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初搭載モデル「PowerShot SX40 HS」を使って従来モデルと比較 

キヤノンの新エンジン「DIGIC 5」のノイズリダクションを検証

デジタルカメラの画質は、入射する光の量やピントなどを調整する「レンズ」、レンズから入ってきた光を電気信号に変換する「撮像素子」、そして、電気信号から画像データを生成する「映像エンジン」(画像処理エンジン)の3つの要素によって左右される。高画質を実現するには、これらの3要素がバランスよくまとまっている必要があるのだが、ノイズリダクションやホワイトバランスといった画像処理を行う映像エンジンは、写真の細かい仕上がりを決定する重要な要素といえる。


さらに、映像エンジンの処理スピードによって、撮影タイムラグや連写性能などのレスポンスも変わってくる。映像エンジンは、画質だけでなく使い勝手にも影響を及ぼしており、デジタルカメラを構成するパーツの中でも非常に重要な役割をになっているのだ。デジカメの“頭脳”と言い換えることができるだろう。そのため、各メーカーは、より高性能な映像エンジンの開発に注力しているわけだが、その中でもトップクラスの評価を得ているのが、キヤノンだ。


キヤノンは、カメラメーカーとして、レンズと撮像素子だけでなく、映像エンジンについてもデジタルカメラ黎明期から自社開発を行ってきており、コンパクトデジカメ、デジタル一眼レフともに共通の映像エンジン「DIGIC」(Digital Imaging ICの略、ディジック)を採用。「DIGIC」は、2002年に第1世代が誕生して以降、高性能な映像エンジンとして、キヤノン製デジカメを代表する技術となっている。特徴は、一歩先を行く「高画質」と「高速処理」にこだわり、実現してきたこと。新しい「DIGIC」が生まれるたびに、ワンランク上の画質と処理スピードを実現してきているのだ。「DIGIC」の進化には、キヤノンファンならずとも、注目しているカメラ通の方も多いのではないだろうか。


今回取り上げるのは、「DIGIC」の最新バージョン「DIGIC 5」。2011年9月に誕生したばかりの新型エンジンで、「ノイズリダクション性能」「オートホワイトバランス」「連写性能」のさらなる進化がポイントとなっている。ここでは、キヤノン製デジタルカメラの日本国内販売モデルとして初めて「DIGIC 5」を採用する光学35倍ズームデジカメ「PowerShot SX40 HS」と、従来モデル「PowerShot SX30 IS」を使って、「DIGIC 5」のノイズリダクション性能の進化について検証を行ってみた。

「DIGIC 5」初採用モデルとなる「PowerShot SX40 HS」(2011年9月23日発売)。2011年10月13日現在においても、国内販売モデルにおいては唯一の「DIGIC 5」採用モデルとなっている。デジタル一眼レフ「EOS」シリーズでもなく、高画質コンデジ「PowerShot G/S」シリーズでもなく、高倍率ズームデジカメ「PowerShot SX」シリーズに「DIGIC 5」が初めて搭載されたのは少し意外なところ

左が新モデル「PowerShot SX40 HS」で、右が旧モデル「PowerShot SX30 IS」。「PowerShot SX40 HS」は、「PowerShot SX30 IS」から筐体デザインや、35mm判換算で広角24mmスタートの光学35倍ズームレンズといった部分は継承しつつ、撮像素子(CCDから裏面照射型CMOSに)と映像エンジン(「DIGIC 4」から「DIGIC 5」に)の仕様が変わっている

「DIGIC 5」初搭載モデル「PowerShot SX40 HS」と従来モデルの画質を比較

「DIGIC 5」は、ノイズリダクション性能が大幅に進化しているのだが、具体的には、情報量と処理スピードの向上がポイントとなっている。「DIGIC 5」初搭載モデルとなる「PowerShot SX40 HS」のノイズリダクション性能を見てみると、「DIGIC 4」採用の従来モデル「PowerShot SX30 IS」と比べて、「約4倍の情報量」と「約6倍の処理スピード」を実現しているほど。処理の情報量が増えたことで、ノイズかディテールかをより正確に判断できるようになり、処理スピードが向上したことで、高感度時はもちろんのこと、低・中感度時においてもさらなるノイズ低減を達成している。

キヤノンによると、「PowerShot SX40 HS」は、従来モデル「PowerShot SX30 IS」と比較して、感度ISO1600において約1/4の低ノイズ化を実現。「PowerShot SX30 IS」のISO400相当のノイズレベルを実現しているとしている。このスペックだけを見ると、「PowerShot SX40 HS」は、「DIGIC 5」を搭載することで相当なレベルアップを果たしたこととなる。

では、以下の感度別作例で、「PowerShot SX40 HS」のノイズ耐性をくわしくチェックしていこう。

「PowerShot SX40 HS」は、ISO100〜3200の感度に対応


感度別作例 室内作例

「PowerShot SX40 HS」「PowerShot SX30 IS」を使用して、室内の蛍光灯下で同じ被写体を感度別に撮影してみた。撮影は、絞り優先AEでF値をF5.6に固定し、静止画圧縮率「ファイン」、記録画素数「ラージ」、測光「評価」、ホワイトバランス「オート」の設定で行った。焦点距離は、「PowerShot SX40 HS」が「7.61mm(35mm判換算42mm)」、「PowerShot SX30 IS」が「7.74mm(35mm判換算43mm)」。なお、感度は、「PowerShot SX40 HS」がISO100〜3200、「PowerShot SX30 IS」がISO80〜1600に対応している。

■感度別に撮影した写真のサムネイル画像

※以下に掲載する画像は、撮影写真の一部分(300×225ドット)をピクセル等倍で切り抜いた画像となっています。クリックするとリサイズ・補正を行なっていない撮影写真(PowerShot SX40 HS:4000×3000ドット、PowerShot SX30 IS:4320×3240ドット)が別ウィンドウで開きます。

  ■「PowerShot SX30 IS」
ISO80
 
 

ISO80、F5.6、1/8秒



 
■「PowerShot SX40 HS」
ISO100
■「PowerShot SX30 IS」
ISO100

ISO100、F5.6、1/10秒

ISO100、F5.6、1/10秒

■「PowerShot SX40 HS」
ISO200
■「PowerShot SX30 IS」
ISO200

ISO200、F5.6、1/20秒

ISO200、F5.6、1/20秒

■「PowerShot SX40 HS」
ISO400
■「PowerShot SX30 IS」
ISO400

ISO400、F5.6、1/40秒

ISO400、F5.6、1/40秒

■「PowerShot SX40 HS」
ISO800
■「PowerShot SX30 IS」
ISO800

ISO800、F5.6、1/80秒

ISO800、F5.6、1/80秒

■「PowerShot SX40 HS」
ISO1600
■「PowerShot SX30 IS」
ISO1600

ISO1600、F5.6、1/160秒

ISO1600、F5.6、1/160秒



 
■「PowerShot SX40 HS」
ISO3200
 
 

ISO3200、F5.6、1/320秒

 

感度別作例 夜景作例

「PowerShot SX40 HS」「PowerShot SX30 IS」を使用して、同じ夜景を感度別に撮影してみた。撮影は、絞り優先AEでF値をF5.6に固定し、静止画圧縮率「ファイン」、記録画素数「ラージ」、測光「評価」、ホワイトバランス「オート」の設定で行った。焦点距離は、両モデルとも「4.3mm(35mm判換算24mm)」。なお、感度は、「PowerShot SX40 HS」がISO100〜3200、「PowerShot SX30 IS」がISO80〜1600に対応している。

■感度別に撮影した写真のサムネイル画像

※以下に掲載する画像は、撮影写真の一部分(300×225ドット)をピクセル等倍で切り抜いた画像となっています。クリックするとリサイズ・補正を行なっていない撮影写真(PowerShot SX40 HS:4000×3000ドット、PowerShot SX30 IS:4320×3240ドット)が別ウィンドウで開きます。

■「PowerShot SX40 HS」
ISO800
■「PowerShot SX30 IS」
ISO800

ISO800、F5.6、1/1.3秒

ISO800、F5.6、1/1.3秒

■「PowerShot SX40 HS」
ISO1600
■「PowerShot SX30 IS」
ISO1600

ISO1600、F5.6、1/2.5秒

ISO1600、F5.6、1/2.5秒



 
■「PowerShot SX40 HS」
ISO3200
 
 

ISO3200、F5.6、1/5秒

 

「PowerShot SX40 HS」は、撮像素子に、有効1210万画素の1/2.3型裏面照射型CMOSセンサーを採用。いっぽうの従来モデル「PowerShot SX30 IS」は、有効1410万画素の1/2.3型CCDセンサーを採用している。「PowerShot SX40 HS」は、暗所や高感度に強い裏面照射型CMOSセンサーを採用するうえ、有効画素数も1210万画素に抑えられており、センサーそのものが高感度時にノイズの少ない画質を実現できる仕様になっている。

その差を考慮しても、「PowerShot SX40 HS」のノイズリダクション性能は、「DIGIC 5」の搭載で大きく進化したと評価できる。「PowerShot SX40 HS」と「PowerShot SX30 IS」を比べると、ノイズ量はISO100から差が出ており、ISO400以上ではノイズ量だけでなく解像感にも大きな差が生まれている。「PowerShot SX40 HS」のほうがノイズレスなだけでなく、解像感にすぐれた写真となっているのだ。これは大きなポイントである。さすがにISO1600になると、低感度時と比べてややディテールの描写がつぶれてしまっているものの、「PowerShot SX40 HS」は、ノイズ量と解像感のバランスにすぐれた写真に仕上がっている。被写体やシーンにもよるが、ISO800〜1600を常用できるノイズ耐性ではないだろうか。

なお、「PowerShot SX40 HS」は、先述したように、「ISO1600において約1/4の低ノイズ化を達成し、PowerShot SX30 ISのISO400と同等のノイズレベルを実現」としている。確かに、見比べてみると、「PowerShot SX40 HS」のISO1600と、「PowerShot SX30 IS」のISO400のノイズ量はほぼ同等。ディテールの部分でわずかに「PowerShot SX30 IS」のほうが上回るような印象もあるが、ほとんど変わらない。採用される裏面照射型CMOSセンサーの性能もあるのだろうが、「従来の約1/4の低ノイズ化」というのも大げさなコピーではないようである。


以上、「PowerShot SX40 HS」を使って、「DIGIC 5」のノイズリダクション性能をチェックしてみた。ちなみに、「DIGIC 5」は、ノイズリダクション性能だけでなく、ホワイトバランスも進化しており、電球の明かりの下でフラッシュを発光する場合や、蛍光灯と水銀灯が混在するような複数の光源があるシーンでも、色かぶりのない自然な色合いを実現したということだ。さらに、「DIGIC 5」は処理スピードも向上しており、「PowerShot SX40 HS」においては、最高約10.3枚/秒の高速連写を実現している。

「PowerShot SX40 HS」は、「DIGIC 5」の搭載などにより、フル画素で最高約10.3枚/秒の高速連写が可能な「ハイスピード連写HQ」に対応する

なお、余談になってしまうが、「DIGIC 5」を搭載するモデルとしては、海外では、高画質コンデジとして人気の高い「PowerShot S95」の後継機「PowerShot S100」が、「PowerShot SX40 HS」と同時に発表されている。「PowerShot S100」は、独自開発の有効1210万画素の1/1.7型CMOSセンサーや、35mm判換算24〜120mmをカバーする開放F2の光学5倍ズームレンズなどを搭載した注目モデルとなっており、日本での登場を期待して待ちたいところだ。

「PowerShot SX40 HS」の自由作例

※サムネイル画像をクリックするとリサイズ・補正を行なっていない撮影写真が別ウィンドウで開きます。

ISO800、F2.7、1/25秒、EV+0.3、測光:評価、ホワイトバランス:オート、焦点距離:4.3mm(35mm判換算24mm)、プログラムAE

ISO1000、F3.5、1/20秒、EV+0.3、測光:評価、ホワイトバランス:オート、焦点距離:6.85mm(35mm判換算38mm)、プログラムAE

ISO1250、F4.5、1/20秒、EV0.0、測光:評価、ホワイトバランス:オート、焦点距離:39.49mm(35mm判換算220mm)、プログラムAE

ISO1600、F5.8、1/40秒、EV0.0、測光:評価、ホワイトバランス:オート、焦点距離:150.5mm(35mm判換算840mm)、プログラムAE

ISO1600、F4.5、1/20秒、EV0.0、測光:評価、ホワイトバランス:オート、焦点距離:29.32mm(35mm判換算164mm)、プログラムAE

ISO1600、F4、1/20秒、EV0.0、測光:評価、ホワイトバランス:オート、焦点距離:11.39mm(35mm判換算64mm)、オート撮影

撮影・記事:価格.comマガジン編集部 mkr

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