新製品レポート - ニューモデルの詳細情報をいち早くチェック! -

赤色レーザーとシアン色LEDの併用で広色域を実現した注目製品 

誕生! 三菱電機の“レーザー液晶テレビ”「REAL LASERVUE」

「REAL LASERVUE LCD-55LSR3」

三菱電機は2012年5月30日、液晶テレビの新モデルとして、55V型の「REAL LASERVUE(リアル レーザービュー) LCD-55LSR3」を発表した。2011年10月に開催された家電見本市「CEATEC JAPAN 2011」で参考展示されたモデルを製品化したものとなっている。ボディカラーはブロンズ。市場想定価格は38万円前後で、6月29日の発売が予定されている。


同社は2010年に、業務用モデルとして、RGB3色のレーザー光源を使う75V型レーザーテレビ(プロジェクションタイプ)をリリースするなど、レーザー技術を活用した高画質テレビの開発を進めてきているが、今回発表になった「REAL LASERVUE LCD-55LSR3」は、赤色レーザーとシアン色LEDバックライトを組み合わせた、まったく新しい技術を採用するコンシューマー向けの液晶テレビ。赤を中心に色の再現性が向上しており、これまでの液晶テレビにはなかった色彩や質感の映像を楽しむことができる。


今回、発表同日に行われた新商品説明会において、この新型テレビの画質をチェックすることができた。新しい高画質技術の特徴を紹介したうえで、ファーストインプレッションをお伝えしよう。

新しい高画質技術の特徴

まずは、「REAL LASERVUE LCD-55LSR3」の高画質技術の特徴を見ていこう。

「REAL LASERVUE LCD-55LSR3」の最大の特徴は、バックライトの光源に、色純度の高い「赤色レーザー」と、緑と青を効率よく発光する「シアン色LED」を使用した新開発の液晶パネル「LASERVUE Panel」を採用し、一般的な液晶テレビが採用する白色LEDバックライト液晶パネルと比べて色域が大きく拡大していること。具体的には、従来の同社製液晶テレビ「LCD-55MDR2」と比べて、1.29倍の色再現範囲の拡大を実現している。

ポイントは、赤色レーザーを採用したことで、赤系の色の再現性・階調表現がアップしていること。加えて、赤色レーザー+シアン色LEDの組み合わせでは、緑と赤の波長をきれいに分離できるため、緑から青にかけての色域の再現性も向上。真紅、桃色、紫、スカイブルー、深緑といった、従来の液晶パネルでは表現しにくかった色をよりリアルに描写できるようになっている。

「REAL LASERVUE LCD-55LSR3」のバックライトの構造は、基本的には、一般的な液晶テレビと同じエッジ型LEDバックライトとなっており、シアン色LEDが筐体左右のエッジ部に装備されている。面白いのは、赤色レーザーの配置と投射方法だ。2個の赤色レーザーを備えた小型ユニットがLEDバックライトの内側に8個(左右で計16個)並べられているのだが、このユニットは内側から外側(LEDがある筐体のエッジ部)に向けて光を投射し、一般的な液晶テレビでは使われない補助導光板で内側に反射・拡散させる仕組みとなっているのだ。こうすることで、直進性の強い赤色レーザーの光をうまく散らすことができるという。さらに、液晶パネル全体に光を拡散するための導光板は、赤色レーザー用とシアン色LED用の2枚を装備。赤色レーザーとシアン色LEDで導光板を分けることで、光の拡散効率を上げ、パネル全体での輝度ムラ・色ムラの発生を軽減している。

筐体のエッジ部に装備されるシアン色LEDバックライト。青色LEDに緑色の蛍光体を組み合わせてシアン色を発光させている。赤色成分を除去しているため、純度の高い青色と緑色が得られるという。なお、三菱電機によると、一般的な白色LEDバックライトは、青色LEDに黄色の蛍光体を組み合わせているため、各色の成分が混合し、濁った光になるとのこと

シアン色LEDバックライトの内側に、赤色レーザーのユニットが縦に8個並ぶ

赤色レーザーのユニットには、光源が2個装備されている(隠れている丸い形状の部分)。レーザー光は、端が折り返された形状の補助導光板によって反射・拡散される仕組みだ

赤色レーザーの反射・拡散のデモ

「REAL LASERVUE LCD-55LSR3」で使用している赤色レーザーの光源

導光板は、赤色レーザー用とシアン色LED用の2枚を装備。光が拡散しやすいようにドットパターンが入っている

導光板が2枚内蔵されていることもあって、LEDバックライト採用の薄型液晶テレビと比べると、ボディは多少厚い

また、「REAL LASERVUE LCD-55LSR3」は、画質回路に「DIAMOND 3D Engine PRO」を採用。縦に8個並べた赤色レーザー+シアン色LEDバックライトユニットを制御し、表示に同期して順次バックライトを点灯することで動画の残像感を低減する新技術「Laser Backlight スキャニング8」を搭載している。なお、液晶パネルは倍速駆動対応となっている。

「Laser Backlight スキャニング8」の説明。倍速駆動とバックライトスキャニングにより、残像を低減する

「DIAMOND 3D Engine PRO」は、超解像技術「DIAMOND HD」や、エリアバックライト補正機能なども備えている

「REAL LASERVUE LCD-55LSR3」は、従来の同社製液晶テレビにも搭載されているインパルス型発光制御(液晶の応答が完了後にバックライトを点灯)にも対応。画質メニューから機能をオンにすることで、ブラウン管テレビのようなインパルス発光での表示が可能になる

画質のファーストインプレッション

新商品説明会では、同社が用意したデモ映像で「REAL LASERVUE LCD-55LSR3」の画質をチェックすることができた。その第一印象は、とにかく「色の表現力にすぐれる」ということ。ソフトウェア設定での彩度・コントラストの高さに頼らずに、ナチュラルな鮮やかさを再現できているのがポイントだ。赤系だけでなく、青や緑も深い色描写であることが確認できた。

また、階調性も高く、空のグラデーションなども非常になめらかに描写できていた。さらに、全体的に抜けのよい、クリアな描写にも目を見張った。色かぶりが少ないので、鮮やかな被写体と人物が共存するような映像でも、自然な肌色を再現できるのである。

また、「REAL LASERVUE LCD-55LSR3」の画質は、まだチューニング段階だとは思うが、これまでの三菱電機製液晶テレビと同様に、解像感を優先した設定となっているようだ。ノイズはそれなりに残るようだが、精細感にすぐれた映像を楽しむことができる。

新商品説明会でのデモの様子。「REAL LASERVUE LCD-55LSR3」は、さまざまな色の被写体を鮮やかに再現していた

青空のグラデーションも美しく表現できていた

色かぶりが少なく、クリアな描写も特筆すべき点。肌色も自然だ

今回は、少ない時間での視聴となったが、「REAL LASERVUE LCD-55LSR3」は、少なくとも、同社のコンシューマー向け液晶テレビの中では、もっとも高画質な製品であることは確認できた。色表現力に限れば、他メーカーの高画質タイプの液晶テレビと比べても、同等かそれ以上のレベルではないだろうか。

テレビ開発の“王道”から生まれた高付加価値モデル

地上デジタル放送への切り替えにともなう薄型テレビへの買い替え需要が収束してから約1年。テレビの売れ行きは下降線をたどっているが、今回の新商品説明会で三菱電機が開示した情報では、2012年度の薄型テレビの国内販売台数は、2010年度の約1/3程度となる880万台程度(同社予測)となっている。これは2007年度の実績とほぼ同じボリュームだ。

こうしたテレビが売れない状況の中で、三菱電機が取る戦略は、「付加価値の追求」を貫くこと。ネットワークを活用してモバイル端末との連携が行える「スマートテレビ」への流れや、テレビ製品の低価格化が加速している中で、同社は、今回の新モデル「REAL LASERVUE LCD-55LSR3」において、これまで同社が強みとしてきた「画質」へのこだわりを徹底していく姿勢を見せたのだ。

三菱電機の梅村博之氏

新商品説明会で登壇した、同社の梅村博之氏(常務執行役 リビング・デジタルメディア事業本部長)は、「家電量販店でのテレビの平均単価は5万円程度。オールインワンモデルでも10万円程度」という認識を示したうえで、「REAL LASERVUE LCD-55LSR3」の商品化について、「当社のAV機器事業は“規模”ではなく“価値”で勝負している。今回の新モデルは、店頭単価から見れば高い製品ではあるが、付加価値は十分にある」と説明した。


三菱電機は、蒸気レスのIHジャー炊飯器や、扇風機「風神」「雷神」、レンジグリル「ジタング」などのユニークな製品群を見てもわかるように、コンシューマー向け製品については、「オンリーワン商品」の開発に力を入れているメーカーだ。また、メーカーとしての総合力を生かそうとしているのも特徴で、今回の「REAL LASERVUE LCD-55LSR3」についても、レーザーデバイスの開発技術や、車載用オーディオ機器技術など他事業の技術を活用している。さらに、AV機器事業の体制については、企画、開発、製造の各部門を京都地区に集約し、部門間での情報共有がスムーズに行えるようにしているという。これもすべて「オンリーワン商品」を作るための創意工夫で、相当な企業努力がともなっていることは想像に難くない。


なお、三菱電機は、本モデルを「プレミアム録画テレビ」と位置付けており、あくまでもオールインワンモデルとしての付加価値を追求したモデルとしている。そのため、画質以外の、音質や録画機能の面も非常に充実。ネットワークにもきちんと対応しており、映像配信サービスの利用が可能なほか、ホームネットワーク上の対応機器に録画番組を配信できるDLNAサーバー機能も備わっている。


率直に言わせてもらうと、「新技術の投入により高画質を実現する」というテレビ開発の“王道”で生まれた「REAL LASERVUE LCD-55LSR3」には、久しぶりに登場した直球勝負のテレビ製品として、かなり期待している。「ブルーレイドライブや内蔵HDDを省略すれば、もう少し安くなったのでは」とも思うが、低迷するテレビ市場に一石を投じる存在になってほしいと思う。

「REAL LASERVUE LCD-55LSR3」は、画質だけでなく、音質や録画機能にもこだわった高付加価値モデルだ

「REAL LASERVUE LCD-55LSR3」は、画質だけでなく音質もかなりハイレベル。三菱電機の液晶テレビは、従来より高音質で評価を得ているが、「REAL LASERVUE LCD-55LSR3」は、振動板にカーボンナノチューブと樹脂を配合した「DIATONE NCVスピーカー」をフル装備。ウーハーも含めて計10個(センター4個、サイドスピーカー4個、ウーハー4個)のスピーカーすべてが「DIATONE NCV スピーカー」となっている

「REAL LASERVUE LCD-55LSR3」は、オールインワンモデルとしてブルーレイドライブと1TB HDDを内蔵。地上・BS・110度CSデジタルチューナーを3基内蔵し、2番組同時録画中の裏番組視聴が可能となっている。最大12倍のハイビジョン長時間録画モードも備えている

映像配信サービスの利用に対応するほか、DLNAサーバー機能も搭載

取材・記事 価格comマガジン mkr

前回の編集後記でも触れましたが、現在、PCオーディオ用の小型スピーカーを物色中です。ただし、購入可能な条件は「今使っているものを処分すること」。ちなみに、今使っているのはKEF「iQ30」。いいスピーカーなので手放したくないのですが、幅0.8m×奥行3m程度の極小スペースにはどうにも設置できないという。

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