル入力端子としての機能は生かしたままになっている。ただし、同軸デジタル出力として使うには、ヘッドホン出力にダミープラグを挿入する必要がある。この同軸出力を活用するには、片側が3.5mmミニ、片側が75Ω同軸デジタルというかなり特殊な形状のケーブルが必要になるのだ。

今回、改造版「AK100」の同軸デジタルを使うため、フジヤエービックで取り扱っているオヤイデ電気の「COAX-R2M みじんこシグネチャーモデル」を取り寄せた

3.5mmミニタイプの光デジタル入力を同軸デジタル出力として使うには、多少面倒だが、真横にある3.5mmヘッドホン出力にダミープラグを挿入しなければならない



野村ケンジの音質インプレッション

ノーマル版の「AK100」と改造版の「AK100」を聴き比べてみたが、改造によって音質的に効果があるのは間違いない。ノーマル版の「AK100」に比べると、ずいぶんとステップアップしており、上位モデルの「AK120」と比べて物事を言いたくなるレベルに仕上がっていた。

具体的には、ノーマル版の「AK100」に比べ、SN感が向上し、音のキレがだいぶよくなっている。これについては、抵抗をバイパスしたことでダイレクト感が上がったことと、回路的に応答性がよくなったことが大きな要因だろう。クリアな部分で、「AK120」だとHi-Fi調で少し甘くなる部分があるが、改造版の「AK100」はそれすらない。SN感については、改造版の「AK100」のほうが上回っているように感じる。

いっぽう、解像度に関しては「AK120」にはまだまだ遠く及ばず、さすが「AK120」という部分はある。とはいえ、改造版の「AK100」もかなり健闘しており、いい塩梅に改造しているなと感じた。ノーマル版の「AK100」は音をストレートに表現するタイプだが、それでもいろいろな事情あってか、音が歪んでいる部分がある。この歪みがかなりの精度で改善されている。

もちろん、トータルバランスで見れば、まだまだ「AK120」のほうが優位だが、改造版の「AK100」のほうが合う聴き方やジャンルもある。「AK100」にさらに2〜3万円投資する必要があるが、改造することは決して惜しいことではないと感じた。



まとめ

今回、思い切って「AK100」を改造してみたが、音質インプレッションにもあったように、改造の効果は絶大だった。正直、「AK120」の音を聞いてしまってから、素の「AK100」の音になにか物足りなさを感じ、「AK100」にポータブルヘッドホンアンプをつなげることも何度か考えた。しかし、「AK100」のあの小型ボディはやはり捨てがたく、小型ボディの特徴をなんとか生かせないかといろいろと考えていたのだ。そんな時に、「AK100」の改造のことを知ることができ、本当によかった。約5万円もする「AK100」を、さらに2〜3万円かけてメーカー保証のないものに改造することは確かに勇気がいるが、聞こえてくる音の違いにはかなり感動するはずだ。同軸デジタル出力についても、今のところはポータブルヘッドホンアンプでの同軸デジタル入力を搭載したモデルが少なく、使用用途はかなり限定的だが、自宅などのオーディオシステムにつなぎ、「AK100」をライブラリー的に使うのにはかなり便利だった。「AK100」を持っているユーザーで、「AK120」を新たに購入するほどの予算はないが、今よりもいい音を楽しみたいという人なら、今回のような改造という手段もありかもしれない。

音質インプレッション:オーディオ・ビジュアル・ライター 野村ケンジ

記事:価格.comマガジン編集部 金さん(^・x・^)

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