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276万ドットEVFやボディ内手ブレ補正を備えた超充実モデル 

出し惜しみ感のないミラーレス一眼「LUMIX DMC-GX7」の実力

パナソニックが2013年9月13日に発売した、マイクロフォーサーズ規格のミラーレス一眼カメラの新モデル「LUMIX DMC-GX7」は、同社のカメラ技術が詰まった意欲作。“全部入り”という表現をしたくなる製品で、「パナソニックが持っている技術をすべて投入した」と言ってもおおげさではないくらい、高性能・高機能なミラーレス一眼カメラとなっている。ここでは、そんな新型の実力をレビューしたい。

2013年9月13日発売の「LUMIX DMC-GX7」。カラーバリエーションはブラックとシルバーの2色。ボディ単体のほか、単焦点レンズ「LUMIX G 20mm/F1.7 II ASPH. H-H020A」が付属するレンズキットがラインアップされている

高品位ボディに可動式の高精細ファインダー&モニターを搭載

今回紹介する「LUMIX DMC-GX7」(以下、GX7)は、パナソニックのミラーレス一眼カメラ「LUMIX G」シリーズの新モデル。「LUMIX G」シリーズは、上から「GH」「GX」「G」「GF」という4ラインでラインアップが構成されているが、その中でもっともモデルチェンジの回数が少ないのが、「GX7」が属する「GX」だ。ハイスペックとコンパクトを融合することをコンセプトにしたラインで、ファーストモデルとなった2011年11月発売の従来モデル「LUMIX DMC-GX1」(以下、GX1)は、カメラとしての作り込み度の高さでユーザーから高い評価を受け、ロングセラーになった。今回、その後継機の登場ということで、「待ちに待った」というファンの方も少なくないことだろう。期待に応える性能・機能を備えるカメラに仕上がっている。

新モデル「GX7」は、従来モデル「GX1」もそうだったが、パナソニックが考える高級感を具現化したデザインを採用。「プレミアムフラットデザイン」と銘打ち、シンプルながらも機能美にこだわったデザインで、外装にはマグネシウム合金を使用している。さらに、モードダイヤルや前ダイヤルにアルミ削り出し加工を施すなど、細部のパーツにまでこだわった仕上がりとなっている。

そのボディサイズは約122.6(幅)×70.7(高さ)×54.6(奥行)mm(突起物を除く)で、重量は約402g(バッテリー、メモリーカード含む)。従来モデル「LUMIX DMC-GX1」の116.3(幅)×67.8(高さ)×39.4(奥行)mm(突起部を除く)で約318g(バッテリー、メモリーカード含む)というサイズ・重量と比べると、少し大きなボディとなっている。ミラーレス一眼カメラの中ではけっして小型・軽量な部類ではない。ただし、このボディの内部には、この後に紹介する、パナソニックのカメラ技術が詰め込まれている。そう考えると十分にコンパクトで、妥当なサイズにまとまっていると感じるはずだ。

「GX7」のボディサイズは約122.6(幅)×70.7(高さ)×54.6(奥行)mm(突起物を除く)で、重量は約402g(バッテリー、メモリーカード含む)。マグネシウム合金を採用し、質感の高いボディに仕上がっている

パーツにもこだわり、アルミ削り出しのモードダイヤルや前ダイヤルを採用している

デザインと使い勝手の両方で「GX7」の大きな特徴となっているのが、ミラーレス一眼カメラとして初めて(2013年9月13日時点)、チルト可動式の電子ビューファインダー(EVF)を内蔵していること。上向きに90度動かすことが可能で、ファインダーを上からのぞき込むようなスタイルでの撮影にも対応できる。加えて、ファインダー内蔵レンズ交換式デジタルカメラとして世界最高(2013年9月13日時点)となる約276万ドット相当の高解像度パネルを採用し、高精細な表示を実現したのもウリ。ファインダー倍率も約1.39倍(35mm判換算で約0.7倍)と高い。さらに、Adobe RGB比率で色再現性約100%(CIE1931 xy表色系にて比較)を実現し、より忠実な色再現が可能なのもポイントだ。実際に使用してみても、やや明るすぎるきらいもあるが、高精細なEVFであることを確認できた。さらに、「GX7」は、タッチパネル液晶モニター(3.0型、約104万ドット)も上向き約80度、下向き約45度で動かすことが可能。EVFと液晶モニターの両方が可動式となっており、両方を使い分けることで、より自由なアングルで撮影できるようになっている。

約276万ドット相当の高精細なEVFを装備。アイセンサーも備えている

EVFは上向きに90度可動することが可能

約104万ドットの3.0型タッチパネル液晶モニターもチルト可動式。過度に輝度やコントラストが調整されていないのが高ポイントで、露出感がより正確に表現されるモニターに仕上がっている。キャリブレーションを行ったパソコン用のモニターで撮影写真を見比べても、露出感に極端な違いは感じなかった

ボディ内手ブレ補正機能を搭載。1/8000秒メカシャッター対応など基本性能も高い

ミラーレス一眼カメラとしての基本性能にすぐれるのも「GX7」の特徴だ。

性能面では、「LUMIX G」シリーズとして初めて「ボディ内手ブレ補正」を搭載したのが大きなトピック。一般的に、レンズ交換式デジタルカメラの手ブレ補正機能については、交換レンズ内で補正用レンズを動かして手ブレを補正する「レンズ内手ブレ補正」(レンズシフト式手ブレ補正)と、撮像素子(イメージセンサー)を動かして手ブレを補正する「ボディ内手ブレ補正」(センサーシフト式手ブレ補正)に2分される。両方にメリット・デメリットがあるため一概にどちらがすぐれているとは言えないが、メーカーによって採用する方式は一貫している。たとえば、マイクロフォーサーズ陣営でいえば、パナソニックはレンズ内手ブレ補正、オリンパスはボディ内手ブレ補正といったようにだ。そのため、一般的には、レンズ内手ブレ補正を採用するメーカーは、ボディ内手ブレ補正を備えるカメラを出さないし、ボディ内手ブレ補正を採用するメーカーは、レンズ内手ブレ補正を搭載するレンズを開発しない。手ブレ補正は、レンズ側かボディ側かのどちらかにしか搭載されないのである。これは、メーカーとしての設計思想から開発技術、販売面までさまざまなことが理由になっているわけだが、ユーザーにとってみれば、両方を使えたほうが単純に利便性は高くなる。

今回、パナソニックは、レンズ交換式デジタルカメラでの手ブレ補正の“常識”を覆した。パナソニックは、これまでレンズ内手ブレ補正を推し進めてきたメーカーであるが、「GX7」については、従来のレンズ内手ブレ補正を継承しつつ、ボディ内手ブレ補正も搭載したのである。レンズ内手ブレ補正を採用するカメラメーカーが、ボディ内手ブレ補正を備えるレンズ交換式デジタルカメラをリリースしたのは初のことだ。

ボディ内テブレ補正のメリットは、手ブレ補正機構を搭載しないレンズであっても、手ブレを抑えて撮影できること。マウントアダプターを使ってオールドレンズを使用する場合に手ブレ補正が有効なのもメリットだ。「GX7」のボディ内手ブレ補正の補正軸は2軸で、補正効果はシャッタースピード換算で2〜3段相当。35mm判換算で100mm相当の焦点距離を想定して最適な設定が施されている。100mm以上の焦点距離でも効果はあるが、望遠になるに従って補正し切れない場合があるとのこと。もちろん、レンズ内手ブレ補正を搭載するレンズの利用も可能で、この場合は、レンズ内手ブレ補正が自動的に選択される仕組みとなっている。ユーザーがレンズ内とボディ内のどちらの手ブレ補正を使うかは選択できない。また、動画撮影時にボディ内手ブレ補正機能を利用することもできない。

「LUMIX G」シリーズとして初めてボディ内手ブレ補正機能を搭載。手ブレ補正機能を備えないレンズキット付属の単焦点レンズ「LUMIX G 20mm/F1.7 II ASPH.」でも手ブレを補正して撮影ができる

手ブレ補正機能を備えるレンズを装着した場合は、レンズ側の手ブレ補正を利用する仕組みとなっている

「GX7」の基本性能では、新開発のシャッター機構を採用し、デジタル一眼レフのハイエンド機と同様、1/8000秒の高速メカニカルシャッターに対応しているのもポイント。「LUMIX G」シリーズとしては初の1/8000秒対応モデルだ。ミラーレス一眼カメラの中でも、メカシャッターで1/8000秒に対応するのは、オリンパスの「PEN E-P5」と「OM-D E-M1」のみとなっている。さらに、フラッシュ同調スピードも向上。従来モデル「GX1」の同調スピードが1/160 秒以下であるのに対し、「GX7」は内蔵フラッシュ使用時で1/320秒、外部フラッシュ使用時で1/250秒に対応している。

画質周りでは、新開発のLive MOSセンサー(有効1600万画素)を採用。半導体の製造工程に最先端の微細化プロセスを導入することでフォトダイオードの受光面積を拡大している。さらに、オンチップレンズの形状を最適化することで、従来モデル「GX1」に比べて感度レベルが10%改善。ノイズ(S/N比)も25%の改善を実現している。画像処理エンジン「ヴィーナスエンジン」も進化しており、ディテール描写が10%改善したほか、感度もISO25600に対応するようになった。実際の画質については、3ページ目で実写作例を用いてレビューするので参考にしてほしい。

新しい「ヴィーナスエンジン」の採用により、連写性能も向上。連写速度、高速(H)時は、メカシャッターで約5コマ/秒、AF追従(AFC時)で約4.3コマ/秒の連写に対応している。電子シャッターでの超高速(SH)も用意されている

さらに、「GX7」は、センサー出力の高速化と、画像処理エンジンの処理能力の向上などにより、オートフォーカスも高速化。センサー駆動とレンズ制御で240fps化(※2013年9月19日現在、「H-HS12035」「H-HS35100」「H-FS1442A」「H-FS14140」装着時)を実現している。実機でオートフォーカスを試してみたが、240fps化の効果は絶大で、非常にスピーディーに合焦してくれた。これまでも「LUMIX G」シリーズは高速オートフォーカスで定評があったが、さらに高速になっていることを実感。ローライトAFも-4EVまで対応するように強化されており、暗所での合焦性能もアップしている。


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