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グローバルモデルの試作機をいち早く使用してみた 

話題のレンズ型サイバーショット「QX100/QX10」の使い勝手は?

ソニーの「サイバーショット DSC-QX100」「同 DSC-QX10」は、スマートフォンと組み合わせて使用するという、新しいコンセプトから誕生した“レンズ型カメラ”。グローバルモデルは2013年9月4日にすでに発表されており、日本国内での発表・発売が待ち遠しい製品だ。今回、グローバルモデルの試作機をいち早く使用することができたので、実際の使い勝手をレポートしたい。


※2013年9月12日追記:ソニーは2013年9月12日、日本国内での発売を発表。発売予定は10月25日で、市場推定価格は「DSC-QX100」が55,000円前後、「DSC-QX10」が25,000円前後。

「サイバーショット DSC-QX100」は、高級コンパクトデジカメ「DSC-RX100M2」のスペックをベースにした製品。「DSC-RX100M2」と同じ1.0型の裏面照射型"Exmor R" CMOSセンサー(有効約2020万画素)と、35mm判換算で広角28mm〜望遠100mmの画角に対応する、光学3.6倍のカールツァイス「バリオ・ゾナーT*」レンズを採用する。光学式の手ブレ補正機能も備えている

「サイバーショット DSC-QX10」は、光学10倍ズームコンデジ「DSC-WX200」と同様、1/2.3型の裏面照射型"Exmor R" CMOSセンサー(有効約1820万画素)と、35mm判換算で広角25mm〜望遠250mmの画角をカバーする光学10倍「Gレンズ」を採用。光学式の手ブレ補正機能も搭載する

スマートフォンとはWi-Fiで接続。専用アプリでリモート操作する仕組み

「サイバーショット DSC-QX100」「同 DSC-QX10」は、本体内にレンズ、撮像素子、画像処理エンジン、メモリーカードスロット、バッテリーを搭載したレンズ型のカメラ製品だ。スマートフォンとの組み合わせを前提にしており、スマートフォンをカメラ本体に見立てて、ソニー製Wi-Fi対応カメラとの連携用に提供されているアプリ「PlayMemories Mobile」上でリモート操作・撮影を行う仕組みとなっている。対応する「PlayMemories Mobile」のバージョンは「3.1以上」。同梱のアタッチメントを使ってレンズカメラ本体をスマートフォンに装着すれば、コンパクトデジカメのようなスタイルで撮影できるのも大きな特徴だ。

「DSC-QX100」「DSC-QX10」ともに、スマートフォンの専用アプリ「PlayMemories Mobile」(※Ver.3.1以上)を使って撮影する仕組みとなっている。同梱のアタッチメントを使ってレンズカメラ本体をスマートフォンに装着できるのがユニークだ

「PlayMemories Mobile」は、2013年9月11日現在、Android OS(Ver.2.3〜4.2)とiOS(Ver.4.3〜6.1)の両方に対応(※端末によってはOSのバージョン要件内であっても動作しないものもある)。「iPhone 5」などでも利用することができる

スマートフォンへのレンズカメラ本体の装着は、まず、同梱のアタッチメントをスマートフォンに取り付ける。その後、レンズカメラ本体を、デジタル一眼カメラの交換レンズのようなイメージで装着すればよい。なお、同梱のアタッチメントは、厚さ13mm以下で幅54〜75mmのスマートフォンに取り付けられるようになっている

同梱のアタッチメントは、取り付け部を折りたたんでコンパクトに収納できる

レンズカメラ本体とスマートフォンは、Wi-Fiでダイレクトに接続して、ワイヤレスで通信を行うようになっている。最初のWi-Fi接続時にパスワード入力を行う必要があるが、一度接続設定を行えば、その後は、「PlayMemories Mobile」を起動して、接続先のカメラ名をタップするだけでレンズカメラとスマートフォンの接続が完了し、撮影画面が表示されるようになる。このあたりの使い勝手は、最新のWi-Fi対応機器と同様で扱いやすい。

レンズカメラ本体とスマートフォンはWi-Fiでダイレクトに接続する。レンズカメラ本体は、本体の電源を入れると連動してWi-Fiもオンになる仕組み

本体背面のバッテリーのフタの部分に、Wi-Fi接続用のSSIDとパスワードが表記されている

「PlayMemories Mobile」を起動すると、Wi-Fi接続が可能なレンズカメラ本体のリストが表示される。モデル名をタップすると接続が完了し、撮影画面に移行する

Wi-Fi接続の設定で便利なのは、NFC対応のスマートフォンを使う場合だ。レンズカメラ本体にNFCが内蔵されているので、NFC対応スマートフォンであれば、レンズカメラの電源がオフの状態かつ、スマートフォンのWi-Fi機能がオフの状態であっても、レンズカメラ本体にスマートフォンをかざすだけで、レンズカメラ本体の電源オン、Wi-Fi接続、アプリ起動が連動して実行される。

NFC対応のスマートフォンであれば、レンズカメラ本体にかざすだけで、撮影までのひととおりの設定が自動で完了する

専用アプリ「PlayMemories Mobile」の操作性をチェック

続いて、「DSC-QX100」「DSC-QX10」を操作するための専用アプリ「PlayMemories Mobile」の操作性を見ていこう。細かい設定項目は異なるものの、両モデルでできることは基本的に同じ。撮影では、Wi-Fi経由で送られてくるモニタリング映像をスマートフォンの画面上で見ながら、ズーム操作、タッチAF、シャッター操作を行うことが可能だ。ただし、機能が制限されている点には注意。ほぼフルオートでの撮影となっており、感度を設定することはできない。どの撮影モードでもオート感度での撮影となる。また、オートフォーカスは常時オンになっており、レンズカメラ本体を動かすとオートフォーカスも連動する。タッチAF以外でオートフォーカスフレームを設定したり、位置を変更することはできないようになっている。

「サイバーショット」らしいところは、撮影モードとして、シーンを認識して最適な設定にする「おまかせオート」と、連写・重ね合わせ処理も行う「プレミアムおまかせオート」が用意されていることがあげられる。他のソニー製コンパクトデジカメと同じように、「人物」や「逆光」、「マクロ」、「動き」、「三脚」などを認識してオート撮影を行うことができる。

専用アプリ「PlayMemories Mobile」の撮影画面。左上が「撮影モードの切り替え」、右上が「静止画・動画の切り替え」、右下が「設定メニューの呼び出し」。左下が「スマートフォン内の画像を表示する外部アプリの呼び出し」を行うアイコンとなっている

撮影画面上で、ズーム操作とシャッター操作が可能

タッチAFにも対応している。タッチAFを行うと同時にAEもロックされる

ホワイトバランスの変更も可能

露出補正も行える

10秒もしくは2秒のセルフタイマー機能も備えている

レンズカメラの操作オンをシャッターのみにしたり、オフにすることが可能

静止画の撮影サイズは数種類用意されている

「DSC-QX100」は、撮影モードとして「おまかせオート」「プレミアムおまかせオート」「プログラムオート」「絞り優先」を利用できる。「プログラムオート」「絞り優先」では、撮影画面にシャッタースピードと絞り値が表示される

「DSC-QX100」は、マニュアルフォーカスの操作にも対応している

「DSC-QX10」の撮影モードは、「おまかせオート」「プレミアムおまかせオート」「プログラムオート」の3種類。どのモードでも露出情報は表示されない

撮影画面は縦表示にも対応している

撮影した写真は、レンズカメラ本体内のメモリーカード(microSDカードもしくはメモリースティック マイクロ)に記録される。記録と同時に、スマートフォン側に写真を自動転送することも可能で、転送できるサイズは、「2M」と「オリジナル」を選択できる。レンズカメラ本体内のメモリーカードを挿入していない状態でも、スマートフォン側に撮影写真の転送が行われるのが便利だ。

さらに、転送から直接、FacebookやTwitterなどのSNSに写真をアップロードすることも可能。具体的には、「レビュー画像保存」を「入」に、「レビュー表示設定」を「入」もしくは「2秒」にしておくことで、スマートフォンへの転送後に、転送した写真が自動的にプレビューされるようになる。プレビュー中に「共有」アイコンをタップすると外部アプリのリストが表示されるので、そこからSNSアプリの投稿画面などに遷移することができる(写真を添付した状態で)。撮影からSNSへの共有をシームレスに行えるようになっているのだ。

また、「DSC-QX100」「DSC-QX10」は、1440×1080/30p(MP4形式、ビットレート12Mbps)のハイビジョン動画の撮影も可能。ただし、動画は、レンズカメラ内のメモリーカードへの記録のみとなっており、自動転送には対応していない。外部サービスにアップロードするには、撮影後に、「PlayMemories Mobile」上でレンズカメラのメモリーカードを参照して選択する必要がある。

撮影を行うと、レンズカメラ本体内のメモリーカードに写真が記録される(※メモリーカードが挿入されている場合)。「レビュー画像保存」を「入」にすることで、撮影と同時にスマートフォンにも写真が転送されるようになる

転送する画像サイズは、「2M」と「オリジナル」のどちらかを選択できる

「レビュー表示設定」を「入」もしくは「2秒」にしておけば、転送した写真がスマートフォンで自動的にプレビューされるようになる。プレビューされている状態で「共有」アイコンをタップすれば、FacebookやTwitterなどの外部アプリを呼び出すことができる

動画撮影中の画面。記録時間などの情報は表示されない

「PlayMemories Mobile」上で、レンズカメラ本体のメモリーカード内にある画像を閲覧するには、「設定」の「カメラからコピー」を選択すればよい。選択すると、レンズカメラ本体が自動でプレビューモードとなり(レンズが収納される)、スマートフォンの画面に、レンズカメラのメモリーカード内の画像が表示されるようになる。この画面で、画像をプレビューしたり、複数の画像を選択してスマートフォンに転送するといった操作が可能だ。外部サイトへのアップロードも行うことができる(いったん、スマートフォン本体に転送してからのアップロードとなる)。

「カメラからコピー」を選択すると、メモリーカード内の画像が日付別に分けられて表示される

メモリーカード内の画像をプレビューしたり、複数の画像を選択して転送することも可能。表示は縦表示のみとなっている

なお、レンズカメラ本体の各種設定は、カメラ側に保存される仕組みとなっている。撮影モード、ホワイトバランス、露出補正、画像サイズなども記録しており、接続する端末を変えても設定は引き継がれるようになっている。

使ってみて面白かったところ・気になったところ

今回、「DSC-QX100」「DSC-QX10」と専用アプリ「PlayMemories Mobile」を使ってみて面白かったのは、レンズカメラ本体とスマートフォンを離して撮影できることだ。左手でレンズカメラ本体を持ち、右手でスマートフォンを持ちながら撮影するわけだが、これがとても面白い。使い始めは操作にとまどったが、慣れてくると左手の親指でズーム操作とシャッター操作を行いながら撮影が行えるようになった。まさに“フリーアングル”での撮影が可能で、デジタルカメラのバリアングル液晶とは違うイメージで写真を撮影できるのが楽しかった。

レンズカメラ本体とスマートフォンを離して使用することも可能。レンズカメラ本体の脇のシャッターボタンとズームレバーを使って撮影を行うスタイルとなる

使ってみて気になった点はいくつかある。「PlayMemories Mobile」のAndroid版(Ver.3.1.0)を、複数のAndroid端末(Android 4.0と4.3)で試してみた限りでは、「PlayMemories Mobile」から外部アプリを呼び出した際に、シームレスに撮影画面に戻れない点が少し気になった。Android OS版の仕様だと思われるが、「PlayMemories Mobile」をバックグラウンドに移すと、Wi-Fiのダイレクト接続が強制的にオフになったり、アプリそのものがサスペンド状態になることがあった。そのため、SNSへのアップロードなどで外部アプリを利用してから撮影画面に戻るには、「PlayMemories Mobile」を起動して接続からやり直す必要がある。ワンタッチの操作ではあるが、接続し直す必要があるのは少々手間だと感じた。なお、「iPhone 5」で試したiOS版(Ver.3.1.1)では、シームレスに撮影画面に戻ることを確認できた。

また、細かいところだが、アプリの撮影画面上でレンズカメラ本体のバッテリー残量を確認できない点と、レンズカメラ本体のメモリーカード内の画像を削除できない点が不便だと感じた。「DSC-QX10」のほうでは、プログラムオートでも露出情報(シャッタースピードと絞り値)が撮影画面上に表示されないのも気になるところで、できれば、感度も含めて表示してほしいところだ。

さらに、通信状態によっては、撮影画面でタイムラグが発生する点にも注意が必要だ。特に、ズーム操作を行った際にタイムラグが発生しやすいように感じた。とはいうものの、デジタルカメラのモニターと比べた場合に気になるだけで、Wi-Fi接続であることを前提とすれば、許容できる範囲の遅延だと思う。


以上、「DSC-QX100」「DSC-QX10」と専用アプリ「PlayMemories Mobile」についての使い勝手を駆け足でレポートした。アプリの操作性で細かい点をいくつかあげさせていただいたが、いろいろな遊び方ができる、これまでにはなかったユニークなガジェットであることは間違いない。アプリについては、現段階では、まだそれほど作り込まれていないと判断したほうがいいだろう。今後、アプリのバージョンアップによって、機能や使い勝手がさらに向上することに期待したい。まだアラもあるが、国内での発表・発売が楽しみな製品である。

バッテリー残量は本体に備える小型液晶で確認できる

「DSC-QX100」「DSC-QX10」ともに、インターフェイスとしてマルチ端子を装備。底面には三脚穴も用意されている

「DSC-QX100」「DSC-QX10」はパッケージもユニーク。レンズカメラ本体を想像させる円筒型のパッケージとなっている

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