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キラキラ輝くヘッドホンをクリスマスに・・・ 

「Final Audio design」超高級カナル型ヘッドホンレビュー

クリスマスだし、何かすごくとっておきなモノを買いたいなぁ、なんて思っているなら、キラキラ輝く装飾品のような超高級カナル型ヘッドホンはどうだろう? 生演奏やスピーカー再生のような"場"を再現する、ファイナルオーディオデザインの超高級カナル型ヘッドホン計5モデルの試聴を行った。さらに、開発者へのインタビューを行い、その音質へのこだわり、ファイナルオーディオデザインという会社の秘密にも迫ってみた!

超高級オーディオメーカー「ファイナルオーディオデザイン」

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金属製のボディがまぶしい金属筺体モデルの「FI-DC1601」シリーズ。金属筺体、ABS筺体双方とも、ダイナミック型の構造を採用している

ファイナルオーディオデザインというピュアオーディオメーカーを知っているだろうか? 日本のメーカーだが、ヨーロッパやアメリカなどで、超ハイエンドのオーディオ製品を製造・販売しているメーカーだ。主力のスピーカー「opus 204」は、左右2機のスピーカーと、それに対応する2機の真空管式パワーアンプ、そしてコントロールアンプのセットでなんと5000万円という、超高級な製品となっている。


そのファイナルオーディオデザインが今年の夏に、同社初となるコンシューマー向けのカナル型ヘッドホン製品となる、金属ボディのカナル型ヘッドホン3機種と、ABS樹脂製2機種を発表し、今までのカナル型ヘッドホンに飽き足らないミュージシャンやオーディオマニアなどを中心に、評価されている。


もちろん、その価格もまた特別で、クロム銅筺体の最上位モデル「FI-DC1601SC」では、なんと市場想定価格20万円という、カナル型ヘッドホンとしては、驚くような価格設定。このため、野次馬的な注目も集めていた。

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パッケージも高級感があり、プレゼントとしても、中身に負けず十分にインパクトがある

前代未聞の「金属ボディ」を採用したカナル型ヘッドホン「FI-DC1601」

金属ボディを採用した「FI-DC1601」シリーズは3機種。加工の難しいクロム銅採用の最上位モデル「FI-DC1601SC」は価格.comの最安価格でも18万円程度はする高価格モデル。その次に位置するのがステンレスボディ製の「FI-DC1601SS」で、ボトムを受け持つ真鍮製の「FI-DC1601SB」が6万円ほどとなっている。 この3種類は、基本的に同じデザインと振動板を使っており、筺体に使われる素材が価格や音の違いをもたらしている。 これら3モデルには、ゴム製のイヤーパッドが付属するが、メーカーとしてはイヤーパッドなしの状態での使用を推奨しているというのも異色である。また、ケーブルはタッチノイズ対策を主眼として布を皮膜にしているため、多くのヘッドホンが使う主要な素材であるプラスチックが非常に少ない。

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ゴム製のイヤーパッドはスリット入りとスリットなしの2種類がそれぞれ3サイズ分付属する。スリット入りはカナル型ヘッドホン特有の圧迫感を抑えながら、遮音性にも配慮されたものだ

一般のカナル型ヘッドホンとは一線を画した装着感

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左が金属性イヤーパッド、右はゴム製イヤーパッドを取り付けるためのアタッチメント。いずれもネジで本体に取り付ける構造だ

実際に、「FI-DC1601SS」をメーカー推奨の金属製イヤーパッドで装着してみる。確かに、カナル型ヘッドホンの密着する装着感とは大きく違う。すぐに脱落してしまうということはないが、指で軽く押さえながら聴いたほうがいいだろう。布を皮膜にしたケーブルは比較的細くて軽くしなやかで、タッチノイズはほとんど気にならない。静かな部屋で聴き始めたのだが、同居人が「音漏れがする」と指摘した。ボリュームはやや大きめだったかもしれないが、遮音性にはこだわっていないようだ。 指で押さえながら聞いたのだが、耳道の深さや角度で音がかなり変わる。ベストのポイントを探りながら聴いてみたが、これが結構楽しい。 ヘッドホン自体は22gと重量のあるものなのだが、ゴム製イヤーパッドがない影響で、耳道を圧迫される感じや、密閉される感じがしない。遮音性を追求していないという点から見ても、カナル型ヘッドホンとは求める製品の方向性が違うことがうかがえる。

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指で押さえやすいように、筺体の後ろ側は少しくぼんでいる

音の「場」を再現するスピーカーに近い音

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ファイナルオーディオデザインの高級スピーカー「opus 204」と専用の真空管式スピーカー。スピーカーの筺体は分厚いステンレスで、内部には共振を防ぐために砂をつめている。その重量はなんと1台で800kg。「FI-DC1601SS」とは「速い音」という特徴が共通する

 

ふだん筆者が愛用しているヘッドホンは、定価3万円程度のアメリカメーカー製バランスド・アーマチュア型のもので、かなり解像度の高いモデルなのだが、「FI-DC1601SS(以下SS)」との情報量の違いは一聴で歴然とわかった。「SS」は解像度の点で不利なダイナミック型にかかわらず、はるかに解像度が高い。5,000円程度のヘッドホンと2万円台の高級ヘッドホンとの違いくらい差がある。音質はフラット。価格を考えれば当然かもしれないが、高級オーディオ機器に通じる、余計な味付けをしない、いわゆる「原音志向」だ。定位感もしっかりしているので、特にライブ音源では楽器の鳴っている場所を容易にイメージできる。 また、残響がとても美しい。ライブの拍手やオルガンの残響など、その場にただよう空気感まで再現している。カナル型ヘッドホンは、鼓膜にダイレクトに音を届けるように鳴るものが多いが、この製品について言えば狭い耳道でも、きちんと「場」の効果を再現できている。

「SS」をしばらく聴いていて気付いたのだが、低音の遅れがない。これはファイナルオーディオデザインが追求している「速い音」の現れで、同社の高級スピーカー「opus 204」とも共通する特徴だ。高音と低音のズレがないため、リズム感がよい。そのおかげで、どんなソースを聴いても、ふだんよりなんとなく楽しい感じだ。 このような特殊な製品なので「ソースを選ぶかな?」という先入観があったが、リズム感がよいおかげで、ハードロックから、バッハのオルガン楽曲、第二次世界大戦前のSP盤ジャズ、JPOP、演歌、いわゆる電波ソングまで、何でも受け入れる間口の広さがある。 もうひとつ特徴的だったのが、ヘッドホンアンプを通さなくても結構鳴るということだ。高額なオーディオ製品はえてして神経質で、高い機材をそろえないとまるで鳴らないということが多いが、ただのiPodにつなげただけでも、十分にサウンドの違いを実感でき、よくあるように低音がスカスカで、ボリュームも足りないというようなこともなかった。

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クロム銅の筺体を使った上位機種の「FI-DC1601SC」。約20万円という実勢価格もビックリだが、「硬いが粘る」というクロム銅の素材的な特徴のため、製造は難航を極め、かなりコストもかかっており、これでも高すぎるということはない。音質については、やや独特の音がする

真鍮製の「FI-DC1601SB」。金管楽器でも広く使われている真鍮ならではの鳴りが特徴だ。音質は華やかで伸びのよい音がする

より実用的に使用できるABS筺体モデル「FI-DC1350」シリーズ

ABS筺体モデルの「FI-DC1350」シリーズは、一般的なのカナル型ヘッドホンと同じく、ゴム製のイヤーパッドの着用が前提となる。 ボディ外観上の特徴は円錐形の筺体で、上位機種の「FI-DC1350M2(以下M2)」は、表面に特殊合金を含んだ塗装を施されており、ABS特有の箱鳴りを防いでいる。 エントリーモデルの「FI-DC1350M1」と「M2」の「FI-DC1350」シリーズは、一般的なカナル型ヘッドホンと同じく、装着しながら歩き回ることもできるし、遮音性にも配慮されているので、電車の中などで使用する日常使いのヘッドホンとして使うことも可能だ。 装着感はかなりよい。特に、スリットの入ったイヤーパッドを使った場合、耳をふさがれる圧迫感が少なく、カナル型ヘッドホンなのに、オープン型ヘッドホンのような開放的な使用感だ。


音質としては、ファイナルオーディオデザインの特徴である、高音域から低音域まで遅延なく鳴る「速い音」はきちんと受け継がれている。残響の余韻も、金属ボディモデルに通じる美しさだ。軽快で、中音域から高音域の鳴りがよく、女性ボーカルやテノールがよく響く。いっぽう、低音域は軽めで、重低音を期待する人向きではない。

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ABSボディの上位機種「FI-DC1350M2」。遮音性や装着性といった実用性を備えながら、ファイナルオーディオデザインの特徴を受け継いだ音が鳴る

スピーカーのように鳴る良質なヘッドホン

以上のように、ファイナルオーディオデザインのカナル型ヘッドホンは、一般的なヘッドホンとは異なり、スピーカーでの再生、もしくは生演奏を聴いているような鳴り方をするヘッドホン、と言える。残響が美しい点や、誇張された音がない点で、生演奏を聴く機会の多い人にとってみれば、かなり自然に聴くことのできるカナル型ヘッドホンとして注目の存在といえるだろう。


金属筺体モデル「FI-DC1601」シリーズは、遮音性や装着性では一般的なカナル型ヘッドホンと違うところを志向しており、従来のヘッドホンでは満足できない、耳の肥えたユーザーにこそ使って欲しい製品であろう。


ABS筺体モデル「FI-DC1350」シリーズも、全音域で遅延のない音が鳴るため、ライバルの多い製品の中にあって独自の個性を発揮している。実用性も高く、普段使いのヘッドホンとして電車の中や街を歩きながらでも普通に使うことができる。 価格の価値は人それぞれで難しいが、筆者個人の立場でいえば、数万円のヘッドホンを度々買い換えるならこれひとつで末永く使ったほうが、結局はずっとリーズナブルに思う。サポートも手厚くスピーディーなので、よくある断線トラブルに見舞われても修理は部品のなくなる限り行うという点で安心だ。

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