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65V/55V型モデルが登場!「トリルミナスディスプレイ」にも対応 

これなら手が届く!? ソニーの新型4Kテレビ「BRAVIA X9200A」

2013年4月11日、ソニーから4K対応の液晶テレビ「BRAVIA X9200A」シリーズが発表された。店頭予想価格は65V型モデル「KD-65X9200A」が75万円前後、55V型モデル「KD-55X9200A」が50万円前後とけっして安い製品ではないが、同社としては一般家庭への普及を想定した初の4Kテレビだ。55V型モデルは、数年前に薄型テレビの価格を測る指標であった「1インチ1万円」を切っており、4Kパネルによる高精細な描写をいち早く楽しみたい映像マニアにとっては「手が届かない」という価格ではないだろう。新製品発表会で得た情報を交えながら、その特徴を紹介したい。

大画面モデルの買い替え需要を狙って投入された4Kモデル

4K対応の液晶テレビ「BRAVIA X9200A」シリーズ。発売予定は6月1日

国内のテレビ市場は、2009〜2011年の地上デジタル放送への切り替え需要をピークに大きく縮小している。販売台数(ジーエフケー マーケティングサービス ジャパンの調査結果による)で市場規模を見ると、2012年度は837万台となっており、2010年度のピーク時(2500万台オーバー)の3割程度にまで縮小していることになる。ただ最近では、46V〜50V型以上の大型モデルの販売比率が伸びているのが市場のトピック。テレビは売れなくなっているが、買い替え需要からより大きな画面サイズが人気を集めているというわけだ。そのため、各社とも大画面モデルのラインアップを強化している。こうした状況であるため、これからのテレビ市場は、50V型を超えるモデルが中心となるのは間違いないところだろう。


ソニーが今回発表した「BRAVIA X9200A」シリーズは、大画面モデルの需要を狙った製品で、65V型モデル「KD-65X9200A」と55V型モデル「KD-55X9200A」がラインアップされている。最大の特徴は、水平3840×垂直2160の4K解像度のパネルを採用していること。このサイズでの4K液晶テレビは東芝が先行して商品化しているが、ソニーも追従してきたというわけだ。

ソニーが今回の新製品発表会で提示した国内テレビ市場の参考資料。ソニーの調べによると、2012年度は、46V型以上の大画面モデルの金額構成比が全体の40%近くに達したとのこと

「BRAVIA X9200A」シリーズの紹介の前に、ソニーが2012年11月に発売を開始した、同社初の4Kテレビ「BRAVIA KD-84X9000」について少し振り返っておきたい。

84V型という大画面を実現した4K液晶テレビ「KD-84X9000」は、「今までにはない新しい映像体験」を実現するテレビとしてリリースされた。ポストハイビジョン時代においてソニーが考える“新しい映像体験”の要素が詰め込まれたモデルだ。詳細は新製品レポート『新ステージ突入!ソニーの84V型4Kテレビ「BRAVIA KD-84X9000」』をご覧いただきたいが、最大のポイントは「視聴距離」。パネルの大画面化・高画素化によって「大画面をより近い視聴距離で見られる(=臨場感・没入感の向上)」ことをウリとしているのである。

フルハイビジョン(水平 1920×垂直1080)の約4倍の画素数を誇る4Kテレビは、精細感が高く、画面に近づいてもノイズなど映像のアラを気にせずに視聴することができる。従来のフルハイビジョンテレビよりも視聴距離を短くできるため、視野角が広くなり、より迫力のある映像を楽しめるというわけだ。フルハイビジョンテレビでは、一般的にはパネルの高さの「3倍」が最適な視聴距離とされていたが、ソニーは、4Kテレビでは「1.5倍相当」にまで短くできると考えている。そのため、84V型の「KD-84X9000」では「約1.6m」、今回発表された「X9200A」シリーズの55V型「KD-55X9200A」では「約1.1m」を最適な視聴距離と定めている。これにより、今までのテレビにはない臨場感・没入感を楽しめるとしている。

ソニーは、この新しい映像体験を実現するために、まず、84V型の大画面モデル「KD-84X9000」を投入したのだ。「KD-84X9000」の製品発表時には、このモデルを頂点にして4Kテレビを展開していく考えを示していたが、今回発表された「X9200A」シリーズは、その考えやコンセプトに基づく第1弾製品である。168万円という価格の84V型「KD-84X9000」はフラッグシップとしての位置付けが強かったが、「X9200A」シリーズは、より販売への意識が高く、一般家庭への普及を狙ったモデルとなっている。

「X9200A」シリーズの新製品発表会の視聴デモでは、床に最適な視聴距離を示すテープが貼られていた

進化した「4K X-Reality PRO」を採用。「トリルミナスディスプレイ」にも対応

では、4Kパネル(3840×2160)を採用する「BRAVIA X9200A」シリーズの特徴を見ていこう。

まずは、画質スペックの基本的なところから。「X9200A」シリーズは、バックライトに、84V型「KD-84X9000」と同様、部分駆動に対応するエッジ型のLEDバックライトを採用している。パネルは倍速駆動対応で、バックライトのオン・オフにより4倍速相当の効果が得られる「モーションフローXR240」を搭載。よりなめらかな映像を表示できる「インパルスモード」の利用も可能だ。さらに、84V型「KD-84X9000」と同じく、4Kアップスケーリング対応の高画質回路「4K X-Reality PRO」を採用。映像の処理を「2K→2Kの超解像処理」と「2K→4Kへのアップスケーリング&超解像処理」に分けているのが特徴で、4Kに満たないフルハイビジョン映像でも高精細に表示できるとしている。なお、ソニー担当者への取材では、「X9200A」シリーズの「4K X-Reality PRO」は、「KD-84X9000」に搭載したものからアップデートが施されており、ノイズ低減処理など細かいところが進化しているとのことだ。

新製品発表会の会場では、「X9200A」シリーズの65V型モデル「KD-65X9200A」で4Kネイティブの映像コンテンツを表示するデモと、直下型LEDバックライトを採用する従来モデル「KDL-65HX950」との比較デモが用意されていた。4K映像を表示するデモでは、フルハイビジョンにはない高精細な表示に釘付けとなった。また、従来モデルとの比較デモでは、「KD-65X9200A」のほうが精細感で明らかに上回っていた。「X9200A」シリーズでは、フルハイビジョンの映像を4Kにアップスケーリングして表示するわけだが、ソニーの映像処理の巧みさを感じる結果となっていた。ただ、気になるのは、動きの速い映像に対してどういう表示になるかだ。「X9200A」シリーズは倍速パネルで4倍速相当の「モーションフローXR240」、「KDL-65HX950」は4倍速パネルで16倍相当の「モーションフローXR960」となっており、スペック的には、「動きに対して従来ほどは強くない」という印象を受ける。残念ながら、今回は動きの速い映像をチェックできなかったので、今後しっかりとレビューして確認したい。

「4K X-Reality PRO」は、「X-Reality PRO」が「2K→2Kの超解像処理」を、「XCA8-4K」が「2K→4Kへのアップスケーリング&超解像処理」を担当。「X-Reality PRO」は、フルハイビジョン映像に対してノイズ低減処理や複数枚パターン検出処理、データベース参照型の超解像処理などを実施。「XCA8-4K」は、4Kへのアップスケーリングとデータベース参照型の超解像処理などを行う。この処理により、デジタル放送やブルーレイのハイビジョン映像を、より高精細な4K映像に変換する。なお、従来の「X-Reality PRO」は、「X-Reality」と「XCA7」の2チップ構成だったが、「X9200A」シリーズでは1チップ構成に変更になっている

65V型モデル「KD-65X9200A」で4K映像を表示するデモ。映像は30pで記録されたもの。テレビにはパソコンからHDMI接続で入力されている

「KD-65X9200A」と従来モデル「KDL-65HX950」の比較デモ。「KD-65X9200A」のほうが精細感の高い表示となっていた

広色域情報を含んだ状態で4Kマスターの映像をフルHDで収録する「Mastered in 4K」のブルーレイタイトルのデモ。「4K X-Reality PRO」では、4KマスターをフルHDにダウンコンバートする技術を応用し、アップスケーリングのアルゴリズムが最適化されているため、本来の4Kに近い映像を再現できるとしている

デジタルカメラで撮影した写真を4Kテレビで表示することもアピール。829万画素表示の4Kは、207万画素のフルHDに比べて、1000万画素を超える高解像度の静止画を細部までリアルに表示できると説明した

4系統のHDMI入力(側面1、背面3)を備えており、そのうち2系統が4K入力に対応。入力可能な4K映像は3840×2160/30p、3840×2160/24p、4096×2160/24pの3種類

また、「BRAVIA X9200A」シリーズは、「トリルミナスディスプレイ」と銘打つ表示部分の改良によって、広色域に対応しているのも見逃せない。「トリルミナス」の表記は、RGB LEDバックライトの部分制御に対応する「BRAVIA XR1」シリーズ(2008年発売)を最後に姿を消していたが、今回約4年ぶりの復活となる。「X9200A」シリーズでは、新しいバックライトシステムを採用したことで色域の拡大を実現したのがポイント。具体的には、白色LEDに、米国QD Visionの発光半導体技術「Color IQ」を採用した光学パーツを組み合わせることで、従来の単色LEDバックライトの液晶テレビよりも色の再現領域を広げている。

なお、「トリルミナスディスプレイ」は、ハードウェアをベースにした技術であるため、「X9200A」シリーズでは機能をオフにすることはできない。コンテンツによっては、コンテンツが持つ色域以上の色を表現することになるが、「X-Reality PRO」の高度なカラーマネージメント性能により、階調表現豊かな映像を再現できるとしている。

色の再現領域を拡大した「トリルミナスディスプレイ」を採用。なお、ソニーは、同社製のデジタルカメラやビデオカメラなど、広色域での撮影や再生・伝送を実現した製品には「トリルミナスカラー」という名称を付け、「トリルミナス」ブランドとして展開している。「トリルミナスカラー」で撮影した映像と、「トリルミナスディスプレイ」対応のテレビを組み合わせることで、撮影時の自然な色合いのまま表示できるとしている

「トリルミナスディスプレイ」のデモ。4Kモデルと同時発表で「トリルミナスディスプレイ」に対応する、「W900A」シリーズの55V型フルハイビジョンモデル「KDL-55W900A」と、従来モデル「KDL-55HX850」で同じ映像ソースを表示していた。画質モードは両方とも「ダイナミック」。赤や緑がより鮮やかに深く表現できていることと、エメラルドグリーンなど中間色がより正確に表現できていることを確認できた



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