イベントレポート - 気になるイベント&新製品発表会をレポート! -

いつものビールとは違う“最高級エールビール”を楽しんできた 

“踊る泡”に酔いしれるビール!?「よなよなリアルエール」体験記

発表会場となった東京某所のパブ

「今日は暑いですねぇ…これからちょっとビールでも飲みにいきませんか?」


8月5日(金)の昼下がり、カカクコムの某営業担当から仕事中にも関わらず魅力的な誘いを持ちかけられた。「金曜の16時にお酒を飲みにいくという発想、嫌いじゃないけど無理ですよ」と返答すると、「大丈夫、新しい缶ビールの発表会ですから。記事のネタになりますよ」と営業担当に説得されて向かったのが東京某所のパブ。そこでは、地ビールメーカーであるヤッホーブルーイングの新しい缶ビール商品「よなよなリアルエール缶」の発表会・試飲会が行われていた。


この新しい缶ビールは、ビールとしての品質はもとより、「ウィジェット方式」という今までにない仕組みを採用しているのが面白いところ。今回は、いつものデジモノ系の発表会レポートとはちょっと趣を変え、缶ビールの新商品「よなよなリアルエール缶」について紹介していこう。

目の前に運ばれてきたのは「よなよなエール」の最上級品

新商品「よなよなリアルエール」

少し遅れての到着となったため、発表会場のパブの店内は、すでに大勢のプレス関係者であふれていた。営業担当者とともに店内に入ると、すでに、ヤッホーブルーイングのプレゼンターらしき方がプレゼンを始めている。しかも終盤の様相。気まずい空気を感じながらも店のカウンターに案内されると、目の前に、新商品であろう冷えた1本の缶ビールとグラスが運ばれてきた。缶ビールのパッケージをよく見ると「よなよなリアルエール」と書かれている。


「よなよな“リアル”エール?」


ヤッホーブルーイングは、徹底的な開発・品質管理にこだわっていることで有名な地ビールメーカーだ(本社:長野県軽井沢町)。イギリスやベルギーなど欧米では人気の高いエールビール(イギリス生まれの上面発酵タイプのビール)を生み出すことに注力しており、ラガービールの消費が多い日本においては、ある種、孤高の存在であるのだが、ビールファンからは間違いなく一目置かれている存在でもある。最近では、「よなよなエール」や「東京ブラック」「インドの青鬼」といったヤッホーブルーイング製の缶ビールを、酒屋や百貨店だけでなく、一部のスーパーやコンビニの店頭でも見かけるようになってきたので、ビールにくわしくない方でも意外に多くの人がこのメーカーの商品をご存知かもしれない。筆者は、主力商品である「よなよなエール」の缶ビールを何度か購入したことがあるため、この銘柄を知っていたものの、「よなよなリアルエール」というのは今回初めて目にした次第だ。

そのため、発表会で見たときは新しい銘柄だと勘違いしたのだが、これは間違い。「よなよなリアルエール」は、2002年にすでに誕生しており、一部の飲食店で味わうことができる銘柄であるとのこと。「伝統的な主原料(モルトホップ)から醸造されている」「容器の中で二次発酵にともなう熟成が行われている」「炭酸ガスを使用せずにサービングされる」といった厳格な決まりのあるイギリスの伝統的な「リアルエール製法」を用いて作られている最上級品である。その最上級品が、今回、「よなよなリアルエール缶」という缶ビールになって販売開始されるというわけだ。

長野県軽井沢町に本社と醸造所を構えるヤッホーブルーイング。「日本にエールビール文化を根付かせる」を合言葉に、高品位なエールビールの製造・販売を行っている

 

ヤッホーブルーイングが手がけるエールビールの中でも特に知名度が高いのが「よなよなエール」。柑橘系の香りや、甘さを感じるコクを楽しめるエールビールらしいエールビールとして、ビールファンからの人気が高い。2011年8月10日現在、価格.comの「地ビール」カテゴリの人気銘柄ランキングでも1位をキープ。コンペティション関連でも、「インターナショナル・ビア・コンペティション」で8年連続の金賞を受賞している。ちなみに、“よなよな”というネーミングは、「毎晩飲んでもらえるビールになること」という開発コンセプトをもとに付けられている

「よなよなエール」の最高級品となるのが「よなよなリアルエール」。醸造所のできたての味わいを損ねないように未濾過・非加熱処理で作られるビールで、今までは、品質管理の基準をクリアした全国約100店舗のバーやパブなどでしか飲むことができなかったが、今回、缶ビールとして販売されることが決定した

まだ開けないでください! 踊る泡を楽しんでください!

店内のモニターには「泡を鑑賞」「香りを楽しむ」など「おいしく飲むための心得」が表示されていた

話を発表会に戻そう。目の前には飲んだことのない銘柄の缶ビール「よなよなリアルエール缶」とグラス。のどはカラカラ。すぐにでも缶を開けてグイッと飲みたいところであったが、周囲にいるイベント関係者の方からしきりに「まだ開けないでください」と念を押される。あわせて、「“踊る泡”と“香り”をみなさんで一緒に楽しみましょう。全員に配り終わるまでお待ちください」との説明も。発表途中からの参加であったため、何のことかよくわからなかったが、どうやら「缶を開けたときに出る踊る泡」なるものを確認してほしいとのことである。


「踊る泡?」


参加者全員に缶ビールとグラスが配られたところで、「お待たせしました。では、いっせいに開けてください」との合図が。配られた資料を見る時間的な余裕がなかったため、「踊る泡」がどういうものなのかわからないままプルタブを開けると、「プシュ」という聞きなれた開栓音の後、プチプチという細かく小さい音が缶の中から聞こえてきた。中をのぞくと、微細な泡のようなものが発生しているのがわかる。くわしくは後述するが、これが「踊る泡」なるものの正体だ。しかも、缶からあふれることなく泡が発生しているのである。


「何だこれ!?」

「2秒をすぎると泡がなくなってしまいますので、もうグラスに注いでください。一気に注いで大丈夫です」との説明があり、あわててグラスに注ぐと、また「何だこれ!?」。適当に注いだにも関わらず、スーッと泡が落ち着いて、実にいい具合にビールがまとまるのである。専用グラスであることも影響しているのだろうが、グラスには、非常にきめ細かい泡(開栓時にできた「踊る泡」)が残っていて、見た目にもおいしそう。感心しながらグラスを眺めていると、右手に持った空の缶が、いつものビール缶と比べてわずかに重いことに気付く。缶を振ってみると、何かが缶の底に残っているようなのである。

 

「よなよなリアルエール缶」は、グラスに注ぎ終えると、ビールの表面に缶の中で生まれた「踊る泡」がたまっていく

 

空の缶ビールとしては微妙に“重い”。缶を持つと底に何かが残っているような感じがする


動画:「よなよなリアルエール」をグラスに注いでみた

※以下のサムネイル画像をクリックするとWMV形式の動画(640×480ドット)が再生されます。ご使用のパソコンによっては再生できない場合がありますのでご了承ください。

   

「よなよなリアルエール缶」をグラスに注ぐ様子をおさめた動画。泡のおさまり具合に注目

“踊る泡”を生みだす「ウィジェット方式」を、国内の缶ビールとして初めて実現

適当に注いだのにもかかわらず、グラスにきめ細かい泡を作ることができた「よなよなリアルエール缶」。実は、缶の底に残っているものが非常に重要であったのだ。この新しいビールの缶の中には、「ウィジェット方式」と呼ばれる仕組みが備えられていて、これが「踊る泡」を作り出しているのである。しきりに缶の中をのぞいていた筆者に「ウィジェット方式」についてくわしく説明してくれたヤッホーブルーイング担当者の説明をまとめると、以下のようになる。


「ウィジェット方式」とは、イギリスの一部の缶ビール製品に採用されている方式で、缶内の気圧を調節する特殊なカプセル(ウィジェット)が“缶の底”に取り付けられています。そして、プルタブを開けると、缶の中の気圧が下がり、カプセルが破裂するようになっています。その際に、カプセルから微細な窒素が放出されるため、缶の中で細かい泡が発生するという仕組みになっているのです。国内の缶ビール製品としては初めての試みで、この方式によって、グラスに注いだときに、なめらかで踊るような泡を楽しむことができます。


なるほど。缶の底にカプセルが残っているので、空の缶が少し重く感じられたわけである。これはなかなか面白いギミック!?ではないだろうか。

 

「ウィジェット方式」のイメージ。開栓時に、缶の底の専用カプセルから微細な窒素を放出するようになっている

「ウィジェット方式」のカプセル部分。「よなよなリアルエール缶」は、缶の底にこのカプセルが設置されているため、缶の容量は500mlであるもののビール容量は440mlとなっている

肝心の「よなよなリアルエール缶」の味だが、もう文句のつけようのないおいしさ。ラガービールのように“のどごし”を楽しむのではなく、華やかな“香り”と“コク”を楽しむエールビールの真髄を感じるような仕上がりだ。「よなよなエール」と比べると、特にコクの部分が強いように感じた。また、「ウィジェット方式」で生まれた泡が非常にクリーミーで、麦芽の甘みのようなものが感じられたのも付け加えておきたい。暴飲するタイプのビールではないが、勧められるががまま調子にのって2本目を飲んでしまったことはいうまでもない…。

今回発表された「よなよなリアルエール缶」は、9月12日より発売が開始される。「よなよなエール」のパッケージは月をモチーフに描かれているのだが、「中秋の名月」(今年は9月12日)に発売開始するというあたりが何とも小粋だ。ただ、軽井沢の醸造所において濾過・加熱処理を行わずに製造されているうえ、流通・販売においても「要冷蔵」を徹底したいとの意向から、「よなよなリアルエール缶」は、発売当初から年内いっぱいは、ヤッホーブルーイングの楽天店舗「よなよなの里」での限定販売になるとのことだ。しかも数量限定生産となっているため、当面は「欲しいときにすぐ手に入れる」というのはかなり難しいだろう。ただし、同社は、「よなよなエールを超える存在を目指している」としており、順次、販路は拡大していくとのこと。来年以降、店頭に並ぶ日を心待ちにしたい。

ちなみに、国内初となる「ウィジェット方式」のビール缶の開発は、その技術や機械が国内になかったため、かなり難航したとのこと。「踊る泡の再現」だけでなく、内部圧力の調整や品質の安定にも時間がかかったとのことで、投資の額も莫大に。「よなよなリアルエール缶」が誕生するまでトータルで1万本のテストと7年の時間がかかっているという。社員数34名(2011年5月現在)というけっして大きい規模の会社ではない地方のビールメーカーが、この方式を実現したのは驚きであり、また、「よなよなリアルエール缶」にかける“本気度”を感じ取ることができる。

ちなみに、「よなよなリアルエール缶」の1缶の販売価格は498円。ちょっと高めの価格ではあるが、価格以上の価値を見出せるはずだ。すぐに手に入れるのは難しいかもしれないが、ビール好きの方は、ぜひ一度、試してみてほしい。

 

「よなよなリアルエール缶」には紙製のラベルが巻かれている。担当者によると「1本1本、手作業で巻いている」とのこと

取材・記事:価格.comマガジン編集部 mkr



 

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