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「EOS」シリーズのAPS-Cフラッグシップが約5年ぶりにフルリニューアル 

キヤノン「EOS 7D Mark II」誕生!“IMAGE MONSTER”が飛躍的に進化!

「EOS 7D Mark II」のベータ機

キヤノンは2014年9月16日、デジタル一眼レフカメラおよびコンパクトデジカメの新モデルを発表。その中でも特に注目度が高いのが、デジタル一眼レフ「EOS」シリーズの新モデル「EOS 7D Mark II」だ。APS-Cセンサー採用モデルの最上位機種で、2009年10月発売の従来モデル「EOS 7D」から約5年ぶりのリニューアルとなる。「EOS 7D」は“IMAGE MONSTER”というコピーが付けられるほどの高い性能・機能を持つカメラであったが、その後継機「EOS 7D Mark II」は、あらゆる点が刷新されたハイエンドモデルに仕上がっている。特に、プロフェッショナル向けのフラッグシップ機「EOS-1D X」に迫る高速レスポンスとオートフォーカス性能は、APS-Sセンサー機の中で最高クラス。鉄道や飛行機、動物、スポーツなどの動体撮影に最適なデジタル一眼レフだ。ここでは、「EOS 7D Mark II」のベータ機の外観写真を交えながら、特徴を見ていこう。


キヤノンオンラインショップでの「EOS 7D Mark II」の価格(税込)は、ボディ単体が224,640円、高倍率ズームレンズ「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM」が付属する「EF-S18-135 IS STMキット」が267,840円、APS-C機として初めてLレンズ「EF24-70mm F4L IS USM」が付属する「EF24-70mm F4L ISキット」が365,040円。11月上旬の発売が予定されている。


※本記事は「EOS 7D Mark II」のベータ機での情報をまとめています。製品版では仕様が変更になる場合がありますのでご了承ください。

取材・記事:価格.comマガジン編集部 mkr

「EOS 7D Mark II」のボディサイズは148.6(幅)×112.4(高さ)×78.2(奥行)mmで重量は約910g(CIPAガイドライン)/約820g(ボディのみ)。ストラップ取り付け部やバッテリカバー、外装カバー合わせ、操作部位、マウント部に、従来モデル「EOS 7D」の約4倍の個数となる部材を再設定し、防塵・防滴性能を強化している。対応バッテリーは LP-E6N(付属)/LP-E6で、撮影可能枚数は約670枚

背面に、測距エリア選択モードを切り替えられるレバーを新設。下位モデル「EOS 70D」と同じように、マルチコントローラーのタッチ操作を使った動画サイレント機能も利用できる。液晶モニターは、約104万ドットで固定式の3.0型(3:2)。タッチパネルには非対応となっている。また、上面のボタンは1ボタン2機能の仕様で、細かいところでは、ボタンに割り当てられている機能の表記が左右逆になった。従来は、左にメイン電子ダイヤル、右にサブ電子ダイヤルで変更できる機能が表示されていたが、「EOS 7D Mark II」では、これが逆になっている(たとえば、従来は、一番左のボタンは、左が測光モード/右がホワイトバランスだった)。ベータ機を試した限り、表記が逆になっただけで、機能の割り当てに変更はなかった

CFカード(タイプI準拠、UDMAモード7対応)/SDメモリーカード(SD/SDHC/SDXC、UHS-I対応)のデュアルスロットを採用。35mmフルサイズセンサー採用の「EOS 5D Mark III」と同様、カードの自動切り替えや振り分け、同一書き込みに対応。USB端子は「EOS」シリーズとして初めてUSB 3.0対応となっている

トップ、リア、フロントカバーにマグネシウム合金を使ったフルマグネシウム合金ボディを採用

新開発センサーと「デュアルDIGIC 6」を搭載し、基本性能が大幅に向上
新しい測光システム「EOS iSA System」も採用

「EOS 7D Mark II」は、従来からあらゆる点が大きく進化した、ハイエンド向けのデジタル一眼レフだ。

撮像素子には、有効約2020万画素のCMOSセンサー(APS-Cサイズ)を採用。下位モデルの「EOS 70D」と同画素だが、より高解像度で低ノイズを実現する新開発のセンサーだ。「EOS 70D」と同様、センサーの画素が撮像と位相差AFの機能を兼ね備える、1画素2フォトダイオード構成の「デュアルピクセルCMOS AF」に対応しており、像面内の約80%(縦)×80%(横)のエリアで位相差AFが可能となっている。さらに注目なのは映像エンジン。「EOS」シリーズとして初めて最新の「DIGIC 6」を採用し、しかも、エンジンを2基する「デュアルDIGIC 6」の豪華仕様になっているのだ。新開発センサーと「デュアルDIGIC 6」の採用により、画像処理能力が大きく向上しており、静止画/動画ともに感度は常用でISO100〜ISO16000に対応。拡張で、静止画はISO25600相当(H1)とISO51200相当(H2)を、動画はISO25600相当(H1)を設定することもできる。

新開発の有効約2020万画素CMOSセンサー(APS-Cサイズ)。「デュアルピクセルCMOS AF」に対応する

「デュアルDIGIC 6」を搭載

また、測光システムには、「EOS」シリーズのフラッグシップ機である「EOS-1D X」に投入された新しい「EOS iSA System」を採用。評価測光の安定性を高めるだけでなく、顔や色認識に基づく被写体検出も行い、画像処理やオートフォーカスとも連携する高度なシステムだ。「EOS 7D Mark II」では、「EOS-1D X」の約10万画素を上回る約15万画素のRGB+IR測光センサーが搭載され、性能が向上。「EOS-1D X」では低輝度時に35分割に制限される測光エリアは、「EOS 7D Mark II」においては、信号読み出し方法を改善することで、低輝度でも252分割を実現している。加えて、アルゴリズムの進化により、被写体検知(顔認識、色追尾)の精度が向上。RGB情報に加えてIR情報も用いてシーンを解析することで、オートホワイトバランスとシーンインテリジェントオートにおいて、緑色の再現性も向上しているという。新たに、人口光源の明滅周期も検知するフリッカー検知も追加されている。

約15万画素のRGB+IR測光センサーを使った、新しい測光システム「EOS iSA System」に対応

約10コマ/秒の高速連写、レリーズタイムラグ約55msのハイレスポンスを実現

「EOS 7D Mark II」は、最新の映像エンジン「DIGIC 6」を2基搭載する「デュアルDIGIC 6」の採用により、非常に高速なレスポンスを実現している。

連写は、「EOS」シリーズの従来のフラッグシップ機である「EOS-1D Mark IV」に匹敵する最高約10コマ/秒を達成。連続撮影可能枚数は、JPEGが約1090枚、RAWが約31枚、RAW+JPEGが約19枚。これらのスペックは、いずれも、従来モデル「EOS 7D」(最高約8コマ/秒で、JPEG約130枚、RAW約25枚、RAW+JPEG約17枚)、下位モデル「EOS 70D」(最高約7コマ/秒で、JPEG約65枚、RAW約16枚、RAW+JPEG約8枚)を大きく上回っている。さらに、レリーズタイムラグは約55msを実現。約55msというハイレスポンスは、「EOS」シリーズではこれまで、フラッグシップ機「EOS-1D」シリーズのみが実現していたが、ついにAPS-C機でも同じ性能を持つモデルが登場することになる。ちなみに、「EOS 7D」は約59ms、「EOS 70D」は約60ms。フルサイズ機では「EOS 5D Mark III」が約59ms、「EOS 6D」が約60msとなっている。

最高約10コマ/秒の高速連写を実現。高速連写時、低速連写時のスピードを設定できるほか、静音連写にも対応する

さらに、「EOS 7D Mark II」は、最高約10コマ/秒の高速連写を実現しながら、シャッター耐久は「EOS 7D」の約15万回から約20万回に向上している。高速連写とシャッター耐久を両立するために、シャッター/ミラー機構が見直されており、シャッター機構では、高効率な駆動モーターを新開発したほか、ボールベアリングの使用や、駆動系のギア数の削減により、チャージ時に必要なピーク電流を約30%低減し、チャージ時間の短縮を実現。ミラー機構では、駆動方式をバネからモーターに変更するなど、ミラー衝突のエネルギーを低減する新しい駆動機構を採用。衝突後の振動を低減するダンパーを設置しているほか、ミラーモーターの台座には制振材を採用し、駆動系と合わせてユニット化。そのユニットとミラーボックスとの接触面すべてにゴムを装着し、低振動化を図っている。

なお、短い時間ではあるが、「EOS 7D Mark II」のベータ機を試用した限りでは、非常によいシャッターフィーリングを実現していると感じた。モーターでのミラー駆動を採用したのが大きいのか、安定感が高く、高速連写時にもバタつくことなくなめらかにシャッターが切れる。ミラーショックも少なく、シャッター音も静かだ。

シャッターユニット

ミラー機構

「EOS-1D X」を超える65点の高性能オートフォーカスシステムを搭載

「EOS 7D Mark II」は、オートフォーカスシステムも非常に高性能だ。

「EOS-1D X」の61点を超える65点の測距点を持つ、新開発のオートフォーカスシステムを採用。測距点数で、2014年9月16日時点において、専用位相差AFセンサーを搭載するデジタル一眼レフとしてもっとも多い測距点を持つモデルとなっている。測距可能エリアは約16.5×6.4mmで、ファインダーの広いエリアでオートフォーカスを利用することが可能だ。しかも、65点のすべてがオールクロス仕様(F5.6対応)。中央1点はF2.8対応のデュアルクロスセンサーで、低照度限界は、「EOS 6D」と並んで「EOS」シリーズ最高スペックとなる「EV-3」(開放F2.8レンズ装着時)。エクステンダー装着時に開放F8になるレンズであっても、中央1点ではクロス測距が可能だ。スペックだけを見ると、APS-Cセンサー採用のデジタル一眼レフとして最高レベルのオートフォーカスシステムとなっている。

65点のすべてがオールクロス仕様のオートフォーカスシステム。ファインダーの広いエリアでオートフォーカスを利用できる。青い枠は、ファインダー視野に対する測光エリアで252分割となっている

「EOS-1D X」のオートフォーカスシステムとの比較。システム自体の測距可能エリアは「EOS 7D Mark II」が約16.5×6.4mmで、「EOS-1D X」が約18.0×8.0mmとなっているが、「EOS 7D Mark II」は、フルサイズよりも小さなAPS-Cセンサーを採用しており、ファインダー内のAFエリアのカバー率は「EOS-1D X」よりも広くなる。ファインダーのより広いエリアでオートフォーカスを利用できる

オートフォーカスの測距エリア選択モードは、「スポット1点AF」「1点AF」「領域拡大AF(上下左右)」「領域拡大AF(周囲)」「ゾーンAF(9パターン)」「ラージゾーン(3パターン)」「61点自動選択AF」の計7モード。「ラージゾーン(3パターン)」は、「EOS」シリーズとして初搭載となるモードだ。ちなみに、計7モードは「EOS」シリーズの中で最多。「EOS-1D X」で採用された6モードに、「ラージゾーン(3パターン)」を加えた内容になっている。操作性も工夫されており、背面に、測距エリア選択モードを変更する専用レバーを新設。初期設定では、背面右上のAFフレーム選択ボタンを押してからレバーで切り替える操作となっているが、ボタンカスタマイズによって、レバー操作でダイレクトに測距エリアモードを切り替えることも可能だ。

計7つの測距エリア選択モードを用意。「ラージゾーン」は、左、中央、右のいずれかのエリアを選択できるモード

背面には、測距エリア選択モードを変更する専用レバーが装備されている

さらに、「EOS-1D X」と同様、測光システム「EOS iSA System」で認識した被写体の顔や色の情報をオートフォーカスシステムに反映させる「EOS iTR AF」を搭載。顔や色の情報をもとに捕捉した被写体を追尾する機能(つかんだ被写体を離さないための機能)で、距離情報だけに依存していた従来のシステムとは異なり、複雑な軌跡を描く動体も逃しにくくなっている。「EOS 7D Mark II」では、人の形を認識できるようになっており、顔の検出能力が向上。色追尾のアルゴリズムも改良され、人以外の被写体追尾能力も向上しているとのことだ。また、動体撮影用のAFモードには、「EOS-1D X」と同様、最新の「AIサーボAF III」を採用し、被写体動作の特性に合わせた6ケースを選択できるカスタム設定ガイド機能の利用が可能。「写体追従特性」「速度変化に対する追従性」「測距点乗り移り特性」の3つの特性をカスタマイズすることもできる。

また、先に述べたように、像面内の約80%(縦)×80%(横)のエリアで位相差AFが可能な「デュアルピクセルCMOS AF」に対応しており、「EOS 70D」と同様に、ライブビュー撮影時にも高速でスムーズなピント合わせが可能だ。

シャッタースピードは最高1/8000秒に対応。ストロボ同調は1/250秒以下。

「EOS iSA System」で認識した被写体の顔や色の情報をオートフォーカスシステムに反映させる「EOS iTR AF」

「EOS iTR AF」はオン・オフを選択できる

「EOS-1D X」と同様、最新の「AIサーボAF III」を採用。カスタム設定ガイド機能の利用が可能だ。AIサーボAFの特性をカスタマイズすることもできる

多くの撮影設定を確認できる視野率約100%ファインダー

「EOS 7D Mark II」の光学ファインダーは、新しいガラスペンタプリズムを採用した視野率約100%ファインダーだ。倍率は約1.0倍で、アイポイントは約22mm。このあたりのスペックは「EOS 7D」と変わらないが、「EOS 7D Mark II」では、フォーカシングスクリーン(スーパープレシジョンマット)の交換に対応するようになったほか、ファインダー内表示が大幅に強化されている。

ファインダー内表示は「インテリジェントビューファインダーII」という名称になり、非常に多くの撮影設定を確認できるようになった。「EOS-1D」シリーズと同じようにファインダー内右側に測光値が表示されるほか、「EOS」シリーズとして初めて透過型液晶デバイスを採用し、撮影情報の表示数が大幅にアップしている。具体的には、撮影モード、ホワイトバランス、ドライブモード、AF動作、測光モード、記録形式、警告表示/フリッカー検知/AF作動表示の確認が可能。ファインダーをのぞいたまま、主要な設定を確認・変更できるため、従来よりも撮影の機動性が向上している。

新しいガラスペンタプリズムを採用。透過型液晶デバイスを採用し、撮影情報の表示数が大幅に増えている

ファインダー内表示をすべてオンにした状態。「インテリジェントビューファインダーII」では、撮影モード、ホワイトバランス、ドライブモード、AF動作、測光モード、記録形式、警告表示/フリッカー検知/AF作動表示の確認が可能

1080/60p記録に対応する動画撮影機能を搭載。フリッカーレス撮影機能なども

動画撮影機能も強化されており、新開発センサーと「デュアルDIGIC 6」を採用したことで、動画撮影時でも常用で最高感度ISO16000を実現(拡張でISO25600相当:H1も選択可能)。「デュアルピクセルCMOS AF」によって、なめらかで追従性の高い動画サーボAFが可能となっている。さらに、「EOS」シリーズとして初めて動画サーボAFのスピードや反応度をカスタマイズできるようになった(※ライブ1点AF時、対応レンズ装着時のみ)。

さらに、「EOS」シリーズとして初めて、フルHD(1920×1080)での60p記録に対応。また、こちらも「EOS」シリーズでは初となるが、MOV形式に加えてMP4形式も選択できるようになった。HDMI出力(非圧縮)も可能で、MOV、MP4、HDMI出力のいずれにおいても1080/60p記録/出力が可能となっている。ただし、1080/60p時には、動画サーボAFの利用は不可。また、ワンショットAFは、「デュアルピクセルCMOS AF」ではなくコントラストAFでの駆動となる。

動画サーボAFのカスタマイズが可能になった

1080/60p記録に対応。MP4形式も選択できる

このほかの機能では、進化した「EOS iSA System」を使った「フリッカーレス撮影」機能を搭載。フリッカー光源を検知してファインダー内で知らせてくれるほか、この機能をオンにすることで、フリッカーのちらつきの周期を検知し、タイミングをずらして、光量ピーク時のみに撮影を行うようになる。屋内での撮影において、連写時の露出や色のバラつきを抑えるのに有効な機能だ。

また、「EOS」シリーズとして初めて、カメラ単体でのインターバルタイマー機能とバルブタイマー機能を搭載。従来、これらのタイマー撮影は、タイマーリモートコントローラー「TC-80N3」を使う必要があったが、「EOS 7D Mark II」ではカメラのみで可能となった。GPS機能も内蔵しており、撮影位置情報の記録やロガー機能に加えて、電子コンパスの利用も可能になった。対応のGPS衛星も拡充し、GPS(米国)、準天頂衛星みちびきに加えて、GLONASS衛星(ロシア)にも対応。ログデータの移動先のカードスロット(CF/SD)を選択できるようにもなった。なお、「EOS 6D」や「EOS 70D」とは異なり、Wi-Fiは非搭載となっている。これは、堅牢性重視でマグネシウム合金ボディを採用したことで、無線通信に弊害が出るために搭載を見送ったとのことだ。

操作性では、再生時の撮影情報表示がブラッシュアップされた。従来は、ヒストグラム表示と撮影情報表示が別々の画面であったが、「EOS 7D Mark II」では、これらを統合し、スクロールして確認できるようになった。オートライティングオプティマイザ、レンズ名称、レンズ光学補正データなどの情報も表示されるようになっている。また、簡易情報表示では、感度が確認できるようになった。

「EOS iSA System」を使った「フリッカーレス撮影」機能

インターバルタイマー機能とバルブタイマー機能も装備

再生時の撮影情報は、スクロールして確認できるようになった

撮影時のレンズ光学補正には、周辺光量補正と色収差補正に、歪曲収差補正が追加されている

外装カバーと内部構造

ボディの中央縦断面図

「EOS 7D Mark II」のラインアップ

モデル 価格.com最安価格
EOS 7D Mark II ボディ 123,554
EOS 7D Mark II EF-S18-135 IS STM レンズキット 168,313
EOS 7D Mark II EF24-70L IS USM レンズキット 224,991

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