新製品レポート - ニューモデルの詳細情報をいち早くチェック! -

より小型になった3D撮影モデルや、“13倍”ブレない高性能モデルが登場 

空間光学手ブレ補正に注目! 2012春のハンディカム速攻レポート

ソニーは2012年1月11日、ハイビジョンビデオカメラ「ハンディカム」シリーズの2012年春モデルを発表。今回登場した新しい「ハンディカム」は、「HDR-TD20V」「HDR-PJ760V」「HDR-CX720V」「HDR-PJ590V」「HDR-CX590V」「HDR-CX270V」「HDR-PJ210」の計7機種で、オートでの視差調整が可能な「3D奥行き調整」や、従来にはなかった新構造の手ブレ補正機能「空間光学手ブレ補正」などの新技術が満載。プロジェクター機能搭載モデルも計3機種用意されており、バラエティ豊かなラインアップになっているのもポイントだ。今回は、発表同日に開催された新製品内覧会で得た情報をもとに、各機種の特徴をいち早くレポートすることで、新型「ハンディカム」の魅力に迫りたい。

小型・軽量化を果たした3D撮影対応モデル「HDR-TD20V」

3D撮影モデルの新機種「HDR-TD20V」。64GBメモリーを内蔵

「HDR-TD20V」は、3D撮影対応モデルの新機種。前機種「HDR-TD10」と同様に、「レンズ」「センサー」「画像処理エンジン」という3種類のデバイスをそれぞれ2基搭載しており、右目用・左目用のフルハイビジョン映像を別々に記録することで、高精細なフルハイビジョン3D映像を撮影できるのが特徴の製品だ。新機種は、レンズに、35mm判換算で広角29.8mm対応の光学10倍「Gレンズ」を、センサーに、総画素543万画素(有効502万画素)の1/3.91型裏面照射型CMOSセンサー“Exmor R”を採用。画像処理エンジンは「BIONZ」となっている。


新機種の進化点は大きく2点。1点目は、前機種「HDR-TD10」と比べて、ボディサイズ・重量が大幅に小さく軽くなったこと。「HDR-TD20V」のボディサイズは71.5(幅)×63.5(高さ)×130.5(奥行)mmで、重量は約460g。前機種「HDR-TD10」のボディサイズは86.5(幅)×74(高さ)×148.5(奥行)mmで、重量は約630g。「HDR-TD20V」は、薄型レンズの採用などにより、前機種から体積約34%、重量約170gの削減を実現しているのだ。新製品内覧会で「HDR-TD20V」の実機に触れてみたが、確かに、2眼レンズを搭載するボディとしては、かなりコンパクトにまとまっている。ホールドしてみても、従来モデル「HDR-TD10」のような重さは感じない。さすがに2D専用のハイビジョンビデオカメラと比べると大きめのボディではあるが、撮影していて大きなストレスを感じさせないサイズだ。


「HDR-TD20V」の2点目の進化点は、3D撮影機能が強化されたことだ。まず、最短撮影距離が前機種の80cmから30cmへと短くなったのが大きい。接写での3D撮影が可能になったのだ。さらに、カメラが自動で最適な立体感に調整する「3D奥行き調整」機能を新たに搭載したのも見逃せないトピック。前機種では、3D撮影時の視差範囲(立体感のある3D映像を撮影できる範囲)の調整は手動対応であったため、撮影のたびに調整したり、撮影者が視差範囲を考えながらカメラを前後に動かして撮影する必要があったが、新機種では、カメラが被写体を判断して視差範囲を自動で調整するようになったのだ。これは大きな進化である。


このほか、録音面も進化しており、高精度なノイズ処理を行う「アドバンストサウンドプロセッサー」を搭載。シーン認識と連動して風の音・強さ自動判別し、風ノイズを低減する「自動風ノイズ低減」と、顔検出と連動して人の声を認識し、周りのノイズを低減する「くっきり音声」という2種類の新機能を実現している。


市場推定価格は150,000円前後。

前機種「HDR-TD10」(左)と新機種「HDR-TD20V」(右)とのボディサイズを比較。「HDR-TD20V」のほうが、ふた回りほどコンパクトなボディになっている

「3D奥行き調整」のデモの様子。「HDR-TD20V」では、画面内に人物がいるときは人物の前後に、いないときは背景に視差範囲が自動で調整される

「自動風ノイズ低減」のデモの様子。新旧モデルの前にサーキュレーターを置いて、強い風が吹いている状況を再現して風切音の低減具合をテストしていた

「空間光学手ブレ補正」に注目の2Dハイエンドモデル「HDR-PJ760V」「HDR-CX720V」

左がプロジェクター機能を備える「HDR-PJ760V」。右が「HDR-CX720V」。両機種とも、新設計の「カールツァイス(バリオ・ゾナーT*)」レンズ(光学10倍)を採用。広角26mm(35mm判換算)での撮影が可能だ

「HDR-PJ760V」「HDR-CX720V」の2機種は、マニュアル操作ダイヤルやビューファインダーを備える2D撮影用のハイエンドモデル。新型「ハンディカム」のメイン機種となる製品だ。両機種の性能・機能面での大きな違いは、プロジェクター機能を搭載するかどうかということ。型番に「PJ」がつく「HDR-PJ760V」が、プロジェクター機能搭載モデルとなっている。また、「HDR-PJ760V」は96GBメモリーを、「HDR-CX720V」は64GBメモリーを内蔵する。


両機種の最大の特徴であり、今回の新型「ハンディカム」シリーズの目玉機能となるのが、世界初となる新技術「空間光学手ブレ補正」だ。この新技術の搭載により、「HDR-PJ760V」「HDR-CX720V」は、手ブレ補正機能が大幅に進化しているのだ。「空間光学手ブレ補正」のポイントは、レンズとセンサーで構成されるユニット全体を動かすことで手ブレを補正するという、まったく新しい構造を採用していること。レンズユニット内で専用レンズを動かしていた今までの光学式手ブレ補正に比べて、手ブレを打ち消すための駆動範囲が大幅に拡大しているのがポイントで、従来モデルでは広角端で「10倍」、望遠端で「2倍」だった補正能力が、新機種では、広角端・望遠端ともに「13倍」にまで向上しているほどだ。さらに、レンズとセンサーが一体化したユニットが動くため、光学的なズレが生じないのも特徴で、映像周辺部の解像度や明るさの劣化が少なく、画質をキープしたうえで手ブレを補正できるのもポイントとなっている。


新製品内覧会では、従来機種との手ブレ補正のデモが行われていたが、新機種の「空間光学手ブレ補正」の効果は絶大であった。特に望遠撮影時の手ブレが大幅に低減されるようになっており、撮影映像を見る限りでは、望遠端での撮影でも手ブレはほとんど気にならない。ライバルとなるパナソニックやキヤノンのビデオカメラと比べても、その補正効果は、同等レベルかさらに一歩上をいっているように感じた。

従来の光学式手ブレ補正と、「空間光学手ブレ補正」の比較イメージ。「空間光学手ブレ補正」のほうが、ユニットを上下左右に大きく動かすことができる

「HDR-PJ760V」をユニット別に並べたデモ。レンズとセンサーが一体化したユニットを動かす「空間光学手ブレ補正」により、約13倍の手ブレ補正能力を実現

「空間光学手ブレ補正」のデモの様子。新機種と従来機種を手持ちの台に取り付け、同時にカメラを上下に揺らしながら撮影した映像をテレビでチェックするという内容であったが、その効果の差は歴然。新機種では、望遠端でも、気になるような大きなブレは発生しなかった

ここで気になるのが、レンズとセンサーが一体化したユニット全体を動かすことでの弊害だ。まず、従来よりも手ブレ補正のために動かす部分が大きくて重いために、バッテリーが早く消耗してしまうことが予想される。ただ、別売バッテリー「NP-FV100」使用時の連続撮影時間を比較すると、新モデル「HDR-PJ760V」「HDR-CX720V」が約7時間35分、従来モデル「HDR-CX700V」が約8時間5分となっており、バッテリー性能にそれほど大きな差はないようだ。新製品内覧会で担当者にこの点を質問したところ、「空間光学手ブレ補正では、撮影時にビデオカメラ本体がブレる(動く)時の慣性をうまく利用し、ユニットが空間に浮いているように保つことで、実際のところはあまり電力を消費しない構造になっているため」との返答をもらった。

新製品内覧会では「HDR-PJ760V」のフルスケルトンモデルも用意されていた(何とボディのすべての面がスケルトン仕様!)。「空間光学手ブレ補正」でユニット全体が動く様子を確認することができた

さらに、「HDR-PJ760V」「HDR-CX720V」は、レンズも新設計となっており、「ハンディカム」シリーズ史上もっともワイドな広角26mm(35mm判換算)対応の光学10倍ズーム「カールツァイス(バリオ・ゾナーT*)」レンズを採用。総画素665万画素(有効614万画素)の1/2.88型裏面照射型CMOSセンサー“Exmor R”を採用し、最低被写体照度(スタンダード時)も11ルクスから6ルクスに性能アップしている。

また、「HDR-PJ760V」は、プロジェクター機能も進化しており、最大100インチ(投影距離5m)までの投影が可能になった。明るさも、従来モデルと比べて2倍(最大20ルーメン)にアップしている。このほかのスペックは、コントラスト比が1500:1、解像度が640×360となっており、簡易的なプロジェクター機能としては十二分のスペックとなっている。操作性も改善されており、タッチパネル操作での投影開始・停止が可能となった。

このほか、両機種ともに、高精度なノイズ処理を行う「アドバンストサウンドプロセッサー」を搭載し、「自動風ノイズ低減」と「くっきり音声」の利用が可能だ。

市場推定価格は、「HDR-PJ760V」が140,000円前後、「HDR-CX720V」が120,000円前後。

プロジェクター機能のデモの様子。100インチサイズでの投影を確認することができた。また、新型「ハンディカム」のプロジェクター機能は、液晶モニターの背部にプロジェクターユニットが搭載されているため、モニター部を回転することで、水平方向だけでなく、垂直方向への投影も可能。新製品内覧会では、天井に投影するデモも用意されていた

スタンダードモデルとエントリーモデルもチェック

最後に、その他4モデルの特徴もチェックしておこう。

スタンダードモデルとなる「HDR-PJ590V」「HDR-CX590V」の2機種は、上位機種と同様、プロジェクター機能の有無が大きな違いとなる。「HDR-PJ590V」は、最大100インチの投影が可能なプロジェクター機能を搭載(※明るさは最大13ルーメン)。両機種とも、ハイエンドモデル2機種とは異なり、注目の「空間光学手ブレ補正」は搭載しないが、着実に進化したモデルに仕上がっている。内蔵メモリー容量は両機種ともに64GB。

両機種のもっとも大きな進化点はボディサイズだ。コストパフォーマンスの高さで人気を集めた従来モデル「HDR-CX560V」のボディサイズは62(幅)×67(高さ)×126(奥行)mmで、重量は約345gであった。極端に大きくて重いビデオカメラというわけではないのだが、それでも、ソニーのユーザーアンケートでは「もっとコンパクトで軽くしてほしい」という要望が多かったようだ。その声に応える形で、新機種では、プロジェクター機能搭載の「HDR-PJ590V」が58.5(幅)×64.5(高さ)×116.5(奥行)で重量約345g、「HDR-CX590V」が54.5(幅)×64.5(高さ)×116.5(奥行)で重量約320gとなっており、ひと回り小さくて軽いボディにまとまっている。また、ズーム性能も進化しており、レンズには、35mm判換算で広角26.8mm対応の光学12倍「Gレンズ」を採用。手ブレ補正も望遠端での効果が「2倍」から「3倍」にアップしている。カラーバリエーションは、「HDR-PJ590V」がブラックのみで、「HDR-CX590V」がボルドーブラウンとシャンパンシルバーの2色。市場推定価格は、「HDR-PJ590V」が100,000円前後、「HDR-CX590V」が95,000円前後。

左の写真が「HDR-PJ590V」で、右の写真が「HDR-CX590V」。両機種ともコンパクトなボディに仕上がっている

エントリーモデルとなる「HDR-CX270V」は、「ハンディカム」シリーズとしては新機軸といえる製品だ。52.5(幅)×55(高さ)×112.5(奥行)mmで重量約205gという、フルハイビジョン対応「ハンディカム」シリーズで最小クラスとなるコンパクトボディを実現したうえ、カラーバリエーションも多く、プレミアムホワイト、サクラピンク、ボルドーブラウン、クリスタルブラックの計4色を用意。レンズ周りに色のアクセントが加えられているのもポイントだ(プレミアムホワイトはブルー、サクラピンクはオレンジ、ボルドーブラウンはピンク、クリスタルブラックはホワイト)。上位機種と同様、「自動風ノイズ低減」と「くっきり音声」に対応するほか、GPS機能もしっかりと装備している。内蔵メモリー容量は32GB。市場推定価格は65,000円前後。

小型ボディと豊富なカラーバリエーションを採用する「HDR-CX270V」。レンズ周りのアクセントカラーも特徴だ

「HDR-CX270V」と同様にエントリーモデルとなる「HDR-PJ210」は、小型・軽量ボディにプロジェクター機能を搭載したモデル。こちらも、58(幅)×56(高さ)×106.5(奥行)で重量約210gという、フルハイビジョン対応「ハンディカム」シリーズで最小クラスとなるコンパクトボディにまとまっている。プロジェクター機能は、最大100インチの投影が可能だ(※明るさは最大10ルーメン)。カラーバリエーションは、シャンパンシルバーとブラックの2色。8GBメモリーを内蔵。市場推定価格は55,000円前後。

小型・軽量ボディにプロジェクター機能を内蔵する「HDR-PJ210」


「ハンディカム」シリーズの新製品にあわせて、新しいアクセサリー類も同時に発表になっている。キャリングケースでは、ソフトキャリングケース「LCS-BBG」が面白い。ペットボトルケースのような形状で、持ち手をバッグやベビーカーなどに取り付けることが可能。バッグインバッグとしても利用できる。ピンクとブラックの2色が用意され、価格は3,255円

プロジェクター機能搭載の2モデル「HDR-PJ760V」「HDR-PJ590V」用として、ポータブルスピーカー「RDP-CA1」を別売オプションで用意。本体上部に装着することで、360度に広がるサウンドを楽しむことができる。プロジェクターで映像を楽しむ際に威力を発揮する製品だ

別売オプションでは、新しいマルチポッド「VCT-MP1」も面白い製品だ。ミニ三脚が付属する一脚で、撮影シーンにあわせて4パターンの使い方が可能なのが特徴だ。また、付属のサポートケースを使うことで、ハイアングルでの撮影を便利に行えるのもポイント。運動会などで威力を発揮するオプションではないだろうか。価格は20,790円

新型「ハンディカム」の製品ラインアップ

機種名 市場推定価格 発売日 備考
HDR-TD20V (S) [シルバー] 150,000円前後 2012年3月9日 フルハイビジョン3Dハンディカム
HDR-PJ760V [ブラック] 140,000円前後 2012年3月9日 「空間光学手ブレ補正」対応のハイエンドモデル(プロジェクター機能搭載)
HDR-CX720V [ブラック] 120,000円前後 2012年3月9日 「空間光学手ブレ補正」対応のハイエンドモデル
HDR-PJ590V [ブラック] 100,000円前後 2012年1月20日 スタンダードモデル(プロジェクター機能搭載)
HDR-CX590V (S) [シャンパンシルバー] 95,000円前後 2012年1月20日 スタンダードモデル
HDR-CX590V (T) [ボルドーブラウン] 95,000円前後 2012年1月20日 スタンダードモデル
HDR-CX270V (B) [クリスタルブラック] 65,000円前後 2012年1月20日 エントリーモデル
HDR-CX270V (P) [サクラピンク] 65,000円前後 2012年1月20日 エントリーモデル
HDR-CX270V (T) [ボルドーブラウン] 65,000円前後 2012年1月20日 エントリーモデル
HDR-CX270V (W) [プレミアムホワイト] 65,000円前後 2012年1月20日 エントリーモデル
HDR-PJ210 (B) [ブラック] 55,000円前後 2012年2月17日 プロジェクター機能を備えたエントリーモデル
HDR-PJ210 (S) [シャンパンシルバー] 55,000円前後 2012年2月17日 プロジェクター機能を備えたエントリーモデル

取材・記事:価格.comマガジン編集部 mkr



 

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