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1406万画素「X3ダイレクトイメージセンサー」採用コンデジの最終形!? 

シグマ「DP1s」ユーザーが「DP2x」を買って使ってみた

愚問かもしれないが、シグマの「DP」シリーズというコンパクトデジカメをご存知だろうか? 価格.comのカメラカテゴリをよく利用されているユーザーであれば、「知らない」という方のほうが少ないことだろう。そう、「DP」シリーズは、RGBの3層構造からなる「X3ダイレクトイメージセンサー」を採用する、カメラ通にはおなじみのややマニアックな高画質コンデジだ。今回、この「DP」シリーズの広角レンズ搭載モデル(の旧モデル)「DP1s」を所有する筆者(mkr)が、2011年5月に登場した標準レンズ搭載モデル(の現行モデル)「DP2x」を実際に買ってみたので、「DP1s」と比べての進化点などをレビューしたい。

左が今回購入した「DP2x」で、右が以前より所有している「DP1s」。「DP2x」のボディサイズは113.3(幅)×59.5(高さ)×56.1(奥行)mmで、重量は260g(付属バッテリー、SDカード除く)、いっぽうの「DP1s」のボディサイズは113.3(幅)× 59.5(高さ)×50.3(奥行)mm で、重量は250g(電池、カード除く)。撮影時のボディサイズはほぼ同じだが、搭載する単焦点レンズのスペックが異なっている。「DP2x」は41mm相当(35mm判換算)で、「DP1s」は28mm相当(35mm判換算)となっている

「DP」シリーズの歴史と特徴をおさらい

まずは、シグマのコンパクトデジカメ「DP」シリーズの歴史について簡単におさらいしておこう。「DP」シリーズは、35mm判換算で焦点距離28mm相当の単焦点レンズ(開放F4)を搭載するモデル「DP1」が2008年3月に登場。続いて、焦点距離41mm相当の単焦点レンズ(開放F2.8)を搭載する「DP2」が2009年4月にリリースされた。その後、この2製品の基本スペックをベースにして、画像処理エンジンや機能性、操作性を向上したバージョンアップモデルが追加されている。具体的には、末尾がsの「DP1s」(2009年10月発売)と「DP2x」(2010年3月発売)がリリースされ、その後、末尾がxの「DP1x」(2010年9月発売)と「DP2x」(2011年5月発売)が登場。足かけ4年にわたって続く製品群となっているが、面白いのは、「DP1」シリーズ、「DP2」シリーズともに、基本的に、レンズと撮像素子は最初に搭載されたスペックを継承していること。同社がこのコンデジに絶対の自信を持っていることの裏づけでもあるが、進化の速いデジタルカメラ製品としては異例の製品シリーズとなっている。

これは、ユーザーにとっては、いい意味で“変わらない”と表現したほうがいいだろう。というのも、後継モデルが登場するにしたがって、歩留まりがよくなっているのか、実売価格がどんどん下がっているのである。初代モデル「DP1」は、発売直後の店頭価格が10万円近くしていたが、後継モデル「DP1s」では5万円台になったほどだ。実際、筆者も、「DP1s」を購入したのは「DP1x」が発表になった直後で、価格.comにおいて4万円程度の価格で手に入れることができた。

今回購入した「DP2x」も、同じように、「安く購入できるようになった」というのが大きい。先に手に入れた「DP1s」は、広角28mm相当の単焦点モデルであるが、「DP2x」は41mm相当で開放F2.8という、標準域の明るいレンズとなっているのが魅力。「DP1s」の画質のよさが非常に気に入ったため、「DP2シリーズも手に入れたい」と考えていたところ、2011年2月に「DP2x」が発表(発売は5月)。しばらくの間、価格をチェックする日々が続き、秋くらいから3万円台(2012年2月6日現在の価格.com最安価格)で価格が安定したため、年末に「我慢できずに購入してしまった」という流れだ。この価格は、後述するが、APS-Cセンサーの大きさに近い撮像素子を搭載しているコンデジとしてはかなりコストパフォーマンスが高いといえるだろう。なお、余談になるが、2011年6月に登場した、シグマの新型デジタル一眼レフ「SD1」は、製品発表時にアナウンスのあった市場想定価格70万円前後という価格を理由に購入をあきらめている。

「DP2x」は、「DP」シリーズの最新モデルで、同シリーズのシンプルなボディデザインを継承。35mm判換算で焦点距離41mm相当の単焦点レンズ(開放F2.8)を搭載する。最短撮影距離は28cm

続いて、「DP」シリーズのスペック面での特徴を紹介しよう。最大の特徴は、何といっても、独自の撮像素子を採用していることに尽きる。唯一のストロングポイントと言っても言い過ぎではないくらいで、そのくらい、他のデジタルカメラにはないユニークな撮像素子となっているのである。「DP」シリーズは、「DP1」シリーズと「DP2」シリーズでレンズが異なるのは先述のとおりだが、撮像素子については、登場した6モデルとも一貫して、デジタル一眼レフのAPS-Cセンサーの大きさに近い20.7 ×13.8 mmサイズ(35mm判換算で約1.7倍の画角)の「X3ダイレクトイメージセンサー」を採用している。この撮像素子は、現在では、シグマ製デジタルカメラのみが搭載するセンサーで、一般的なデジタルカメラが採用するものとはまったく異なる構造となっているのである。

「DP」シリーズは、20.7 ×13.8 mmサイズの「X3ダイレクトイメージセンサー」を採用

ここで、あらためて、一般的なデジタルカメラの撮像素子と、「X3ダイレクトイメージセンサー」の違いについて解説しておこう。

一般的なデジタルカメラが採用する撮像素子は、知らない方は意外に思うかもしれないが、撮像素子そのものでは色情報を取り込めないモノクロームセンサーとなっている。素子の表面にRGBのカラーフィルターを配置することで色情報を記録する仕組みになっているのだが、構造上は1ピクセルで1色しか取り込むことができない。そのため、画像処理エンジンで、隣接するピクセルの色情報を基に補間処理を行うことによって、各ピクセルの色を決めている(復元している)のである。問題は、RGBのフィルターが規則的に配置された構造(ベイヤー式フィルター)であるがゆえに、高周波成分(ある一定以上の細かいもの)を撮影すると、補間処理の際に、本来とは異なる「偽色」(カラーモアレ)が発生してしまうこと。この偽色を防ぐために、ベイヤー式フィルターの撮像素子を採用する一般的なデジタルカメラでは、レンズとセンサーの間に、高周波成分を除去する「ローパスフィルター」が配置されているのである。ただ、ローパスフィルターは、素子が受け取る光を少なからず遮断してしまうため、写真の解像度を落としてしまう原因にもなっている。最新のデジタルカメラでは、これを回避するために、カラーフィルターの配列を見直すことで、ローパスフィルターを省略する機種(富士フイルム「FUJIFILM X-Pro1」)も出てきている。

ただし、こういった一般的なデジタルカメラの最新モデルは、画像処理エンジンの性能が非常に高くなってきており、写真としての基本的な描写力で大きな問題は発生しないようになっている。それどころか、高精度な画質調整機能によって、メリハリのあるキレイな写真を撮影できるようになっているほど。「携帯電話やスマートフォンよりもキレイな写真を残しておきたい」という写真撮影の一般的なニーズに対しては、最新モデルであればどの機種も、まったく問題ないレベルに達しているといってもいいだろう。ただ、画像処理の過程において、補間処理で色を復元しているため、「厳密に言えば本来の色描写とは異なる(かもしれない)」「ローパスフィルターを設置しているため解像感が落ちる」ことは、変わりのない事実。と聞くと「何だかもやもやとした気持ちになってしまう」と感じる方もいるのではないだろうか。

その“もやもや”に対する答えのひとつになるのが、「DP」シリーズの「X3ダイレクトイメージセンサー」だ。この撮像素子は、センサーそのものもがRGBの3層構造になっているのが特徴で、1ピクセルで3色の色情報を取り込むことが可能。つまり、ベイヤー式フィルターの撮像素子のように、色の補間処理を行う必要がないのである。さらに、色補間が必要ないため、ローパスフィルターが不要なのも見逃せないポイント。一般的なベイヤー式フィルターの撮像素子とは異なり、色と光の情報を得るために、じゃまなものがない構造になっているのである。結果、クリアで解像感の高い画質を得ることができるというわけだ。「DP」シリーズのユーザーであればわかると思うが、少なくとも、「X3ダイレクトイメージセンサーでは、一般的なデジタルカメラとは異なる画質が得られる」のは間違いのないところだ。

一般的なベイヤー式フィルターの撮像素子と、「X3ダイレクトイメージセンサー」の比較イメージ。「X3ダイレクトイメージセンサー」では、フィルターシリコンの異なる深さに、RGBの3つの層を配置している。センサー表面に近いほうから順に、B(青)、G(緑)、R(赤)となっている。なお、「X3ダイレクトイメージセンサー」は、米Foveon (フォビオン)社が開発した撮像素子である(※同社は2008年にシグマの完全子会社となっている)

「DP2x」はオートフォーカスが大幅に改善された

では、「DP2x」の使用レビューに移ろう。「DP2x」を使用してみて、期待した以上の出来栄えと感じたのが操作性とレスポンスだ。特に、オートフォーカスについては大幅に進化していることを実感した(おそらく、これは「DP1」シリーズの最新モデル「DP1x」でも同じことであろう)。

「DP」シリーズは、デジカメにくわしい方であれば、「操作性とレスポンスがイマイチ」と評されているのはご存知であろう。実際、「DP1s」を使用してきた筆者から見ても、これは事実で、最新のデジタルカメラと比べてしまうと、操作性とレスポンスについては「1世代か2世代は古い」と感じてしまうこともある。比較すると、オートフォーカスは遅いし、撮影後の画像データの書き込み時間は長いし、液晶モニターは見にくいしで、あまりいいところが見当たらない。じっくりと撮影する分には問題ないが、「撮りたいと思った被写体をすぐに撮る」には向いていないカメラだと感じていた。特に、オートフォーカスについては、最新の高速タイプのコンデジと比べると雲泥の差。速度が遅いだけでなく、合焦精度も高くはないため、あまり信頼していないところがあった。ただ、「DP1s」は、フルマニュアル撮影が可能なほか、基本的な撮影設定はひととおり行えるようになっているので、パンフォーカスで撮影する際などは、絞り値と撮影距離でピントのアタリを付けてマニュアルフォーカス撮影を行い、オートフォーカスは極力選択しないように割り切って使用してきた。

そういった背景があったうえで、「DP2x」を使ってみると、オートフォーカスの進化が非常に心強く感じた。想像していた以上にすばやく合焦してくれるのである。これは、「DP2x」で、オートフォーカスのアルゴリズムの最適化が図られているため。この言葉に偽りはなく、オートフォーカスは確実に進化を遂げている。さすがに、「最新のコンデジ並み」とまではいかないし、暗い被写体などではうまく合焦しないこともあるが、撮影時に大きなストレスを感じないレベルに近くなっている。このレベルであれば、オートフォーカスの利用を前提に撮影を楽しむことができるはずだ。

さらに、「DP2x」のオートフォーカスは、ファームウェアバージョンアップにより、画面中央でフォーカス位置を自由に移動できる「自由移動モード」を搭載したのもうれしい。フォーカスポイントのフレームの大きさを小さくできる「ピンポイントフォーカスフレーム」にも対応しており、より多彩なオートフォーカス撮影が可能となっている。

「DP2」シリーズは、撮影モードとして、プログラムAE、シャッター優先AE、絞り優先AE、マニュアルAEを搭載。動画モードとボイスレコードモードのほか、カメラの各種設定を行うセットアップモードも利用できる

「DP」シリーズは、MFダイヤルを搭載しており、マニュアルフォーカスでの撮影に対応。「DP1s」ではこれを多用して撮影していた

左が「DP2x」のボディ背面で、右が「DP1s」のボディ背面。「DP2x」では、露出補正ボタンがなくなり、シグマ製デジタルカメラではおなじみとなった「QS(クイックセット)メニュー」(十字ボタンに機能を割り振ったメニュー)用のボタンが新設されている。各ボタンに割り振られた機能が「DP1s」とは異なっているため、使い始めは少しとまどったが、操作体系が大きく変わっているわけではないのですぐに慣れることができた

「QS(クイックセット)メニュー」は、背面の十字ボタンの上下左右に割り振られた機能を、そのボタンを押していくことで設定をすばやく切り替えられるメニュー。メニュー1(感度、測光モード、ホワイトバランス、フラッシュモード)と、メニュー2(画像サイズ、ドライブモード、カラーモード、画質)が用意されている

「DP2x」は、従来モデルと同様、9点のオートフォーカスポイントに対応(マルチポイントAFには非対応)。1点のポイントを指定して撮影するスタイルは変わらないが、「DP2x」は、「DP1s」と比較して格段にオートフォーカスが速くなった。また、フレームの大きさを小さくして、より小さい被写体にピントを合わせられる「ピンポイントフォーカスフレーム」の利用も可能になった

画面中央で、オートフォーカスのポイント位置を自由に設定できる「自由移動モード」を搭載。背面のディスプレイボタンで通常モードと切り替えられる。「自由移動モード」は、「ピンポイントフォーカスフレーム」にも対応する

また、「DP2x」の操作性では、新たに搭載された「キャプチャー優先モード」が便利だ。このモードは、これまでの「DP」シリーズの大きな問題であった「撮影後の画像処理・データ書き込み時間の長さ」を解消するための機能である。「DP」シリーズの画像処理・データ書き込み時間は、他のデジタルカメラと比べるとかなり長い。「DP1s」では、1枚を撮影したに次の撮影が行えるようになるには5秒程度は待たされる(※Class10のSDHCカードを使用)。この間は、シャッターを切ることはできないし、撮影設定を変えることもできないので、次々に撮影を行いたい場合はストレスとなるのは間違いない。「DP2x」では、画像処理エンジンに、「DP1s」の「TRUE」よりも高性能な「TRUE II」を搭載していることもあって、もう少し処理が速くなっているが、それでも3秒程度は待たなければならない。

「DP2x」が搭載する「キャプチャー優先モード」は、画像処理を後回しにして、カメラのバッファがいっぱいになるまでレリーズを優先するモード。RAW撮影では3枚まで、JPEG撮影では4枚まで連続で撮影することができる。また、バッファがいっぱいにならなくても、タイマー設定した時間が経過すると画像処理が自動的にスタートするのもユニークなところだ。タイマーは、「5秒」「10秒」「30秒」「60秒」の4種類から設定できる。さらに、「キャプチャー優先モード」で撮影中に操作(シャッターボタンを半押ししたり、メニューボタンを押したりなど)を行うとタイマーのカウントがリセットされるほか、再生ボタンを押すと画像処理がすぐにスタートするようになっているなど、細かいところの使い勝手にも凝っており、利便性はかなり高いといえる。

「キャプチャー優先モード」は、ドライブモードの1モードとして用意されている(「QSメニュー」のドライブモードでも設定可能)。タイマー設定は、「5秒」「10秒」「30秒」「60秒」の4種類。なお、「キャプチャー優先モード」利用時は、マイセッティングの呼び出し・保存は不可となる。

「キャプチャー優先モード」利用時の画面。画面右下にタイマーがカウントされるほか、残りの撮影可能枚数が表示される

解像感にすぐれ、自然で立体感のある描写を継承

最後に、「DP2x」の画質についてレポートしたい。

以下、「DP2x」で撮影したサンプル作例として、JPEG形式(画質:FINE)で撮影したもののほか、RAW形式で撮影を行い、付属のRAW現像ソフト「SIGMA Photo Pro」を使って撮影設定はそのままでストレート現像を行ったもの、「SIGMA Photo Pro」でカラーモードだけを変更してRAW現像を行ったものを掲載する。

※サムネイル画像をクリックするとリサイズを行なっていない写真が別ウィンドウで開きます。

ISO200、絞り優先AE、F3.5、1/50秒、EV0.0、ホワイトバランス:オート、評価測光、カラーモード:スタンダード、JPEG撮影

ISO200、絞り優先AE、F4.5、1/50秒、EV+0.7、ホワイトバランス:オート、評価測光、カラーモード:スタンダード、JPEG撮影

ISO100、絞り優先AE、F5.6、1/50秒、EV+0.3、ホワイトバランス:オート、評価測光、カラーモード:スタンダード、JPEG撮影

ISO100、絞り優先AE、F5.6、1/50秒、EV+0.3、ホワイトバランス:オート、評価測光、カラーモード:スタンダード、JPEG撮影

ISO100、絞り優先AE、F8.0、1/160秒、EV-0.3、ホワイトバランス:オート、評価測光、カラーモード:スタンダード、JPEG撮影

ISO100、絞り優先AE、F2.8、1/320秒、EV-0.7、ホワイトバランス:オート、評価測光、カラーモード:スタンダード、JPEG撮影

ISO100、絞り優先AE、F8.0、1/40秒、EV+0.3、ホワイトバランス:オート、評価測光、カラーモード:白黒、JPEG撮影

ISO100、絞り優先AE、F5.6、1/400秒、EV-0.3、ホワイトバランス:オート、評価測光、カラーモード:スタンダード、SIGMA Photo Proでストレート現像

ISO100、絞り優先AE、F5.6、1/125秒、EV-0.3、ホワイトバランス:オート、評価測光、カラーモード:スタンダード、SIGMA Photo Proでストレート現像

ISO100、絞り優先AE、F4.0、1/60秒、EV+0.7、ホワイトバランス:オート、評価測光、SIGMA Photo Proでカラーモードをスタンダードからビビッドに変更して現像

ISO100、絞り優先AE、F4.0、1/30秒、EV0.0、ホワイトバランス:オート、評価測光、カラーモード:スタンダード、SIGMA Photo Proでストレート現像

ISO200、絞り優先AE、F2.8、1/80秒、EV0.0、ホワイトバランス:オート、評価測光、カラーモード:スタンダード、SIGMA Photo Proでストレート現像

ISO200、絞り優先AE、F4.0、1/50秒、EV+0.7、ホワイトバランス:オート、評価測光、カラーモード:スタンダード、SIGMA Photo Proでストレート現像

ISO100、絞り優先AE、F8.0、1/80秒、EV+1.0、ホワイトバランス:オート、評価測光、カラーモード:スタンダード、SIGMA Photo Proでストレート現像

ISO100、絞り優先AE、F7.1、1/80秒、EV-0.3、ホワイトバランス:オート、評価測光、カラーモード:スタンダード、SIGMA Photo Proでストレート現像

ISO100、絞り優先AE、F5.6、1/40秒、EV0.0、ホワイトバランス:オート、評価測光、カラーモード:スタンダード、SIGMA Photo Proでストレート現像

ISO100、絞り優先AE、F5.6、1/60秒、EV0.0、ホワイトバランス:オート、評価測光、カラーモード:スタンダード、SIGMA Photo Proでストレート現像

ISO100、絞り優先AE、F8.0、1/1250秒、EV-0.3、ホワイトバランス:オート、評価測光、カラーモード:スタンダード、SIGMA Photo Proでストレート現像

ISO100、絞り優先AE、F8.0、1/320秒、EV-1.3、ホワイトバランス:オート、評価測光、カラーモード:スタンダード、SIGMA Photo Proでストレート現像

ISO100、絞り優先AE、F9.0、1/50秒、EV+0.3、ホワイトバランス:オート、評価測光、カラーモード:スタンダード、SIGMA Photo Proでストレート現像

ISO200、絞り優先AE、F4.0、1/50秒、EV0.0、ホワイトバランス:オート、評価測光、SIGMA Photo Proでカラーモードをスタンダードからビビッドに変更して現像

ISO400、絞り優先AE、F3.2、1/50秒、EV0.0、ホワイトバランス:オート、評価測光、SIGMA Photo Proでカラーモードをスタンダードからビビッドに変更して現像

ISO400、絞り優先AE、F3.5、1/100秒、EV+0.3、ホワイトバランス:オート、評価測光、カラーモード:スタンダード、SIGMA Photo Proでストレート現像

ISO800、絞り優先AE、F2.8、1/40秒、EV-1.3、ホワイトバランス:オート、評価測光、カラーモード:スタンダード、SIGMA Photo Proでストレート現像

「DP2x」の画質は、従来の「DP」シリーズの画質傾向の延長線上にあり、他のデジタルカメラではなかなか得られない、3層構造「X3ダイレクトイメージセンサー」特有の描写をしっかりと継承している。「DP」シリーズでは、よく「空気感をうまく表現できる」という評価が見受けられるが、まさにその通りで、全体的に解像感が高いだけでなく、自然で立体感のある写真に仕上がっている。また、「DP」シリーズのユーザーから評価されている点として、水やガラス、金属、雲といった被写体の表現がうまい、ということがあるが、「DP2x」もこの特徴をしっかりと備えている。「DP」シリーズユーザーにとっては、「期待どおりの画質」と評することができるだろう。また、使用した限りでは、より高性能な画像処理エンジン「TRUE II」を搭載する「DP2x」は、「DP1s」と比べて、露出やオートホワイトバランスが安定している印象を受けた。さらに、搭載するレンズが異なるためか、逆光時にもフレアやゴーストが発生しにくくなっているようだ。

ただし、「DP」シリーズを使ったことのない方に知っておいてほしい注意点はいくつかある。いずれも、「DP2x」だけでなく「DP」シリーズ全モデルにいえることだ。まず、「DP」シリーズは自然な描写を目指したカメラであるため、「何でもかんでもキレイに写るわけではない」ということ。撮影結果は撮影条件にかなり左右される。特に、光が少ない状況では、「X3ダイレクトイメージセンサー」の持ち味を発揮できず、その状況なりにしか写らないこともある。さらに、色表現についても、必要以上に期待しないほうがいい。「DP」シリーズはRAW形式での撮影が前提のデジカメであるため、絵作りとして素材重視のところがあり、決して「発色が極端によい」という方向性ではないのである。撮影後に加工しても破綻しにくいようになっており、JPEG形式で撮影したものや、RAW形式で撮影したものをそのまま現像したものでは、パッと見には、色表現的にあまりインパクトのない感じに仕上がってしまうこともある(筆者はこれが気に入っているのだが)。また、カラーモアレが発生しない構造ではあるものの、輝度モアレが発生する点についても、使用上の注意として覚えておいてほしい。加えて、これも重要なことなのだが、「DP」シリーズの撮像素子は、2652×1768の3層構造になっている点にも注意。有効1406万画素のセンサーではあるが、1枚の写真データとしてみると、解像度は460万画素程度となるので、A3サイズなどの大判印刷用としては向いていない。

このほか、「DP2x」の高感度耐性についても、あまり期待しないほうがいい。「DP2x」は、高感度時の描写特性を向上させる「AFE」(アナログフロントエンド)という新機能を搭載しており、従来よりも高感度撮影時でのノイズが全体的に減っている。ただ、「DP1s」などの従来モデルと同様、ISO400を超えると、ダイナミックレンジが狭くなるうえ、縞模様のノイズが少なからず発生する点は変わらないようだ。普通のコンデジとして見れば、ISO800くらいまでは問題なく使用できるとは思うが、このデジカメの描写力を存分に楽しむには、「ISO200まで」というのが率直なところだ。

「DP2x」は、RAW+JPEGでの撮影が可能

感度は、RAW形式でISO50〜3200、JPEG形式でISO50〜800に対応。ただし、基準となる最低感度はISO100となっており、ISO50ではダイナミックレンジが狭くなる

スタンダードやビビッド、ニュートラルなど計7種類の「カラーモード」を搭載。RAW形式での撮影時は白黒とセピアは選択できなくなる

コントラスト、シャープネス、彩度を調整・設定できる「ピクチャーセッティング」に対応

レビューまとめ

以上、簡単ではあるが、「DP1s」ユーザーの目線から「DP2x」をレポートしてみた。結論をまとめると、「DP2x」は、標準域の焦点距離が好みの筆者にとって、まさに「買ってよかった」と感じる製品である。特に、「DP」シリーズの高画質はそのままに、「DP1s」と比べて格段に快適なオートフォーカス撮影が行えるようになったのが大きい。さらに、3万円台(2012年2月6日現在の価格.com最安価格)という価格で購入できたのも満足度が高いところだ。

ただし、「DP2x」は、あくまでも「DP」シリーズの製品であることに変わりはない。フルマニュアル撮影に対応しており、撮影時にできないことはあまりない半面、カメラまかせでは思うように撮影ができないカメラなのである。シーン認識や顔認識に対応したフルオートモードやシーンモードを搭載していないほか、手ブレ補正も備わっていない。オート感度は最大でISO200までとなっており、あれこれと世話をやいてくれるカメラではなく、「撮影を使い手にゆだねるカメラ」であることには変わりがないのだ。液晶モニターも、もはや時代遅れの2.5型液晶(約23万ドット)となっており、安易にオススメすることはできないのだが、以前より「DP2」シリーズを手に入れたいと考えていた「DP1」シリーズのユーザーや、「X3ダイレクトイメージセンサー」に注目していた方であれば、3万円台(2012年2月6日現在の価格.com最安価格)という価格は魅力的に映るはず。そういう方であれば、1台手に入れてみて使い倒しても面白いのではないだろうか。

なお、「DP」シリーズについては、今後どういった展開になるのかは、まだハッキリとしていない。ただ、少なくとも、有効1406万画素タイプ(解像度は約460万画素)の「X3ダイレクトイメージセンサー」を採用するモデルは、「DP1x」「DP2x」が最後になるはずだ。というのも、2011年6月に登場したシグマの新型デジタル一眼レフ「SD1」が、有効4600万画素(4800×3200×3層)の新しい「X3ダイレクトイメージセンサー」を採用しているからだ。今後、シグマが、この高画素センサーをコンパクトデジカメ製品にも展開することを強く期待したい(※追記:2012年2月8日、シグマから有効4600万画素センサーを採用する「DP1 Merrill」「DP2 Merrill」の開発が発表されました!)。

撮影・記事 価格.comマガジン編集部/mkr

新製品レポート『GXRの標準ズームユニット「RICOH LENS A16 24-85mm」が登場』の編集後記で、「インドアな特集記事企画(オーディオ関連)を進めています」とお伝えしました。とりあえず、その特集企画の検証作業は終了しまして、現在原稿をまとめている段階です。ただ、作業が思った以上に“肉体労働”になってしまい、腰を痛めてしまいました。イスに座って原稿を書くのもつらい状況です。。。

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