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小型・軽量ボディにフルサイズセンサーを搭載。GPSと無線LANも装備 

世界最軽量フルサイズ、キヤノン「EOS 6D」超速攻レポート!

キヤノンの新型フルサイズ機「EOS 6D」。ボディ単体の市場想定価格は198,000円。発売は12月上旬が予定されている。なお、「EOS 6D」の登場により、2008年発売の「EOS 5D Mark II」は現行ラインアップから外れるとのこと

キヤノンは2012年9月17日、35mmフルサイズセンサーを搭載するデジタル一眼レフカメラの新モデル「EOS 6D」を発表した。世界最大規模の映像機器見本市「フォトキナ ワールド・オブ・イメージング 2012」(開催期間:2012年9月18日〜23日)の開催にあわせてリリースされた今回の新モデルは、「エントリークラスのフルサイズ機」という新カテゴリーの製品で、「35mmフルサイズCMOSセンサーを搭載したレンズ交換式デジタル一眼レフカメラの世界最軽量モデル」(※2012年9月13日時点、キヤノン調べ)となっている。非常に注目度の高いカメラだ。


ご存知の方も多いとは思うが、先日9月13日、ライバルのニコンからもエントリークラスの小型・軽量フルサイズ機「D600」が登場している。今後は、キヤノン「EOS 6D」とニコン「D600」の2機種が、“エントリーフルサイズ”の市場で激しいシェア争いを繰り広げることは間違いないだろう。


ここでは、価格.comマガジン編集部にいち早く届いたベータ機を用いて、「EOS 6D」の特徴をくわしく紹介する。


※本記事では「EOS 6D」の開発中のベータ機を使用しています。製品版とは仕様が異なる場合がありますのでご了承ください。


【関連記事】小型フルサイズ「EOS 6D」と歴代「EOS 5D」の画質を比較してみた

APS-C機「EOS 60D」に匹敵するコンパクトボディを実現

「EOS 6D」の最大の特徴は、35mmフルサイズセンサーを搭載したデジタル一眼レフながらも、非常にコンパクトなボディを実現していること。シャッターユニットやミラー駆動モーター、センサーパッケージの小型化に加えて、基板レイアウトの見直しなどにより、144.5(幅)×110.5(高さ)×71.2(奥行)mmで重量約755g(バッテリーおよびSDメモリーカードを含む)という小型・軽量ボディとなっている。フルサイズセンサーを搭載する上位モデル「EOS 5D Mark III」と比べて、幅は7.5mm、高さは5.9mm、奥行は5.2mm小さく、重量は約180gも軽い。これは、APS-Cセンサーを採用する下位モデル「EOS 60D」(幅144.5×高さ105.7×奥行78.6mmで重量約755g)と比べても、ほぼ変わりのないサイズ・重量。「APS-Cセンサー採用のEOSをフルサイズ化した」と言っても過言ではないデジタル一眼レフに仕上がっている。

さらに、「EOS 6D」は、ボディのフロントとリアカバーにマグネシウム合金を採用し、耐久性にすぐれるボディを実現。「EOS 5D Mark III」と同等の防塵・防滴構造を実現しているのもポイントだ。シャッターユニットは約10万回の撮影に耐えられる仕様となっている。

「EOS 6D」のボディサイズは144.5(幅)×110.5(高さ)×71.2(奥行)mmで、重量は約755g(バッテリーおよびSDメモリーカードを含む)。フルサイズセンサー搭載のデジタル一眼レフとしては非常に小型・軽量なボディに仕上がっている。上位モデル「EOS 5D Mark III」と同様、内蔵ストロボは搭載しない。光学ファインダーは、視野率約97%で倍率約0.71倍。背面モニターには、約104万ドット表示の3.0型液晶を採用する

左が「EOS 6D」(幅144.5×高さ110.5×奥行71.2mmで重量約755g)で、右が「EOS 60D」(幅144.5×高さ105.7×奥行78.6mmで重量約755g)。ボディの幅と重量(バッテリーとSDメモリーカードを含む)は両機種でまったく同じ。高さは、フルサイズ対応のため大きな光学ファインダーを搭載する「EOS 6D」が5mmほど高くなっているが、内蔵ストロボとバリアングル液晶を搭載・採用しないため、奥行は「EOS 6D」のほうが7mmほど短くなっている。デザインは微妙に異なっているが、グリップの大きさ・深さは両機種でほとんど変わりがない

ボディが小型化したのは、SDメモリーカードスロットのみの採用になった点も大きい(※「EOS 5D Mark III」はCF+SDのデュアルカードスロット、「EOS 5D Mark II」はCDカードスロットのみ)。なお、「EOS 6D」のSDメモリーカードスロットは、UHS-Iカードの利用に対応している

ボディ左側面に、リモコン端子(N3タイプのリモコンに対応)、マイク入力端子、映像/音声出力・デジタル端子、HDMIミニ出力端子を装備

ボディのコンパクト化にともない、「EOS 5D Mark III」などでは液晶モニター左側にあったボタンは、いくつか右側に配置されている。また、マルチコントローラーやレーティングボタンなどは省略されている

ボディ上部の設定ボタンは、「EOS 60D」と同じように1ボタン1機能となっている。左からAF動作選択ボタン、ドライブモード選択ボタン、感度設定ボタン、測光モードボタン、表示パネル照明ボタンとなる

「EOS 6D」は、ボディ単体のほか、標準ズーム域のLレンズ「EF24-105mm F4L IS USM」が同梱するレンズキットも用意される。レンズキットの市場想定価格は298,000円

低輝度限界「-3EV」のAFシステムなど高い基本性能を装備

「EOS 6D」は、撮像素子に、新開発となる有効約2020万画素の35mmフルサイズCMOSセンサー(約35.8×23.9mm)を採用している。上位機種「EOS 5D Mark III」の有効約2230万画素センサーとは微妙にスペックが異なっているが、「EOS 5D Mark III」と同様、マイクロレンズをギャップレス化したセンサーとなっている。また、映像エンジンは、最新の「DIGIC 5+」を採用。感度は、「EOS 5D Mark III」と同じく、常用でISO100〜25600に対応。拡張設定時は、ISO50、ISO51200、ISO102400を選択することができる。有効画素数が200万画素少なくなっているが、基本的な画質スペックは、「EOS 5D Mark III」と同等と考えていいだろう。

加えて、「EOS 6D」は、「EOS 5D Mark III」にない要素として、「高感度撮影時のノイズ低減」に、4枚を連続撮影・合成する「マルチショットノイズ低減機能」が追加されている。エントリーモデル「EOS Kiss X6i」などに採用されている機能で、よりノイズの少ない画質が得られるのが特徴だ。

有効約2020万画素の35mmフルサイズCMOSセンサーを採用

常用感度はISO100〜25600。感度の設定範囲を変更することで、ISO50、ISO51200、ISO102400も選択できるようになる

オート感度の範囲や、オート感度時のシャッタースピードの低速限界などを設定することが可能

4枚を連続撮影・合成することでノイズを減らす「マルチショットノイズ低減機能」に対応。従来のノイズ低減機能よりも、よりノイズを抑えた写真を撮影できる。手持ちでの撮影も可能だ

「EOS 6D」のオートフォーカスシステムは、新開発の11点AFセンサーを採用している。中央測距点は、F5.6対応のクロス測距と、F2.8対応の縦線検出測距が配置されており、高精度なオートフォーカスが可能だ。また、全測距点に、縦長のF5.6対応センサーを採用することで、大デフォーカス(大ボケ)状態からでも迅速な被写体検出が可能なのも特徴。さらに、「EOS 6D」のオートフォーカスシステムで見逃せないのが、AFセンサーの画素構造を改良し、受光面積を増やすことで、中央測距点において低輝度限界「-3EV」を実現したこと(※周辺測距点は「+0.5EV」)。暗いシーンでのオートフォーカス性能がさらに進化しているのだ。この値は、フラッグシップ機「EOS-1D X」の「-2EV」よりも上で、「EOS」シリーズで初のスペックとなっている(※「EOS 1D X」「EOS 5D Mark III」の低照度限界は「-2EV」、「EOS 7D」「EOS 60D」は「-0.5EV」)。

新開発の11点AFセンサーを採用。中央測距点は、F5.6対応のクロス測距と、F2.8対応の縦線検出測距に対応するうえ、低照度限界「-3EV」を実現している(※左の写真はファインダー内をデジタルカメラで撮影したもので、右はライブビュー時の背面モニターを撮影したものになります)

「EOS 6D」は、動く被写体を追従しながらピントを合わせる「AIサーボAF」に対応。カスタムファンクションにおいて、「AIサーボAF」の「被写体追従特性」「速度変化への追従性」などの調整が可能だ

さらに、「EOS 6D」は、シャッター周りで新しい仕組みを取り入れているのも見逃せないポイント。新設計となるシャッターチャージ系とミラー駆動系の2モーターシステムを採用し、シャッターチャージモーターを浮遊支持することで、静音化と無駄な振動が生じないようになっている。さらに、バネの強さを抑えることでミラーアップ時の衝撃を低減しているうえ、ミラーチャージャーの制御を行うことで、ミラーダウン時の速度も低減。ミラー駆動時に部品同士がぶつかり合う不快な音を抑えている。今回、製品版ではないベータ機を触ってみても、「EOS 6D」のシャッターフィーリングのよさは十分に伝わってきた。かなり軽快なフィーリングでミラーショックも少ないと感じた。ただし、「EOS 6D」のシャッタースピードの最高速は、「EOS 5D Mark III」や「EOS 7D」「EOS 60D」の1/8000秒ではなく、1/4000秒に抑えられている(ストロボ同調速度は最速1/180秒)。

「EOS 6D」は、「EOS 5D Mark III」と同様、ミラーを低速駆動させることで、シャッター音を最小限に抑える「静音撮影モード」に対応。「静音1枚撮影」と「静音連続撮影」(※最高約3コマ/秒)を選択できる

このほか、最高約4.5コマ/秒の連写性能を備え、JPEG(ラージ/ファイン)撮影時時で約73枚(UHS-Iカード:約1250枚)、RAW撮影時で約14枚(UHS-Iカード:約17枚)の連続撮影が可能。光学ファインダーは、視野率約97%(倍率約0.71倍)で、フォーカシングスクリーンには「EOS 6D」専用の新しい「Eg-A II」が標準装備されている。なお、「EOS 6D」は、フォーカシングスクリーンの交換が可能だが、従来の「Eg-A」は使用不可となっている。これまで「5D Mark II」用として用意されていた、方眼プレシジョンマットの「Eg-D」と、スーパープレシジョンマットの「Eg-S」は装着できる。

「EOS」シリーズとして初めてGPSレシーバーと無線LAN機能を内蔵

続いて、「EOS 6D」の機能性を紹介しよう。かなり充実した内容となっている。

「EOS 6D」の機能で特に注目したいのが、「EOS」シリーズとして初めてGPS機能を内蔵したことだ。カメラ上部のアクセサリーシュー付近にGPSユニットが内蔵されており、画像のEixfに位置情報を付与することができる。さらに、移動したルートを記録できるロガー機能にも対応。記録したGPS情報は、付属ソフトウエア「MAP Utility」上に表示できるほか、「Google Earth」などの地図ソフトと連動して、移動経路や撮影ポイント、撮影画像などを表示することもできる。

これまで外付けのGPSレシーバーは用意されていたが、「EOS 6D」は、「EOS」シリーズでは初めてGPS機能を内蔵する。位置情報の更新間隔は1秒毎〜5分毎まで細かく設定することが可能だ

ロガー機能にも対応する

さらに、こちらも「EOS」シリーズ初となるのだが、「EOS 6D」は、本体に無線LAN機能(IEEE802.11b/g/n)を内蔵。専用のスマートフォン用アプリ「EOS Remote」(iOS:Ver.5.0以上、Android:携帯型はVer.2.3以上。2012年12月上旬公開予定)を使えば、スマートフォンから「EOS 6D」内の画像の閲覧、削除、レーティング変更などの操作ができるほか、撮影写真をスマートフォンに転送することも可能となっている(※スマートフォンに転送できるのはJPEG画像のみで動画は不可。画像サイズは自動的に「S2」(1920×1280)に縮小される。RAW画像を転送する場合も、「S2」サイズのJPEG画像に変換して転送される)。さらに、「EOS Remote」では、「EOS 6D」の遠隔操作にも対応。スマートフォンの画面でカメラのライブビュー映像を見ながら、絞り値やシャッター速度、感度を変えながら撮影することができる(動画のオン・オフは不可)。

このほか、「EOS 6D」の無線LAN機能は、キヤノン製の無線LAN機能内蔵カメラへの画像転送に対応(※同社製ビデオカメラへには接続不可)。パソコン用のユーティリティソフト「EOS Utility」からのリモート操作や、Wi-Fi対応プリンターへのダイレクトプリント、DLNA対応メディアプレーヤーからの画像の閲覧、キヤノンユーザー専用サイト[CANON iMAGE GATEWAY]への画像アップロードといったことも可能となっている。

「EOS 6D」は、「EOS」シリーズでは初となるW-Fi機能内蔵モデル

無線LAN機能を使って「カメラ間で画像を送受信」「スマートフォンと通信」「EOS Utilityでリモート操作」などが可能

GPS機能と無線LAN機能の状況は、背面の液晶モニターと、上部のサブ液晶で確認できる

「EOS 6D」の撮影機能では、「EOS」シリーズのフルサイズ機として初めてシーンモードの利用に対応するのが面白い。「スペシャルシーン(SCN)モード」において、「ポートレート」「風景」「クローズアップ」「スポーツ」「夜景ポートレート」「手持ち夜景」「HDR逆光補正」の7種類のモードを選択・利用することができる。

また、静止画撮影では、「EOS 5D Mark III」と同様、露出の異なる3枚を連続撮影・合成し、階調性すぐれた写真を生成する「HDRモード」と、2〜9枚の画像を合成する「多重露出撮影」に対応。ただし、「EOS 5D Mark III」とは異なり、「HDRモード」では、露出設定(自動、±1、±2、±3)は可能だが、仕上がり効果の選択には非対応となっている。また、「EOS 6D」の「多重露出撮影」は、「加算」「平均加算」の多重露出制御を選択できるが、「EOS 5D Mark III」のように「比較(明)」「比較(暗)」は選択できない。「機能・制御優先」「連続撮影優先」の選択も不可となっている。

簡単撮影ゾーンに、「シーンインテリジェントオート」と「クリエイティブオート」のほか「スペシャルシーン(SCN)モード」を装備

「スペシャルシーン(SCN)モード」では、エントリーモデル「EOS Kiss X6i」で初めて搭載された、手ブレしにくいシャッター速度で4枚を連続撮影・合成する「手持ち夜景」と、露出アンダー、標準、露出オーバーの3枚を連続撮影・合成する「HDR逆光補正」も利用できる

「HDRモード」では、「自動」「±1」「±2」「±3」の露出設定が可能

「多重露出撮影」は、「加算」「平均加算」の多重露出制御が選べる

このほか、動画撮影は、1080/30p、24p対応のフルハイビジョン記録に対応。ISO100〜12800の感度での撮影に対応しており、光量の少ない室内や夜の屋外シーンでもノイズを抑えた動画の記録が可能だ。また、H.264(MOV)の圧縮方式として、より高画質に記録できる「ALL-I」と、高圧縮な「IPB」を選択することもできる。

1920×1080/30p、1920×1080/24pのフルハイビジョン動画の撮影が可能


「EOS」シリーズ伝統の仕上がり設定「ピクチャースタイル」に対応

明るさ・コントラストを自動補正する「オートライティングオプティマイザ」、白トビを抑える「高輝度側・階調優先」を搭載

「レンズ光学補正」に対応

3:2のほか4:3、16:9、1:1のアスペクト比を選択できる

水平方向の傾きを確認できる電子水準器を装備。ライブビュー撮影時はスルー画で表示できる。また、カスタムファンクションで、絞り込みボタンに機能を割り当てることで、ファインダー内の水準器表示も可能になる(※絞り込みボタンを押すと、ファインダー内の露出レベル表示が水準器表示となる)

カメラ内RAW現像機能も備えている

バッテリーパックは、「EOS 60D」と同じ「LP-E6」を採用している

撮影・記事:価格.comマガジン編集部 mkr

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