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さらなるハイスペックを実現し、久しぶりに登場したミドルレンジ機を試す 

一瞬のスピードにかけろ!ソニー「α77」で競走馬を撮影してみた

ソニー「α77」は、ミドルレンジの新型デジタル一眼カメラ。新開発の有効2430万画素CMOSセンサーや、最大約12枚/秒の高速連写、約235.9万ドット表示に対応する有機ELデバイス採用の電子ビューファインダーといった、クラスを超えたハイスペックを身にまとった注目機種だ。今回は、この「α77」で実際に撮影を行ってみたうえで、高速連写とオートフォーカス性能を中心にレビュー。あわせて、注目の画質についてもレポートする。

「α77」の特徴をチェック

2011年10月14日発売の「α77」は、ミドルレンジ向けのデジタル一眼レフ「α700」(2007年11月発売)の後継モデルとして位置付けられている。2011年11月現在では、「αシリーズ」APS-C機の最上位モデルである

まずは、「α77」のスペックの特徴を紹介しよう。


「α77」は、ソニー独自の透過ミラーシステム「Translucent Mirror Technology」(トランスルーセントミラー・テクノロジー)を採用するデジタル一眼カメラ。同じく「Translucent Mirror Technology」を採用するエントリー向けモデル「α55」「α35」(2010年9月発売)の上位モデルとしてラインアップされており、あらゆる点で「α55」「α35」のスペックを向上させたミドルレンジ機に仕上がっている。主なスペックは以下のとおり。


・新開発の有効2430万画素CMOSセンサー(APS-Cサイズ)
・新センサーに最適化された画像処理エンジン「BIONZ」
・感度ISO100〜16000(マルチショットNR時ISO25600対応)
・19点測距(11点クロス)AFシステム
・最大約12枚/秒の高速連写性能
・AVCHD Ver.2.0(Progressive)対応のフルハイビジョン動画撮影機能
・動画撮影中の位相差AFの利用が可能(ライブビューでの位相差AFに対応)
・約235.9万ドット表示に対応する有機ELデバイス採用の電子ビューファインダー「XGA OLED Tru-Finder」
・3.0型ワイドの3軸チルト液晶モニター(約92.1万ドット表示)
・オートHDRやマルチショットNRなど多彩な撮影機能
・GPS機能
・補正効果約2.5〜4.5段分のボディ内手ブレ補正
・防塵・防滴仕様のマグネシウム合金ボディ


「α77」は、スペック上は、ハイレベルな性能・機能を備えた、見どころの多い製品となっているが、なかでも大きな注目点となるのが、「最大約12枚/秒の高速連写の使い勝手」「19点測距(11点クロス)AFシステムの性能」「有機ELデバイス採用の電子ビューファインダーの見え方」「有効2430万画素CMOSセンサー(APS-Cサイズ)による画質」などである。

「α77」のボディサイズは約142.6(幅)×104(高さ)×80.9(奥行)mmで、重量は約732g(バッテリーとメモリースティックPROデュオを含む)。従来の「αシリーズ」と比べると、本体上部がやや滑らかなフォルムとなった。本体背面に多数のボタンがレイアウトされているほか、上部にサブ液晶を備えるなど、ミドルレンジ機らしく、ダイレクトな操作性を実現している

有効2430万画素という高画素なCMOSセンサーを採用

3軸チルト式の液晶モニターは、従来の横開き・縦開きタイプの可動式モニターとは異なり、モニターを本体の左もしくは下に動かすことなく、光軸上で上下・左右のどちらにも自由に可動できる。三脚撮影時にもモニターが三脚に干渉することがない

大きめのグリップを採用。グリップとレンズの間も十分なスペースが設けられており、余裕のあるホールドが可能だ

ここで、「α77」が採用する透過ミラーシステム「Translucent Mirror Technology」について簡単におさらいしておこう。「Translucent Mirror Technology」は、光学ファインダーとクイックリターンミラーを装備する一般的なデジタル一眼レフとは異なり、レンズから入った光を「反射」と「透過」に分割する固定式の「透過ミラー」を採用しているのが特徴。加えて、位相差方式のAFセンサーを、従来の一眼レフのペンタプリズム(もしくはペンタミラー)があるミラー上部に配置することで、透過ミラーの反射光は位相差AFセンサーに、透過は撮像素子にと、2つのデバイスに分けて届けることが可能となっている。この革新的な構造により、「α77」では、「最大約12枚/秒の高速連写」「動画撮影中の位相差AFの利用」(ライブビューでの位相差AFの利用)といった特徴を実現しているのである。ちなみに、高速連写、動画撮影中の位相差AFは「α55」「α33」でも実現しており、「α77」はそれらの性能が向上したモデルとなっている。

透過ミラーシステム「Translucent Mirror Technology」を採用

競走馬を流し撮りしたり、飛行機を動画で撮影してみた

では、実際に撮影してみてのインプレッションを紹介しよう。 今回、「α77」の連写性能やオートフォーカス性能、電子ビューファインダーをチェックすべく、夜間に行われた競馬のナイトレースで競走馬の流し撮りを行ってみた。夜の競馬場は、日中に比べれば暗い環境であるため、撮影条件としては厳しいところがある。ただし、トラックには十分に明かりが照らされているため、十分にオートフォーカス撮影が行うことができる状況であった。

まず、「α77」の連写性能の仕様について確認しておこう。「α77」で最大約12枚/秒という高速連写を利用するには、従来モデル「α55」と同様に、「連続撮影優先AE」という専用の撮影モードを使用する必要がある。このモードでは、他の撮影モードと同じように、シングルAF(AF-S)と、コンティニュアスAF(AF-C)の2種類のオートフォーカスモードを選択できるが、それぞれ設定できる撮影項目が異なっている。AF-Sを利用する場合は、連写開始時の1枚目にピントが固定されるものの、絞り値と感度の調整が可能。被写界深度をコントロールしての連写撮影が可能となっている。いっぽう、AF-Cの場合は、撮影している間にピントと露出を合わせ続けられるものの、絞り値は「F3.5」(F3.5よりも暗いレンズでは絞り開放)に固定される。ただし、従来モデル「α55」では、「連続撮影優先AE」でAF-C選択時は実質フルオート撮影となっていたのだが、「α77」では感度の調整が可能になったので、ある程度シャッタースピードをコントロールできるようになっている。

とはいうものの、カメラを振って被写体を追いかけるように撮影する「流し撮り」では、シャッタースピードを固定して撮影するのが基本。「連続撮影優先AE」では、シャッタースピードを固定しての撮影はできないので、流し撮りに最適な撮影モードとはいえないが、今回は、連写速度を優先し、AEロックを活用するなどして、ある程度シャッタースピードを調整しながら「連続撮影優先AE」でテスト撮影をしてみた。また、AF-Sで1コマ目に置きピンをするのではなく、AF-Cで被写体への追従性を確認しながら撮影を行ってみた。

「連続撮影優先AE」は撮影モードのひとつとして用意されている

「連続撮影優先AE」では、AF-S利用時に絞り値と感度を設定できる

AF-C利用時でも感度の設定が可能になった

「連続撮影優先AE」では、AF-S利用時に絞り値と感度を設定できる

「α77」の「連続撮影優先AE」で最初にシャッターを切った際の印象は、とにかく「連写が速い」ということ。電子先幕シャッターによる独特の小気味よいシャッター音で、軽快にレリーズされていくのがわかる。エントリーモデルの「α55」でもその連写速度(最大約10枚/秒)には驚いたが、「α77」はそれ以上のレスポンスであった。

また、肝心のオートフォーカスの性能については、11点のクロスセンサーを配置した新開発の19点AFモジュールによる精度の高さは感じたものの、超音波モーターを装備した望遠ズームレンズ「70-300mm F4.5-5.6 G SSM SAL70300G」を使用した限りでは、追従性は悪くないものの合焦速度はもう一歩といったところで、最初に被写体を捉えるまでにやや時間がかかる印象を受けた。流し撮りをしていて極端に困るようなことはなかったが、暗い場所での厳しい撮影状況であった点を差し引いても、オートフォーカス性能にすぐれる他のミドルレンジ機と比べると、差を感じるレベルであった。ただし、従来モデル「α700」やエントリーモデル「α55」と比べれば、ワンランク上のオートフォーカス性能であるのは間違いない。

新たに、ソーン別にフォーカスエリア設定できるようになったのは便利。左、中央、右の3つのゾーンでオートフォーカスエリアを制限することができる

オートフォーカスの駆動速度は「高速」「低速」から選択できる

「α77」の電子ビューファインダー「XGA OLED Tru-Finder」については、有機ELパネルの採用で、暗いシーンでも非常に明るい映像を映し出していたのが高ポイント。映像のノイズも少なく、見え方は非常にクリアであった。ただ、暗い撮影状況で連写しているとファインダーの追従性が落ちることがあり、カメラを振って動体を連写していると、被写体をうまく追えないこともあった。このあたりの使い勝手は、光学ファインダーでの撮影のほうがまだまだすぐれていると感じた次第だ。なお、「α77」では、「α55」と同様に、ミラーは駆動しないものの、連写を開始した1コマ目に、光学ファインダーのようにレリーズ時のファインダー像消失が発生する仕様となっている。

有機ELデバイスを備える電子ビューファインダー「XGA OLED Tru-Finder」は、約235.9万ドット表示に対応。非常にクリアな表示だ(※右の画像はデジタルカメラで電子ビューファインダー内を撮影したものになります)


流し撮りの作例

※サムネイル画像をクリックすると、撮影写真を800×600ドットに縮小した画像が別ウィンドウで開きます。

70-300mm F4.5-5.6 G SSM、ISO640、焦点距離300mm(35mm判換算450mm)、連続撮影優先AE、F5.6、1/50秒、EV+0.3、ホワイトバランス:オート、多分割測光、クリエイティブスタイル:スタンダード

70-300mm F4.5-5.6 G SSM、ISO640、焦点距離300mm(35mm判換算450mm)、連続撮影優先AE、F5.6、1/30秒、EV+0.3、ホワイトバランス:オート、多分割測光、クリエイティブスタイル:スタンダード

70-300mm F4.5-5.6 G SSM、ISO640、焦点距離300mm(35mm判換算450mm)、連続撮影優先AE、F5.6、1/25秒、EV+0.3、ホワイトバランス:オート、多分割測光、クリエイティブスタイル:スタンダード

70-300mm F4.5-5.6 G SSM、ISO800、焦点距離300mm(35mm判換算450mm)、連続撮影優先AE、F5.6、1/40秒、EV+0.3、ホワイトバランス:オート、多分割測光、クリエイティブスタイル:スタンダード


また今回は、流し撮りとあわせて、羽田空港近くにおいて離陸する飛行機を、「α77」を使って動画で撮影してみたので、その結果もあわせて報告しよう。

「α77」は、AVCHD Ver.2.0(Progressive)に対応しており、最高28Mbpsでの1080/60pフルハイビジョン動画記録が可能。動画撮影中に、モニターやファインダーに映像を表示しながら、位相差AFによるオートフォーカス撮影が行うことができる。デジタル一眼カメラの動画撮影機能としてはクラスナンバーワンの充実度を誇っているが、動画撮影中に、オートフォーカスを利用してのマニュアル撮影(プログラムAE、絞り優先AE、マニュアル露出AE)には対応していない(※マニュアルフォーカスに切り替えればマニュアル撮影は可能)。そこで今回は、フルオートで動画撮影を行い、位相差AFの性能をチェックしてみた。

60p記録に加えて24p記録にも対応

オートフォーカスを利用する際はマニュアルでの動画撮影が行えない

「α77」の位相差AFは、流し撮り撮影でも報告したように、追従性に比較的すぐれており、動画撮影でも上空を移動する飛行機をしっかりと追尾してくれた。計20本程度の動画撮影を行った中で、カメラが大きくブレてしまったようなときでもピントが抜けるようなことは一度もなかった。

また、「α55」では、連続撮影をしていると、カメラが熱を持って動画撮影が強制的に終了、電源が落ちることがあったが、「α77」では改善されている。動画撮影中に映像がブラックアウトすることが2回ほどあったが、おおむね、問題なく撮影することができた。


動画作例

※AVCHD形式(1920×1080/60i)で撮影した動画をWMV形式に変換したものになります。サムネイル画像をクリックするとWMV形式の動画(1280×720ドット)が再生されます。ご使用のパソコンによっては再生できない場合がありますのでご了承ください。

レンズ焦点距離200mm程度で手持ち撮影。足場の悪いところで撮影してこともあって大きな手ブレが目立つが、オートフォーカスはしっかりと追従している

※音声なし レンズ焦点距離200mm程度で手持ち撮影。ピクチャーエフェクトの「リッチトーンモノクロ」を設定している。こちらもやや手ブレが目立つ



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