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1220万画素フルサイズセンサー採用の高感度・広ダイナミックレンジモデル 

速報! ISO409600に対応したソニー「α7S」が正式発表!

ソニーは2014年5月16日、35mmフルサイズ対応のミラーレス一眼カメラの新モデル「α7S」を発表した。米国ラスベガスで開催された国際放送機器展「NAB 2014」にて参考展示されていたモデルで、常用でISO102400、拡張でISO409600という超高感度撮影が可能な注目のフルサイズ機となっている。発売は6月20日で、ボディ単体の市場想定価格は230,000円前後(税抜)。ベータ機の外観写真を交えながら、特徴を見ていこう。


取材・記事:価格.comマガジン編集部 mkr

有効約1220万画素センサーを採用し、超高感度撮影を実現

「α7」シリーズの新モデル「α7S」。「α7」「α7R」と同じデザイン・サイズの筐体を採用している

ソニーの35mmフルサイズ対応ミラーレス一眼カメラ「α7」シリーズは、2013年11月15日に「α7」と「α7R」の2モデルが第1弾製品として登場した。「α7」は、有効約2430万画素の35mmフルサイズ“Exmor”CMOSセンサー(35.8×23.9mm)センサーと、117点の像面位相差AFセンサーを使った「ファストハイブリッドAF」を採用するバランス重視モデル。「α7R」は、「α7」の機能特化モデルの位置付けで、有効約3640万画素の35mmフルサイズ“Exmor”CMOSセンサー(35.9×24.0mm)を採用する高画素・高解像度モデルだ。いずれも、コンパクトボディに35mmフルサイズセンサーを搭載し、コストパフォーマンスの高さもあって、市場に大きなインパクトをもたらしている製品である。


今回、第1弾モデルの発売から約半年という短いスパンで発表された「α7S」は、「α7R」と同じく、シリーズの機能特化モデルに位置付けられている。「α7R」の“R”はRealityを意味し、高画素・高解像度をコンセプトにしたモデルであるが、「α7S」は、その逆の方向性だ。「α7S」の“S”はSensitivityを意味し、高感度・広ダイナミックレンジを追求したモデルとなっている。


「α7S」の最大の特徴は、撮像素子に、新開発の有効約1220万画素・35mmフルサイズ“Exmor”CMOSセンサー(35.9×23.8mm)を採用していること。35mmフルサイズセンサーを搭載しながらも、有効画素を約1220万画素に抑えているのがポイントで、画素ピッチの広さを生かして、高感度でも低ノイズな撮影が可能となっている。技術的には、画素数を抑えるだけでなく、「α7R」にも採用されている、隣接する画素間のギャップをなくす「ギャップレスオンチップレンズ構造」や高集光プロセス技術、ワイドフォトダイオード設計技術など感度特性を向上させる技術を採用。さらに、最新のAPS-Cミラーレス「α6000」に採用されている新世代のRGBカラーセンサーも搭載している。画像処理エンジンは、「α7」「α7R」にも採用されている最新の「BIONZ X」だ。こうした技術の集結によって、「α7S」は、「α7」と比べて、センサーの感度特性が約3倍、飽和色信号量が約2.3倍に向上。感度は、常用でISO100〜ISO102400、拡張でISO50〜ISO409600に対応するようになった。これまで、デジタル一眼カメラでは、常用でISO51200、拡張でISO102400〜ISO204800に対応するモデルは存在したが、「α7S」は、それらと比べて約1段分高い感度特性を備えていることとなる。


さらに、「α7S」は、センサーの画素ピッチの広さを生かすことに加えて、入射光量に合わせて入力信号のレベルをセンサー内部で最適化することで、すべての感度域で広いダイナミックレンジを実現。高感度でノイズを抑えた撮影ができるだけでなく、階調性の豊かな描写が得られるようになっているのだ。


 

有効約1220万画素の35mmフルサイズ“Exmor”CMOSセンサー(35.9×23.8mm)を採用。拡張でISO409600の超高感度撮影が可能となっている

今回、「α7S」のベータ機で高感度特性を試すことができたので、その結果をレポートしたい。使用したのは、小さなペンライトが光る程度の明かりしかない、ほぼ真っ暗な箱。箱の中は、肉眼で被写体を捉えるのがやっとという、通常であれば長秒撮影になる暗い状況であったのだが、「α7S」では、感度ISO409600に設定して、F値2.0、シャッタスピード1/30秒でシャッターを切ることができた。しかも、オートフォーカスが狙った被写体に合焦したのにも驚いた。これは、センサーの感度特性が進化したことで、低照度性能も大幅に向上したことを意味する。「α7S」の検出輝度範囲の低輝度限界は「-4EV」だ(※「α7」と「α7R」は「0EV」)。キヤノンの35mmフルサイズデジタル一眼レフ「EOS 6D」の「-3EV」を上回る性能で、暗いところでもオートフォーカスでピントを合わせやすくなっているのだ。

「α7S」のベータ機を使って、真っ暗な箱の中でテスト撮影を行った。感度ISO409600で撮影することができただけでなく、オートフォーカスが合焦した点にも注目。センサーの感度特性が進化したことで、低照度性能も大幅に向上しており、測距輝度範囲の低輝度限界は「-4EV」になった

オートフォーカスは低照度性能が向上。シャッター音を消音するサイレント撮影機能を追加

「α7S」は、「α7」「α7R」と同じデザイン・サイズのボディを採用し、基本的な性能・機能も「α7」「α7R」を踏襲しているが、いくつか進化している点がある。

オートフォーカスシステムは、「α7R」と同じく、コントラストAFの「ファストインテリジェントAF」を採用。「α7」が採用する、コントラストAFと像面位相差AFセンサー(117点)を組み合わせた「ファストハイブリッドAF」ではないが、先に述べたように、センサーの感度特性が進化したことで、検出輝度範囲の低輝度限界は「-4EV」に向上している(※「α7」と「α7R」は「0EV」)。

シャッター周りの性能は「α7」と同じで、最高シャッタースピードは1/8000秒。電子先幕シャッターの利用にも対応している。トピックは、シャッター音を消音するサイレント撮影機能を搭載したこと。この機能を設定することで、自動的に電子シャッターを使用し、シャッター音が消音されるようになる。野生動物の撮影など、静粛性が求められるシーンで有益な機能だ。

電子ビューファインダーと液晶モニターは、「α7」「α7R」と同等。ファインダーは、約235万ドット表示の「XGA OLED Tru-Finder」(倍率約0.71倍)で、モニターは、上方向に約90度、下方向に約45度まで動かせるチルト可動式の3.0型液晶モニターだ。スマートフォンとのワイヤレス連携が可能なWi-Fi/NFC機能を搭載するほか、アプリをダウンロードすることで機能を追加できる「PlayMemories Camera Apps」にも対応している。

オートフォーカスでのトピックは、検出輝度範囲の低輝度限界が「-4EV」に向上し、暗所での合焦性能が向上したこと。このほか、「α7」「α7R」と同じく、フレキシブルスポットAFのエリアのサイズをS/M/Lの3段階で選択することができる

シャッター周りの性能は「α7」と同じで、電子先幕シャッターに対応。新たにシャッター音を消音するサイレント撮影機能を搭載する

「XGA OLED Tru-Finder」とチルト可動式の3.0型液晶モニターを採用

アプリをダウンロードすることで機能を追加できる「PlayMemories Camera Apps」にも対応

ボディサイズは「α7」「α7R」と共通で約126.9(幅)×94.4(高さ)×48.2(奥行)mm。重量は約489g(バッテリーと”メモリースティックPROデュオ”含む)となっている。ちなみに、「α7」の重量は約474gで、「α7R」は約465g。使用するバッテリーパックも同じで「NP-FW50」。静止画の撮影可能枚数は、ファインダー使用時で約320枚、液晶モニター使用時で約380枚。「α7」「α7R」のファインダー使用時約270枚、液晶モニター使用時約340枚から枚数が増えている

フルHD/4K出力で画素加算のない全画素読出しを実現

「α7S」は、業務用カムコーダーで培った技術・機能を搭載し、動画撮影機能も進化。60p/60i/30p/24pのフルHD(1920×1080)記録が可能なほか、30p/24pの4K(3840×2160)出力にも対応するようになった(※HDMIでのベースバンド信号出力にて。4Kを記録するには4K対応の外付けレコーダーが必要)。フルサイズに加えてAPS-C(Super35mm相当)でもすべてのモードが選択可能となっている。動画撮影時も常用でISO100〜ISO102400、拡張で最高ISO409600での撮影が可能だ。さらに、センサーの高速化と「BIONZ X」の高速処理によって、フルHDおよび4K出力時において、世界で初めて35mmフルサイズセンサーで画素加算のない全画素読出しを実現(※フルHD/4Kともに30p/24p設定時)。すべての画素の情報を使用して読み出すため、モアレやジャギーを抑えた、より解像感の高い動画撮影が可能となっている。さらに、HD画質(1280×720)での120fpsハイフレームレート記録にも対応している(※120fps選択時は自動的にAPS-Cサイズ画像にクロップされる)。

このほか、「α7S」は、業務用として利用できる多彩な動作撮影機能を搭載するのもポイントだ。ピクチャープロファイルのガンマ設定には、業務用カムコーダーに採用されているソニー独自の「S-Log2」(広い輝度ダイナミックレンジを記録するためのソニー独自の輝度特性カーブ)を搭載。「S-Log2」ガンマを使うことで、1300%の広いダイナミックレンジを確保することが可能となる。また、動画の記録フォーマットでは、AVCHDに加えて、プロ用のXAVCを民生用途に拡張したXAVC Sに対応(※「α」シリーズ初)。フレーム間の差分情報を用いて圧縮を行うフレーム間圧縮(Long GOP)方式を採用し、動画圧縮方式は、MPEG-4 AVC/H.264を採用している。また、XAVC S規格の採用により、フルHD記録時に50Mbpsの高画質記録も可能となった。さらに、カメラ本体でガンマカーブやブラックレベル、発色などのパラメーターを調整できるピクチャープロファイル、外付けレコーダーに映像を記録する際に本体と同期記録ができるレックコントロール機能、液晶画面やファインダー上の各種マーカー表示、輝度の高い部分にのみ縞状の模様をつけてモニターおよびファインダー上に表示するゼブラ表示、XAVC S/AVCHD記録時のMP4(1280×720 30p/24p)同時記録機能なども搭載している。マルチインターフェースシューに対応したXLRアダプターを現在開発中とのことだ。

XAVC S規格の採用により、フルHD記録時に50Mbpsの高画質記録が可能になった

待望の低画素フルサイズ機

「α7S」の最大の特徴は、有効画素数を約1220万画素に抑えた、35mmフルサイズセンサーを搭載していることだ。35mmフルサイズ対応一眼カメラの現行ラインアップの有効画素数を見ると、ニコンでは、「D4S」が1623万画素、「Df」が1625万画素、「D800」「D800E」が3630万画素、「D610」が2426万画素。キヤノンでは、「EOS-1D X」が約1820万画素、「EOS 5D Mark III」が約2230万画素、「EOS 6D」が約2020万画素。ソニーでは、「α7R」が約3640万画素、「α7」約2430万画素。これらの中で、「α7S」がもっとも画素数を抑えたモデルとなっている。

あえて画素数を抑えたことの狙いは、現行のフルサイズ機にはない画質を実現することだ。高画素タイプのものと比べて、ディテールの解像感では見劣りするところがあるかもしれないが、高感度での低ノイズと、広いダイナミックレンジが得られるのは魅力的だ。レンズに求められる性能も、高画素タイプほどではないはず。このような低画素フルサイズ機は、他メーカーも開発を進めていると思われるが、ソニーが先駆けて製品化したことの意味は大きい。市場想定価格も230,000円前後(税抜)と、「α7R」並みの設定(「α7R」は220,000円前後)になっており、極端に高価格な製品でないのもポイント。高画素化の流れに一石を投じる製品になることは間違いなく、フルサイズ一眼カメラのバリエーションが増えるという点でも、歓迎したい製品だ。

なお、ソニーは、「α7S」のリリースにあわせて、動画撮影時の操作性を追求した「電動ズームレンズ(FE PZ 28-135mm F4 G OSS)」や「超広角ズームレンズ(Vario-Tessar T* 16-35mm F4 OSS)」など、35mmフルサイズ対応の新しいEマウントレンズを開発していることも発表した。

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