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フラッグシップ「D4」の性能・機能を継承した、3630万画素センサー採用モデル 

ニコン新フルサイズ「D800」「D800E」は“3倍”の進化を遂げた!?

かねてよりウワサされていた高画素センサーを採用のニコン「D800」「D800E」

ニコンは2012年2月7日、プロフェッショナルユーザーやハイアマチュア向けのフルサイズ対応デジタル一眼レフの新型モデル「D800」「D800E」を発表。「D800」は3月22日発売で市場想定価格が30万円前後、「D800E」は4月12日発売で市場想定価格が35万円前後。姉妹機となるこの2モデルは、何と、従来のデジタル一眼レフにはなかった、有効3630万画素という超高画素センサーを採用している。従来モデル「D700」の有効画素数(1210万画素)と比べると、ちょうど“3倍”となる数字だ。


さらに、1月に発表されたばかりの新しいフラッグシップモデル「D4」の性能・機能の多くの部分を取り入れているのもポイントで、かなりインパクトのある製品となっている。デジカメ製品全体を見ても、今のところ2012年で一番の“衝撃”といってもいいだろう。ここでは、同社が開催した新製品発表会の様子を交えながら、「D800」「D800E」の特徴を紹介しよう。

ニコン「D800」「D800E」のボディサイズは約146(幅)×123(高さ)×81.5(奥行)mmで、重量は約1000g(付属バッテリー、SDカード含む)。マグネシウム合金ボディを採用し、従来モデル「D700」とほぼ同等の堅牢性を保ちながらも約10%の軽量化を達成している。また、ボディにはシーリングが施されており、防塵・防滴性も確保。デザイン的には、筋肉質な印象の「D700」と比べると、少しゆるやかなボディラインとなっているようだ。また、グリップの形状が少し深くなっている。新製品発表会でデモ機を持ってみたが、ニコンのデジイチらしくかなりホールドしやすかった

現時点で世界最高となる有効3630万画素の超高画素センサーを採用

「D800」「D800E」の最大の見どころとなるのが、撮像素子に、有効3630万画素という超高画素を達成した、新開発のフルサイズCMOSセンサー(FXフォーマット:35.9×24.0mm)を採用したこと。この有効3630万画素という画素数は、旧フラッグシップモデル「D3X」の有効2450画素を超えるだけでなく、 2月7日の発表時点では、35mmフルサイズセンサー搭載のレンズ交換式デジタル一眼レフとして世界最高の画素数となっている。

興味深いのは、「D800」「D800E」のコンセプトが、2008年発売の従来モデル「D700」とは真逆になっていること。「D700」は、画素数を有効1210万画素におさえることで「高感度時の低ノイズ」を実現したのが最大の特徴であったが、「D800」「D800E」では、その“3倍”となる画素数を達成し、「高解像度、高精細な描写力」のほうにシフトしているのだ。このシフトチェンジは、いい意味で、常に「新しい価値」を提供し、ユーザーを驚かせてきたニコンらしいところである。また、ライバルメーカーに先駆けて高画素センサーを採用したのも重要なポイント。今後登場するであろう、キヤノン、ソニーのハイアマチュア向けの新型フルサイズ機がどういったカメラになるかはわからないが、少なくとも「有効3630万画素」というスペックはインパクトが強く、現段階では大きなアドバンテージになっている。

有効3630万画素という、今までにはない高画素センサーを採用

これほどまでの高画素となると、「D800」「D800E」が、高精細で緻密な描写力を実現していることは間違いないだろう。ただ、高画素化を果たした「D800」「D800E」の画質については2点気になるところもある。それは、「高感度」と「交換レンズ」だ。ここまで画素数が増えると、トレードオフでセンサーの画素ピッチが狭くなり、どうしても高感度時の画質に影響が出てしまうはずだ。このあたりは、新しい画像処理エンジン「EXPEED 3」によってある程度は解消されているとは思うが、「D700」のように「極端に高感度ノイズが少ない機種」というわけではないだろう。要は、高感度時に解像感とノイズのバランスがどこまで追求できているかが重要なところで、実際の画質については、今後、実機レビューでくわしくレポートしていきたい。また、有効3630万画素という画素数は、使用するレンズに相応のスペックが求められるのも見逃せないポイント。ある程度スペックの高いレンズでないと、センサーのスペックをフルに生かしきれないのではないだろうか。この点についても、実機レビューで検証していければと思う。

新製品発表会の会場には、「D800」「D800E」で撮影した写真を大きく引き伸ばして印刷したサンプルが多数並んでいた。これらを見た限りでは、写真としての解像感は、今までのデジタル一眼レフにはない高レベルで、中判のデジタルバックに匹敵するほどだと感じた

また、撮像素子関連では、「D800」と「D800E」の違いについても注目してほしい。この2機種の違いは、撮像素子の前に設置されるローパスフィルター(偽色やモアレを抑制するフィルター)の違いのみとなっており、「D800」は、一般的なローパスフィルターの効果が働くようになっているが、「D800E」は、ローパスフィルターの効果がオフになっている。これにより、「D800E」は、「D800」よりも解像感の高い画質が得られるようになっている。ただし、「D800E」は、ローパスフィルターの効果がないため、「D800」と比べて偽色やモアレが発生しやすくなる点には注意。なお、ローパスフィルターのIRコーディングや反射防止コーティングの機能は「D800E」にも共通で搭載されている。

感度は常用でISO100〜6400に対応。拡張でISO50とISO12800〜25600を選択できる

「D800E」は、「D800」からローパスフィルターの働きをオフにした仕様の製品。その他のスペックは、筐体デザインを含めて「D800」と同じだ

フラッグシップモデル「D4」から多くの性能・機能を継承

「D800」「D800E」は、撮像素子以外の部分でも見どころの多い製品だ。というのも本機は、2012年1月に発表された、ニコン製デジタル一眼レフのフラッグシップモデル「D4」から多くの性能・機能を継承しているからだ。以下に、その主な性能・機能を紹介しよう。なお、「D4」は、有効1620万画素CMOSセンサーを採用しており、高画素に特化した「D800」「D800E」とは異なり、高感度画質と連写性能を重視したモデルとなっている。

「D4」から継承した主な性能・機能
・画像処理エンジン「EXPEED 3」
・91KピクセルRGBセンサー
・アドバンストシーン認識システム
・3D-RGBマルチパターン測光III
・51点AFシステム(中央部11点がF8対応)
・起動時間約0.12秒、レリーズタイムラグ約0.042秒
・4種類の静止画撮像範囲
・3.2型液晶モニター(約92万ドット)

上記以外にも「D4」から継承する性能・機能はあるが、「D800」「D800E」は、画像処理エンジン、シーン認識システム、測光システム、オートフォーカスシステムなどカメラの基幹となる部分の多くが「D4」と同じ仕様になっているのがすごいところ。「D4」と比べるとボディやシャッターの耐久性で差があるものの、「D800/D800Eは、D4のセンサーを高画素化し、より小型・軽量なボディに仕上げた」と評してもいい内容だ。

新製品発表会でニコンから紹介のあった「D4」との性能・機能比較表。多くの部分で「D4」と同じものを搭載しているのがわかる(※表では起動時間、レリーズタイムラグが「D4」と異なるようになっているが実際は同じ)

「D800」「D800E」は、91KピクセルRGBセンサーを装備しており、高精細な「アドバンストシーン認識システム」に対応。光学ファインダーでも顔認識が可能となっている(※ファインダー内の表示で顔認識の制御は確認できない)

低照度時の被写体捕捉・合焦性能が向上した「アドバンストマルチCAM3500FXオートフォーカスセンサーモジュール」を採用。51点(クロス15点)のオートフォーカスポイントに対応し、11点(中央部5点+中段左右各3点)はF8に対応する

光学ファインダーは視野率100%(倍率約0.7倍)

強化ガラス採用の3.2型液晶モニター(約92万ドット)を装備

進化したフルハイビジョン動画撮影機能を搭載

さらに、「D800」「D800E」は、動画撮影機能についても、「D4」とほぼ同等の機能性を実現している。現段階でニコンが持っている技術がほぼすべて投入されており、フルサイズ対応の交換レンズを用いて本格的なムービー撮影が可能だ。なお、従来モデル「D700」では、動画撮影機能そのものが搭載されていなかった。

「D800」「D800E」の動画撮影機能は、1920×1080/30pのフルハイビジョン記録に対応(ファイル形式:MOV、圧縮方式:H.264/MPEG-4 AVC記録形式)。1920×1080のドットバイドットでのクロップ撮影には対応しないものの、FXフォーマット(フルサイズ)だけでなくDXフォーマット(APS-C)の撮像範囲でも動画記録が可能になっており、「ボケ味重視の場合はFXフォーマットで、被写体をより大きく写したい場合はDXフォーマットで」といったように、用途に応じて使い分けることができる。微速度撮影機能の利用も可能だ。また、音声面では、外部マイク端子を備えており、別売りのステレオマイク(ME-1)を使用することができる。

さらに、「D800」「D800E」は、ボディにHDMI出力を備えており、動画やライブビュー映像を搭載する液晶モニターと、外部モニターに同時表示することが可能。ライブビューをHDMI経由で外部レコーダーに非圧縮のまま直接記録するプロ向けの機能も備えている。

1920×1080/30pのフルハイビジョン記録に対応

動画撮影時にもFXフォーマットとDXフォーマットを切り替えて使用できる

音声面では、マイク感度の設定が可能なほか、音声レベルのインジケーター表示にも対応している

シャッターボタンの近くに動画撮影ボタンを設置しており、静止画撮影と動画撮影をスムーズに切り替えて使用することが可能

ラインアップの中での「D4」と「D800」「D800E」の位置付け。「D4」は、高感度・高速連写撮影モデルで、「D800」「D800E」は高解像度モデルとなっている

従来モデル「D700」と比べると…

以上、「D800」「D800E」の基本的な特徴を紹介した。測光システム、オートフォーカスシステムなどをフラッグシップモデル「D4」から継承したうえで、有効3630万画素の高画素センサーを採用しており、スペック面では、従来モデル「D700」から飛躍的な進化を遂げている。ベストセラーモデルとなった「D700」発売から約3年半の時間が経過して登場した「D800」「D800E」は、「その時間から期待した以上に進化している」という印象。撮像素子の画素数が従来比で“3倍”になっているが、カメラ全体をチェックしてみても、それに匹敵する進化度を実現しているのではないだろうか。

ただ、「D700」と比べると1点だけ、ややスペックダウンしている項目があることはおさえておきたい。それは連写性能だ。「D700」は、通常で最大約5枚/秒、マルチパワーバッテリーパック「MB-D10」使用時で最大約8枚/秒の連写が可能であったが、「D800」「D800E」では、通常で最大約4枚/秒(DXフォーマットなら約5枚/秒)、マルチパワーバッテリーパック「MB-D12」使用時で最大4枚/秒(DXフォーマットなら約6枚/秒)に抑えられている。ただ、これは、高画素センサーの採用により、高速性よりも画質(解像感)を重視した結果であり、いたし方のないところであろう。

「D800」「D800E」は、CFカードのSDメモリーカードのダブルスロット仕様

別売オプションとしてマルチパワーバッテリーパック「MB-D12」が用意される


今回の新製品発表会では、人気モデル「COOLPIX P300」の後継機「COOLPIX P310」や、光学18倍ズームスリム機「COOLPIX S9300」などの新型コンパクトデジカメもお目見えした

取材・記事 価格comマガジン mkr

今回の新製品発表会で「D800」「D800E」に触った感想は、「これ欲しい!」の一言に尽きます。どちらかというと、ローパスフィルターが無効になっている「D800E」が気になります。ただ、「D800E」は、発売当初は生産台数が1千台と少なめに設定されているので、早く予約しないと発売日には手に入らない可能性もあります。

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