新製品レポート - ニューモデルの詳細情報をいち早くチェック! -

iPhone/iPodを高音質に楽しめる注目のオーディオ製品 

“卵”が奏でる本格サウンド、OlasonicのiPodドックスピーカー

「Olasonic TW-D7IP」

今回は、オーディオ・ビジュアル・ライターの野村ケンジ氏が、価格.comマガジンとして初めて、iPhone/iPodを接続して音楽を楽しめる「iPhone/iPodドックスピーカー」を単品でレビュー。“初”のレビュー製品としてピックアップしたのは、東和電子の「Olasonic TW-D7IP」(以下、「TW-D7IP」)だ。本製品は、「価格.comプロダクトアワード2010」のPCスピーカー部門で銅賞を獲得した卵形スピーカー「Olasonic TW-S7」をベースにしたスピーカーユニットを採用し、見た目からは想像できない高音質を実現したモデルとなっている。

評判の高いPCスピーカー「TW-S7」をベースにした注目製品

「Olasonic」(オラソニック)というブランドをご存知だろうか? 「Olasonic」とは、元ソニー・ホームオーディオ事業部長の山本喜則氏が社長をつとめる東和電子が2010年に立ち上げたもの。オーディオファンの中には、2010年4月に発売された、同ブランドの第1弾製品「Olasonic TW-S7」で、秘められた実力の高さを知った方も多いことだろう。この「TW-S7」は、卵形のユニークなフォルムを採用した、USB接続の小型PCスピーカー。USBバスパワーで動作する手軽さに加え、一般的なアナログ接続に対して音質的なメリットも持つ製品で、そのキュートなフォルムからは想像できない、本格的なサウンドを奏でてくれる良質モデルだ。ユーザーからの評判もかなり高く、第1弾製品ながらも、「Olasonic」というブランドの知名度を一気に広げた製品となった。

そんな「Olasonic」から、同ブランドの第4弾製品として、「TW-S7」をベースにしたスピーカーユニットを採用する、iPhone/iPod用のドックシステム「TW-D7IP」が2011年10月に登場した。そこで今回、新製品「TW-D7IP」の実機を借用し、実力のほどをチェックさせてもらうことにした。

まずは、「TW-D7IP」の製品としての特徴をおさえておこう。

「TW-D7IP」は、ユニークな卵形スピーカーと、iPhoneやiPod用ドックを備えたセンターユニットから構成されるiPhone/iPodドックスピーカー。機能的には結構多彩で、ドックスピーカーとしてiPhone/iPodの再生と充電が行えるだけでなく、USBケーブルでパソコンに接続することで、iTunesとの同期ができるうえ、さらに、48kHz/16bit対応のUSB DAC機能も搭載しており、PCオーディオ機器として活用することもできる。加えて、ステレオミニのアナログ入力も用意。iPhone/iPod以外の携帯オーディオプレーヤーやスマートフォンを接続することも可能となっている。なお、電源に関しては、バスパワーでの駆動が可能であるものの、ACアダプターも付属している。こちらを活用することで、バスパワーに対して最大出力が40パーセント向上するという。

さらに、「TW-D7IP」は、定在波の発生を防ぎつつ高い剛性を発揮する卵形のエンクロージャーや、60mm径のパッシブラジエーター(スピーカーの背圧で動作する)による重低音再生といった、卵形スピーカー「TW-S7」の特徴はそのままに、音質劣化の少ない高性能なラダー型の電子ボリュームを採用。「SCDS」と呼ぶ独自方式を用いることで、4.2Wの低消費電力ながらも10W+10Wの大パワーを実現するなど、センターユニットを用いた製品ならではのクオリティアップも施されている。

ちなみに「Olasonic」では、これまでもウォークマン用やテレビ用として、「TW-D7IP」と同じセンターユニットを持つ製品が発売されている。センターユニットとしての基本的な構造は、これらの従来製品と同じで、ドックポートがiPhone/iPod用であることと、スピーカー台座のシリコンまですべてホワイトで統一した専用カラー「パールホワイト」を採用すること以外に、スペック的な違いはほとんど見られない。

剛性が高く、箱鳴りなどの不要音や定在波の発生を防ぐ、卵形のエンクロージャーが特徴的なスピーカーを採用。サイズは108(幅)×108(奥行)×141(高さ)mm。60mm径のコーン型フルレンジスピーカユニットに加えて、リア部にパッシブラジエーターが配置されている。また、スピーカーの角度を微調整できる、シリコンゴム製のインシュレーターが付属するのもポイント

スピーカーユニットの同軸上に、高域を拡散させることで指向特性を改善するディフューザーを装備

アナログ接続ながらも期待を上回るサウンドクオリティ

「TW-D7IP」は、iPhone/iPodドックスピーカーとしてだけでなく、PCスピーカーとしても利用できる多機能な製品だが、使い勝手はよく考えられている。扱いはとても手軽だ。センターユニットの操作ボタンは、電源、ソース切り替えに使用するファンクション、ボリュームとなっているが、リモコンを使うことで曲送りやミュート、バスブーストのオン/オフなども行えるようになる。この操作感であれば、誰もが簡単に使いこなせることだろう。

センターユニットのフロント部に操作ボタンを装備。左から、ファンクション、電源、ボリュームとなっている

付属リモコンでは、曲送りやミュート、バスブーストのオン/オフといった操作が可能

センターユニットの右側面に、アナログ入力とヘッドホン端子を装備。背面に、スピーカー接続とUSBポートを備える

しかし、その手軽さとは裏腹に、「TW-D7IP」のサウンドを一聴して驚かされた。もともと、卵形スピーカー「TW-S7」で「Olasonic」製品の実力の高さは体験済みであったので、ある程度期待を持ちつつ試聴を始めたのだが、その予想を上回るサウンドクオリティを発揮してくれたのだ。まずiPod nano(第5世代)を接続して試聴してみたのだが、なんといっても芯の強い低域がいい。最低域までしっかりと伸び、なおかつ解像度も十分に高いため、バスドラがタイトにキレよく鳴ってくれ、音楽全体がとてもノリよくリズミカルに聴こえる。しかもメリハリのよさ、音のダイナミックさは、スピーカーのサイズからは想像できないほど大きなスケール感。おかげて、女性ボーカルなども、情感の高い、熱気あるれる歌声が存分に楽しめた。

しかも、音のダイナミック感、SNの良さに関しては、これがiPodアナログ接続方式だとは信じられないほどのレベルに達している。ご存知の方も多いと思うが、iPodはドックポートからアナログとデジタルの2つの音声信号を取り出すことができるようになっており、DA変換を外部機器に任せるデジタル出力の方が音質的に有利なシステムを作りやすいのだが、「TW-D7IP」はアナログ出力を使いながらもここまでのサウンドクオリティを実現しているのだ。そのレベルは、こちらも「TW-S7」とセンターユニットで構成されるウォークマン用のドックスピーカー「TW-D7WM」(※ウォークマン「Xシリーズ」を接続)とほぼ拮抗している。逆にSN感など、「TW-D7IP」のほうが明らかに勝っている部分もあった。iPod nanoのアナログ出力でこのクオリティは、驚くべき結果だ。どうやらこれは、「TW-D7IP」が「TW-D7WM」の後発製品であることが影響しているようだ。電源部などにさらなる改良が施されているようで、その結果、ウォークマンの中でも音がいいといわれている「Xシリーズ」に対抗できる音質を実現しているのだ。これはすばらしい。

また、「TW-D7IP」にパソコンをUSB接続して、PCオーディオとして利用していると、一段とサウンドクオリティが上がるのがわかる。SN感がさらに向上し、よりダイナミックな演奏になってくれる。もちろん単体USB DACなどの高級モデルに比べると、クオリティがやや劣ちるし、ハイレゾ音源に対応しないものの、十分に音楽を楽しめるレベルには達している。デスクにスペース的な余裕がない方は、このあたりから「PCオーディオ」をスタートするのが得策かもしれない。

いずれにしろ、「TW-D7IP」が、iPhone/iPodドックスピーカーとしてはなかなかのクオリティを持ち合わせているのは確かだ。PCスピーカーとしても使える多機能さも含め、魅力的な製品と言っていい。

パソコンとUSB接続することで、48kHz/16bit対応のUSB DAC機能も利用できる

ライター/野村ケンジ

ホームシアターやカーオーディオ、音楽・映像関連、クルマ分野など、幅広いジャンルで活躍するフリーライター。100インチスクリーン+TADモニターで6畳間極小ホームシアターを自宅で実践するなど、実験的な試みにも積極的にチャンレンジするこだわり派。サウンドコンテストの審査員なども担当している。

ページの先頭へ